ゲイリー・ハメル、C.K.プラハラードのコア・コンピタンス経営―大競争時代を勝ち抜く戦略の書評


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コア・コンピタンス経営―大競争時代を勝ち抜く戦略
著者:ゲイリー・ハメル、C.K.プラハラード
出版社:日本経済新聞出版

本書の要約

コア・コンピタンスとは、競合他社には提供できない利益を顧客にもたらす企業内部の秘められた独自のスキルや技術の集合体です。コア・コンピタンスを生み出すためには①顧客価値を高めること ②模倣が困難であること ③コア・コンピタンスを源泉として、多様な製品・サービスを生み出せることがポイントになります。

コア・コンピタンスとは何か?

コア・コンピタンスは未来のビジネスチャンスへの入口である。コア・コンピタンスで主導権を握っているかどうかは、コア・コンピタンスを利用する新しい創造的な方法を具体的に考えて、どれだけ新しい可能性を広げることができるかどうかによる。(ゲイリー・ハメル、C.K.プラハラード)

コア・コンピタンスは「コア技術」と「顧客の利益」の組み合わせで、この資産を明らかにすることが重要です。コア・コンピタンスを基軸にすることで、企業は競合に打ち勝つ強い製品を生み出せるようになります。競合他社には提供できない利益を顧客にもたらすことのできる、企業内部の秘められた独自のスキルや技術の集合体が、コア・コンピタンスなのです。このコア・コンピタンスを活用することで、企業の未来を明るくできます。

かつてのソニーのコア技術は「小型化技術」で、電子技術と機械技術の組み合わせにより、製品を次々と小型化させることで、成功を手にします。顧客に「携帯性」という価値を提供し、ウォークマンやハンディカムを世に生み出していったのです。フェデラル・エクスプレスのコア・コンピタンスは物流管理(荷物の所在追跡能力)で、顧客に定時配達という利益をもたらしました。

コア・コンピタンスを持つ企業も成長することで、過去の戦略を正当化してしまいます。やがて、遺伝子の多様性を減らし、同じ戦略を繰り返していれば大丈夫だとコア・コンピタンスを磨くことをやめてしまいます。経営者が競合を軽視し、傲慢になることで、企業は内部から崩壊していきます。

GMは長年ライバルのフォードだけに注意を払い、トヨタを無視することで、シェアを奪われていきます。日本の携帯メーカーはノキアをライバル視していましたが、いつの間にかアップルに市場を奪われていました。アップルは日本企業のコア・コンピタンスを統合し、デザインや使い勝手をよくすることで、iPhoneで覇権を握ります。その後も、自社の強みを広げることで、次々に新たなマーケットを開拓します。顧客の利益を考え、コンテンツ分野に進出し、自社の遺伝子情報を変えることで、成長を加速させています。

コア・コンピタンスを生み出すためには、 以下の3つの要件を満たす必要があります。
①顧客価値を高めること
②競合他社による模倣が困難であること
③コア・コンピタンスを源泉として多様な製品・サービスを生み出せること

コア・コンピタンスを活用し、成長を続ける!

社内に適度な遺伝子の多様性を保ち続けるには、経営幹部の思い込みや過去の知識を、むやみに会社の管理運営ンステムに持ち込んではいけない。会社として社員の教育活動やベスト・プラクティス活動を推し進めたいという願望と、経営の枠組みに柔軟性を保つ必要性は紙一重なことがよくある。会社の官僚的な体質が引き起こ問題は間接費の増加だけではない。官僚的な本社スタッフが管理運営規約を策定し、画一的で一方的な経営の枠組みを全部門に強制することこそ問題なのである。

現在のコア・コンピタンスを守りつつ、未来のコア・コンピタンスを創るためには、官僚的な体質にならないように注意を払うべきです。

新しい競争領域をつくり出すためには、現在の事業部の垣根を乗り越えて、既存のコア・コンピタンスをどうレバレッジすればよいかを考える必要があります。自社のコア・コンピタンスを明確にし、それを様々な分野に広げることを考えることで、未来の新たな市場を生み出せるようになります。

コア・コンピタンスの分野で世界的リーダーになろうとするならば、継続的な努力が必要である。

コア・コンピタンスをつくり、広げるためには、以下の視点で事業を整理し、競争優位の源を探しましょう。最近では、先ほどの3つの要素が進化し、以下の5つをクリアすることが求められています。
① 模倣可能性 (Imitability)→真似しづらい
② 移動可能性 (Transferability)→多方面に応用が可能
③ 代替可能性 (Substitutability)→オリジナリティ
④ 希少性 (Scarcity)→珍しさ
⑤ 耐久性 (Durability)→長期的な優位性

コア・コンピタンスを磨くことで、顧客に新しい利益を与えられ、さらに自社の製品やプロダクトを強くできます。アップルやアマゾンのように、非常に幅の広い利益を顧客に提供できるユニークな力を持っている企業になることで、圧倒的な優位性を得られます。

一度つくったコア・コンピタンスは当然、時代の変化に合わせて、進化させていくべきですし、常に新たなコア・コンピタンスを開発していく必要があります。コア・コンピタンスを活用し、イノベーションを起こすことで、ディスラプターの餌食になることなく、成長を続けられます。

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この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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