人間関係を劇的に改善するPEARLSというメソッド  マインドフル・リスニングの書評


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 マインドフル・リスニング
著者:ロン・フリードマン、ハーバード・ビジネス・レビュー編集部(編集)
出版社:ダイヤモンド社

本書の要約

相手との関係を良好に保ちたければ、「タスクチャンネル」と「関係チャンネル」の2つの会話レベルに意識を向けるようにすべきです。日頃から、会話の知恵である「PEARLS」のフレーズを使うことで、仲間と建設的でポジティブな会話ができるようになります。

タスクチャンネルと関係チャンネルを理解しよう!

相手がどんな人でも、長く一緒に仕事をしていれば、意見の相違や感情的な行き違いが生じることは避けられない。ほとんどの場合は友好的に解決できるが、うまくいかないこともある。よほどの賢人か聖人なら別だが、誰でも一度や二度、何を議論していたのかも忘れるほど感情的になってしまったことがあるのではないだろうか。(ロン・フリードマン)

職場では時に感情のもつれが生まれ、相手との信頼関係が失われることがあります。仲の良いパートナーや初対面の顧客と会話が制御不能に陥ってしまったら、どうすれぽいいのでしょうか?

モチベーションを専門とする社会心理学者のロン・フリードマンは、良好な人間関係を構築・維持するためには、会話の中で相手への思いやりを忘れてはいけないと述べています。相手の心のニーズを満し、お互いに協力することで、結果を出せるようになあります。ロンは医師のアンソニー・サッチマンの「タスクチャンネル」と「関係チャンネル」の話を紹介し、この2つを混同しないようにすべきだと言います。意見の相違が激しくなって協力関係が崩れてしまうのは、この2つの会話レベルが入り乱れた時なのです。

職場の会話の事例を使いながら、「タスクチャンネル」と「関係チャンネル」について説明します。AとBは一緒にあるプロジェクトに取り組んでいます。途中で、次にやるべきことの方法をめぐって意見が分かれます。たとえば、Bはプレゼンのためにパワーポイントを使うべきだと考えているのに対し、Aはパワーポイントを使うは逆効果だと考えます。AがBの考えに異を唱えた時、単なる見解の相違と受け止め、合意するために会話を続けようとします(タスクチャンネル)。

しかし、一緒に仕事をするのが初めての場合や、過去に何度か衝突したことがある場合は、AはBの提案を深読みして、2人の関係について憶測し始めるかもしれません。たとえば、自分のことを信頼していない、軽視している、あるいは競い合って勝とうとしているなどと考えるのです(関係チャンネル)。

タスクチャンネルが関係チャンネルに侵食された瞬間に、仕事上の意見の相違が両者の関係を損ないかねない事態へとエスカレートする。その加熱の速さは驚くほどだ。

サッチマンはこの2つのチャンネルが入り乱れると、「恐怖反応が活性化された状態」に陥ると指摘します。人は危険を察知すると、脳の視床下部からの信号で、血液中にアドレナリンとコルチゾールが分泌されます。それは「闘争か逃走か」の反応を誘発して、身体を熱くさせてしまい、集中力や創造的思考力が働く余地を奪ってしまうのです。

私たちは周りが見えない視野狭窄状態となり、相手に恐怖感を感じ、コミュニケーションが上手くいかなくなり、その人との関係を壊してしまうのです。感情が高ぶることで、相手の意見に耳を傾けるのが難しくなり、独善的に振る舞ってしまうのです。

サッチマンは、こ情緒的に不安定な状況を鎮めるために、まずタスク「遂行」チャンネルと関係「維持」チャンネルを切り離すことが必要だと指摘します。意見が一致しない時はたいてい、相手からのフィードバックを個人的な攻撃だと誤解しています。私の意見に賛成してくれない人は、私が嫌いに違いないなどと考ええ始め、人間関係に悪影響を及ぼします。タスク遂行チャンネルに大きな負荷がかかり、建設的な意見をオープンに交わすことができなくなってしまうのです。

人のメンタルの容量は限られています、私たちは、タスクチャンネルか関係チャンネルのいずれかに意識を合わせることはできても、両方同時に集中することはできません。2つのチャンネルが入り乱れると、建設的な共同作業を進る能力が損なわれてしまいます。

意見の相違による緊張を緩和するための1つの方法は、意図的に関係チャンネルに意識を集中させ、相手との関係維持に注力することです。この方法なら、議論していることが何であっても混乱する心配はありません。一時的にタスク遂行から意識から外し、関係維持に焦点を当てることで、問題を解決できます。仕事とパーソナルは別物だと考えるようにするのです。

関係維持のための「PEARLS」という手法

サッチマンは、関係を維持して会話を建設的にするのに役立ついくつかのフレーズを紹介しています。各フレーズの狙いを表す言葉の頭文字をつなげて、 この会話の知恵を「PEARLS」(真珠)と名づけています。

・連帯(Partnership)
「この仕事には、あなたと一緒に取り組みたい」「一緒にやれば、きっと解決できる」

・共感(Empathy)
「あなたの話を聞いていると、やる気が感じられる」 「よかったら、心配な点を聞かせてくれませんか」

・承認(Acknowledgement)
「ずいぶん頑張りましたね」「苦労が報われましたね」

・敬意(Respect)
「あなたの創造性にはいつも感心させられる」「これについては、きっとよくご存じでしょう」

・正当化(Legitimation)
「これは誰にとっても難しい」「こんな状況で心配せずにいられる人はいませんよ」

・支援(Support)
「そのことだったら手伝いましょうか」「君にはぜひやり遂げてもらいたい」

関係を構築する言葉づかいは、最初はぎこちなく感じることがある。特に、あまり人を褒めたことがない人はそう感じることが多い。

最初のうち、このPEARLSを使う時にどこかぎこちなく、戸惑うこともあると思います。その際、最初は控えめにして、自分の気持ちを正直に反映している言葉だけを伝えるようにするとよいとロン・フリードマンは言います。

このPEARLSを上手に使えるようになれば、会話の雰囲気が劇的に変わります。意見が食い違っても関係が損なわれいようにすることで、チームは強くなります。

また、関係維持のためのフレーズの価値は、職場の中だけにとどまるものではありません。同僚に対して有効であるように、パートナー、子ども、友だちに対しても同様に効果を発揮します。相手の心のニーズに気を配れるようになると交流の質を向上させることができます。議論が熱を帯びれば帯びるほど、関係維持のためのフレーズの重要性が高まります。

職場や家族の人間関係がよくなれば、悩みを減らせます。自分のパフォーマンスをアップするために、PEARLSと言う知恵を身につけ、積極的に活用しましょう。

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この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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