投資で成功するための4つのルール バートン・マルキール, チャールズ・エリスの投資の大原則[第2版] 人生を豊かにするためのヒントの書評

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投資の大原則[第2版] 人生を豊かにするためのヒント
バートン・マルキール, チャールズ・エリス
日本経済新聞出版

本書の要約

人生100年時代、老後に資産をしっかりと築くことが重要になっていますが、個人は投資に置いて以下の4つのルールを守れば、確実なリターンを得られます。①分散投資 ②リバランス(定期的にチェックし、一度決めた分散比率へ戻すこと) ③ドル・コスト平均法(定期定額長期積み立て投資) ④インデツクス・ファンド

暴落時でも長期分散投資で勝利できる理由

若いときから退職後に備えて資産形成を図る多くの方々にとっては、市場の短期的な上下は真のリスクではない。実際、長期積み立て投資に参加している人にとっては、株価の大きな上昇・下落は、むしろリターンを高める効果すらある。他方、下がったときに買い、上がったら売ろうと相場を張る投資家は、しばしば天井で買い大底で売るといった、最悪の判断をしてしまうものだ。(バートン・マルキール, チャールズ・エリス)

バートン・マルキール, チャールズ・エリス投資の大原則[第2版] 人生を豊かにするためのヒント書評を続けます。リーマンショック直後、株式投資を行なっていた私は、相当の恐怖を感じ、一部の持株を整理してしまいました。実際、この期間に世界の株価は半分程度にまで暴落し、その後しばらくは、投資家にとってまさに「失われた10年」と言われ、株式市場は停滞します。

市場は退職後の投資先としてはあまりにリスクが高く、普通の人にはとても耐えられないものだと感じられたのです。しかし、株価はその後上昇に転じます。相場を見ながら売買することは、失敗の最大の原因で。株価に気を取られる投資家はほとんど例外なく間違えると著者たちは指摘します。

リーマン時の私のように相場暴落のときに慌てて売ってしまうことで、多額の損を確定させてしまうのです。株価のその後の上昇に乗ることができず、取り返すこともできません。

2000年代初頭のインターネットバブルの際、2008年、金融危機のピーク時、世界の株式市場が底を打ったそのときにまさにバーゲン価格で買うべきそのときに個人投資家は過去最大規模で株を売ってしまったのです。2011年の欧州金融危機の際も、まったく同じことが起きています。

21世紀に入って最初の10年は歴史上最悪の10年になりました。21世紀初頭、いわゆるインターネットバブルがはじけ、市場は半値となったのです。2000年代の終わりにかけてリーマンショックのため相場は再び50%落ち込みます。2010年末のS&P500指数は2000年1月を下回っていました。

ここで著者たちは、長期分散投資のシミュレーションを行います。史上最高値をつけた2000年1月という最悪の時期に長期投資をスタートした場合、当初投資額はすぐ半減しますが、上げ相場でも下げ相場でも我慢強く一定額を定期的に投資し続けたとします。毎年1回、1000ドルを1月の最初に取引所が開いた日に投資したこととします。配当は再投資するものとします。

S&P500インデックス・ファンドに2000年1月1日に投資した場合と、毎年1月に1000ドルずつ分けて(ドル・コスト平均法)投資した場合を比較すると、長期分散投資の価値を理解できます。最悪のタイミングからの投資でも、著者たちのアドバイスに従えば、より多くのリターンを得られます。

長期投資家にとっても相場の動きは気になりますが、相場の変動は、むしろプラスなのです。退職後に備えて貯めようとする長期投資家にとっての最大のリスクは、短期変動をいかに乗り切るかではなく、積み立て投資のルールを相場の激しい動きに振り回されずに維持できるか、ということなのです。

投資で成功するための4つのルール

■分散投資はいつの世においてもリスクを減らす
株式市場は必ず上下するものだから、資産全体の中に比較的価格の安定したものを混ぜておくべきです。すべての株や債券がいつも同時に上下するわけではありません。たとえば、債券価格はしばしば株価が下がるときに値上がりします。

また、国別の市場リターンには明らかに差があります。2009年までの10年間、先進国と新興国市場の短期的な株価変動は完壁に連動していたものの、この10年間の長期リターンは決定的に違います。

■「失われた10年」でもリバランスは効果的
リバランスとは、定期的に、たとえば年に一度、保有資産全体の中での株や債券の配分比率をチェックして、当初定めた比率に戻すよう売買することです。多くの人は、市場が活況で天井に近づいたときに買い、暴落時という最悪のタイミングで売ってしまいます。リバランスはそれを防ぐための指針になるのです。

■分散投資とリバランスの組み合わせ
著者のバートン・マルキールは長年にわたり、50代の投資家の分散投資のメドとして、33%が債券、
33%が米国株、17%が米国以外の先進国株、17%が新興国株という配分比率がいいと提案しています。

■インデックス運用を勧める理由

トッププロの総意を反映したインデックス・ファンドは、アクティブ・ファンド全体のうち3分の2のファンドに勝っている。そして市場に勝つ3分の1のアクティブ・ファンドも、次の期間に勝ち続けるとは限らない。さらに市場に負けたときの負け幅は、勝ち幅のほぼ倍というデータもある。

素人は投資のプロの総意を反映したインデックス・ファンドを購入すべきでです。手数料の安いインデックス・ファンドに長期分散投資をすることで、得られるリターンを高めるべきです。

■長期投資で成功するためのカギ
長期的に成功するためには、自分でできること、つまりコストを抑えることを意識しましょう。

忍耐力と継続こそが大事だ。この投資の大原則に基づいて長期方針を立て、しっかりと実行すれば、成功は間違いないだろう。

人生100年時代、老後に資産をしっかりと築くことが重要になっていますが、個人は投資に置いて以下の4つのルールを守れば、確実なリターンを得られます。

①分散投資
②リバランス(定期的にチェックし、一度決めた分散比率へ戻すこと)
③ドル・コスト平均法(定期定額長期積み立て投資)
④インデツクス・ファンド

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この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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