自分と相手の関係を上手に改善する方法。ハーバード あなたを成長させるフィードバックの授業の書評


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ハーバード あなたを成長させるフィードバックの授業
著者:ダグラス・ストーン、シーラ・ヒーン
出版社:東洋経済新報社

本書の要約

人間関係を改善したければ、チームや組織をシステムと捉えると良いでしょう。人間関係というシステムに何か不具合が生じると、人は相手には見えていない何かに気づきます。お互いの立場やスタンスを理解することで、非難や守りの姿勢を脱することができ、問題を解決できるようになるのです。

関係を改善したければ、人間関係をシステムと捉えよう!

「システム(仕組み)」とは、相互に作用または相互に依存しながら複雑な一つのまとまりを形成する、複数の構成要素の集まりである。システムを構成する各要素は、ほかの要素に影響を及ぼす。何か一つが変われば、その他全体にその影響が波及する。人間関係もシステムの一種であり、チームや組織もシステムだと言える。(ダグラス・ストーン、シーラ・ヒーン)

人間関係を一つのシステムと見ることで、対人関係を改善できるようになります。人間関係というシステムに何か不具合が生じると、人は相手には見えていない何かに気づきます。

人間関係のトラブルの多くは、一方に責任があるわけではありません。問題は相手のせいだと考え、自分には責任はないと思い込むことで、問題をより大きくします。程度の差はあるかもしれませんが、問題には双方がかかわっており、それぞれの行動が互いに影響を与えあっていると考えるようにしましょう。人から何かしらのフィードバックを受けた時に、システムという視点を持つことで、無用な争いも避けられますし、イライラせずにすみます。

システムという見地に立って、人間関係に目を向けると、苛立ちや困難や間違いを生みだすそもそもの原因を理解しやすくなります。問題の根源や、システムを構成する人それぞれが、どのような形で問題を生じさせる一因となっているかも見つけやすくなります。

また、与える側、受けとる側になったときに、正反対の反応を示す理由も、人間関係をシステムととらえれば説明がつきます。フィードバックのやりとりを有意義なものにし、結果を出したいなら、与える側と受けとる側(ほかの人が関係することも多々ある)がどのように問題に関係しているかを、しっかりと把握する必要があります。お互いの立場やスタンスを理解することで、非難や守りの姿勢を脱することができ、問題を解決できるようになります。

自分と相手の関係を上手に改善する方法

人間関係というシステムの3つの距離
■至近距離
■中間地点
■全体が見える位置
これらの3つの距離から人間関係を見ることで、さまざまなパターンやどう変化すればよいかが見えてきます。

1、1歩下がった場所:自分と特定の誰か
1歩下がった場所から相手を確認します。このふたりが組み合わさると、どんな問題が生まれるのか?それぞれの何が問題を生むのか?を考えます。冷静に相手を観察することで、衝突が起こるパターンが見えてきます。

2、2歩下がった場所:立場のぶつかり合い
ここでは、チーム、組織、家族における各自の立場(役割)まで視点を広げます。人が衝突するときは、この重要だが目に見えない、立場というものが原因となることが多いのです。それぞれが果たす立場や役割が見えてくると衝突の原因が見えてきます。

3、3歩下がった場所:全体像
客観的に人間関係を俯瞰することで、様々なことが見えてきます。関係している人、構造、プロセスなど、各自の選択や成果の指針となるもの、制約となるものが見えます。全体を見ることで、解決策が見えてくるようになります。

3歩下がると、全体像が見える。問題に関係している人をはじめ、物理的な環境、タイミングや意思決定、方針、プロセス、次善策や対策といったことがわかるようになる。これらはすべて、自身の行動や決断はもちろん、フィードバックのやりとりにも影響する。ここにあげたものはすべて、人間関係というシステムを構成する要素だ。

人間関係をシステムとしてとらえ、以下のポイントから関係を精査するようにしましょう。
□反応に目を光らせる
誰かからフィードバックをもらったときは、しっかりとそれを受け止めるようにします。「自分のせいじゃない!」といった思いを反射的に抱いたときは、1歩下がり、フィードバックをくれた相手との違いに目を向けましょう。

□責任を引き受ける
問題を生じさせた自分の言動を突きとめ、その責任を引き受けるようにします。その後、問題を引き起こしているのは自分と相手の両方だということをうまく相手に伝えることで、お互いの理解が深まります。

□協力を求める
フィードバックをしてくれた相手に、自分を変えるために協力してほしいと伝えると相手からのサポートをより受けられます。相手も自分の態度を変えてくれるかもしれません。

□何度も言われることに目を向ける
嫌になるほど同じ内容のフィードバックを受け取っているのなら、その部分を変えるようにしましょう。自分の行動を変えれば、誰からも問題視されなくなります。つまり、一つの問題を良い方向に変えるだけで、複数のシステム(人間関係)が改善できます。

□変えられるものを探す
フィードバックには、比較的簡単に応じることができるものがあります。言われたとおりにするのが自分のためだと思えたなら、さっさと行動を変えれば、人間関係のトラブルを減らせ、無用なストレスもなくなります。

人間関係をシステムとしてとらえ、そのシステムをきちんと精査できるようになるためには、自分が直面している問題はシステムの問題かもしれないという意識を持つことがポイントになります。 人間関係をシステムとして捉え、その構成要素や影響の生まれ方がわかると、個々の性格や個性を変えずに別の何かを有益に変えることができるようになるろ著者は言います。相手への見方を変えること、自分の立ち位置を変えることで、人間関係を改善できるようになります。

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この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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