InsTech(インステック)が変える保険の未来。


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ビジネス新・教養講座 テクノロジーの教科書
著者:山本康正
出版社:日経BP

本書の要約

今後、5Gが普及することで、保険会社がインターネットから取得できるデータも増え、顧客1人1人に最適な保険を販売できるようになります。フィンテックやヘルステックを活用したInsTechによって、保険会社は様々なサービスを提供できるようになり、ビジネスの可能性が広がります。

InsTechの代表企業・中国平安保険の強みとは何か?

保険にITを融合させた「InsTech(インステック)」という言葉が使われるようになりました。保険の「Insuarance」と技術の「Technology 」を組み合わせた造語です。(山本康正)

山本康正氏のビジネス新・教養講座 テクノロジーの教科書の中で、InsTech(インステック)が紹介されていました。InsTechの代表的な企業は中国平安保険(PING ANで、同社は1988年に中国の深センで設立されました。創業時からIT技術を取り入れることで急激に成長し、今では中国の4大保険会社の一つになっています。

ちなみに4大保険は
・中国人民財産保険
・中国人寿保険
・中国平安保険
・中国太平洋保険です。

昨年度のFortune500で21位になり、投資家からの評価も高まっています。中国平安保険の株価も同社の積極的な姿勢を受け、上場後も堅調に推移しています。時価総額もトヨタ自動車と同規模の20兆円近くに達しています。

同社はクラウドサービスやAIなどを積極的に取り入れ、保険審査の自動化で効率化を果たしています。保険以外に銀行や投資など4つの業務分野を保有する総合金融グループへと目覚ましい発展を果たしています。

同社は10億ドルのPing An Global Voyager fundを立ち上げ、ヘルステック・フィンテックへの投資を行っています。ブロックチェーン、クラウド、AI(人工知能)、顔認識などのテックベンチャーに投資によって、フィンテックのプラットフォームの構築を目指しています。

中国平安保険は世界で最も価値のある保険グループであると言われ、以下の企業群によってビジネスを拡大しています。
■Lufax:世界最大のデジタル資産管理プラットフォーム。約20万人の顧客にサービスを提供しています。
■Ping An Financial Cloud:中国で営業している金融機関にクラウドベースのサービスを提供。
■Ping An Good Doctor:世界最大の遠隔医療プラットフォーム。香港市場に上場。
■Ping An Wanjia Clinic:中国の約50%の個人クリニックをサポートするクリニック企業向けプラットフォーム。
■Ping An Health Connect:中国の医療費の50%をカバーする国家健康保険制度をサポートし、不正行為防止や過剰請求管理などのサービスを提供

同社はフィンテック・ヘルステックのベンチャー・スタートアップに投資を行うことで、経済圏を拡大しています。

 

保険会社がデータを活用する理由

保険の基本は互助そもそも保険とは、なにか問題が発生したときの互助手段です。例えば参加者が100人いるとしたら、1人が病気になったときに元気な99人が補助を出すというのが基本的な考え方です。 保険会社は自社の手数料を上乗せし、保険料を算出します

保険料は過去の病気や事故の統計に基づいて、年齢に応じて起こる確率を計算しています。ここには個人の特性や将来の行動までは考慮されていませんでした。年齢に応じて死亡する人の確率を過去のデータに基づいて算出しているだけで、個人個人にフィットした保険を作ることは難しかったのです。

医療保険大手のエトナとアップルはAttain(アテイン)というアプリでを開発しました。アテインではユーザーの健康履歴とアップルウォッチのアクティビティを組み合わせて、自分の健康目標を作成します。日々の健康管理を行い、目標を達成しようと努力を重ねるユーザーや、実際に目標を達成したユーザーには、ポイントが付与されます。ポイントはギフトカードに交換したり、アップルウォッチの購入代金に使えます。

しかし、エトナのようにアップルウォッチを活用すれば、保険会社はインターネットを通じて、健康情報をリアルタイムに取得可能です。そのデータを利用すれば、個人個人の健康状態に基づいて保険料を算出できます。

保険会社が、被保険者についてこれまで知らなかったことを、あらゆるモノがネットにつながる「IoT」を活用してリアルタイムに把握できると、お互いにハッピーになれるのです。

自動車保険でも最新のテクノロジーが活用されています。コンピュータ制御された自動車にスマートフォンなどを経由してデータを収集する仕組みを付けることで、リアルタイムでデータを収集できます。ドライバーの運転特性が把握でき、どこで急ブレーキを踏み、急発進をしたかなどがわかります。こうした情 報に基づいて安全運転をしている人にはポイントをあげたり、保険料を減らしたりといったサービスを実現できます。

 この考え方は貸し付け(ローン)にも適用できます。例えば会社に貸し付けるときにクラウド会計のシステムを通じてリアルタイムに健全性をチェック可能で、健全性がわかれば貸出利率を下げられます。

中国では個人の信用度を評価する「芝麻信用(ジーマスコア)」が活用され。スコアが高ければサービスなどで割引や処理順の優先を受けられるなどの特典が用意されています。このデータは金融だけでなく、就職や不動産賃貸など様々な場面で活用されるようになっています。

今後、5Gが普及することで、取得できるデータも増え、正直者をより優待するサービスが増えていきそうです。インステックを活用すれば、顧客1人1人に最適な保険を販売できるようになるだけでなく、様々なサービスを提供できるようになります。中国平安保険がその可能性を明らかにしたのです。

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この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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