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2040年の未来予測
著者:成毛眞
出版社:日経BP
本書の要約
テクノロジーによって生活が便利になる一方、様々なデータから日本の未来を予測すると暗い兆しがいくつも見つかります。課題先進国である日本に生きることを悲観するのではなく、変化の萌芽の中から、チャンスを見つけましょう。自分の頭で考え、変化に適応することで、自分を幸せにできます。
20年後から逆算し、今を生きよう!
新しいテクノロジーが出たとき、世の大多数は否定的である。それを大衆という。世界を変える可能性に気づく人間は少ない。(成毛眞)
iPhoneとSNSが日本で一部の人たちの話題になり始めた2008年に、私は広告会社をやめることを決め、その準備をスタートしました。未来から逆算すると広告業界に未来はないと考え、新たなビジネスにチャレンジしたくなったのがその理由です。ソーシャルメディアで情報発信を強化するうちに、出版することができ、サラリーマンをやめることができました。
2008年以降、私たちはテクノロジーの恩恵を受け、より多くの選択肢を持てるようになっています。テクノロジーは確実に私たちの生活を便利にしてくれています。
・Uber(Uber Eats)
・Spotify
・Netflix
・Radico
ピーター・ディアマンディス、スティーブン・コトラーは、2030年:すべてが「加速」する世界に備えよで、新たなテクノロジーが次々にコンバージェンスされ、エクスポネンシャル(加速度的)に世界を変えると予測します。(参考記事)
成毛氏も2030年には自動運転も空飛ぶクルマもドローンでの配送が当たり前になると指摘します。私たちは加速度的に変化する時代を生きていて、変化を感知できなければ、あっという間に古ぼけた骨董品になってしまうのです。
テクノロジーだけでなく、ほかのことも、気づいたときには手遅れになっているのが人間の性である。
それを避けるためには、今起こっている変化の萌芽に目を向け、そこから未来の形をつかむことです。私は仕事柄ベンチャー、スタートアップの経営者に会うことが多いのですが、日々彼らの斬新なアイデアに触れることで、未来をイメージしています。自分に足りないことを見つけ、情報を収集するうちに自分なりの予測を立てられるようになりました。
20年後から逆算し、今を生きることが重要で、手遅れにならないように準備を怠らないようにしましょう。著者は本書の中で、2040年という未来を私たちにわかりやすく提示してくれています。
現代を見渡せば、未来は見えるということだ。そして、荒唐無稽と思われていたものの大半が実用化されている。
現在、57歳の私が子供の頃に空想した「話せる時計」や「自動運転」はもう現実になっています。ずっと先のことと思われていたテクノロジーが次々に使えるようになり、変化はエクスポテンシャル(加速度的)に早くなっています。
テクノロジーによって生活が便利になる一方、様々なデータから日本の未来を予測すると暗い兆しがいくつも見つかります。日本の未来は客観的に見ると悲観的にならざるを得ないのです。
新しいテクノロジーが登場したとき、多くの人はそれに反対する。
少子高齢化が進んだ2040年の世界は想像するだけでも恐ろしい
。団塊世代が90歳、団塊ジュニア世代が65歳になる。そして、 団塊ジュニアの4割が集中するのが首都圏だ。 膨大な数の都民が高齢化を迎える。見渡す限り老人だ。 過疎地ではすでに現実になっている老老介護が現実のものになる。 東京都の年少人口(15歳未満) が占める割合は2019年は11%だったが、2040年以降には10%を割り込む。 子育て支援に力を入れようとしても、 対象となる子どもがいなくなるのに歯止めがかからない皮肉な状態 だ。あたりまえだが、人ロは最も読みやすい。 2040年の労働人口は確定している。 10年後に出生率が上がったところで、もう食い止められない。 現状の延長線上にある未来はこうした世界だ。
人口動態から見ると、日本は危機的な状況にあります。少子高齢化社会が、医療や年金制度を見直しは避けられません。また、人口減少で経済規模が縮小する中、日本人は今より確実に貧乏になるはずです。自然災害のリスクも高まり、南海トラフ地震、首都直下型地震から大型台風が私たちの生活を脅かします。2040年の日本は課題先進国となり、多くの人たちが悲観的になっています。
しかし、私たち日本人は過去に何度も大きな危機を乗り越えてきました。過度に悲観するのではなく、テクノロジーの力を信じて、楽観的に未来を考えたいものです。
困難に直面するのは避けられない中、国に頼るのではなく、自分の頭で考え、変化に適応すべきだと成毛氏は指摘します。
生き残るためには、幸せになるためには環境に適応しなければならない。生き残るのは優秀な人ではなく、環境に適応した人であることは歴史が証明している。環境に適応するには環境を知ることが不可欠だ。人間は想像力を超えた現実には太刀打ちできない。最悪の事態が想定できていれば、右往左往することはない。 最悪の事態を想定しながら未来を描いておけば、あなたの人生はそれよりも悪くなることはない。そして、そのシミュレーションができていれば、あなた個人に待ち受ける未来は、何も知らずにいたときの景色とは違ってくるはずだ。
独立した際に私が決めたことは、自分の頭で考えることでした。会社という組織に頼れなくなった私が、生き残るためには、変化に適応することしかないと考え、自分の思考と行動を見直しました。そのために、自分に刺激を与えることにしたのです。
日々、若い経営者との接点を増やし、彼らをベンチマークにしながら、未来を予測することを習慣にしました。翻訳本やテクノロジーに詳しいコンサルタントから情報収集も続けています。優秀な仲間と共に、ビジネスを組み立てることを自分の強みにすることで、クライアントに貢献できるようになりました。
自分の頭で考え、変化に適応すると決め、ポジティブに行動することで、よい仲間と巡り合え、仕事も人生も楽しくなったのです。世の中のニュースだけ見ていると、悲観的になりがちですが、この課題を解決すると考え、ビジネスに落とし込むと課題がチャンスになっていきます。ものの見方を変え、変化に適応することを心がけることで、私は幸せな時間を増やせました。未来から人生をシミュレーションすることで、課題を発見でき、自分がやるべきことが見えてきます。本書の未来予測を参考にしながら、自分の頭で考える時間を増やしましょう。
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