最強の生き方(アーノルド・ベネット)の書評

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最強の生き方
アーノルド・ベネット
興陽館

本書の要約

自分の意見を持ち、それを他者に伝えることで初めて、私たちは最高の人生に近づけます。自分と社会の両方のために生きること、他者に価値を提供することで、感謝される存在になれます。自分自身のために生きること、正しい選択を繰り返すことで、他者に貢献できるようになるのです。

最高の人生とは何か?

自分以外の人のために生きようとしないのは不自然なことだ。(アーノルド・ベネット)

アーノルド・ベネットは、20世紀イギリス最大の小説家のひとりです。彼は貧しい暮らしからスタートし、親の期待するレールから外れても成功し、さまざまな成功法則を私たちのために残してくれました。本書は100年以上読み継がれた良書の『RESONABLE LIFE』の翻訳本ですが、ベネットのメッセージは今でも古さを感じません。

ベネットは若い頃、弁護士である父と生き方をめぐって揉め、父の法律事務所を飛び出します。その後小説家として成功します。彼はその体験を通じて、他者への貢献によって、最高の人生を送れると考えるようになりました。弁護士というレールから外れ、まったく別の道で大成したベネットは、本書でこの考え方を繰り返します。

周りを見回せば、チャンスはそこらじゅうに転がっているとベネットは言います。すばらしい人生を歩んでいる人は、一度では足りず何度も何度も、乗っているボートを自らおりています。常に、何かチャンスはないかとアンテナを張り巡らし、ボートを降りた直後は後悔したとしても、決して挑戦を諦めません。誰かのために何かをしたいと考えることを忘れないことで、ビジネスはうまくいくようになります。

自分を活かせる場所を見つけたら、安全なボートから降りるようにしましょう。勇気を持って行動することで、はじめて成功が手に入るのです。最高の人生を送りたければ、変化に適応し、新たな選択肢が見つかったら、勇気を持って行動する必要があるのです。そのためには、さまざまな学びが欠かせません。

学び続けることで、社会課題が発見できるようになりますし、その解決策も見つかります。それを他者に伝えることではじめて、私たちは最高の人生に近づけます。自分と社会の両方のために生きること、他者に自分の価値を提供することで、感謝される存在になれるのです。

最高の人生に近づくには、学ぶことで自分の才能を伸ばし、生計を立てる術を知ることも欠かせない。何より大切なのは、自分自身が楽しむことだ。せっかく何かを学んだのに、誰かに依存したり、生活のためだけに嫌な仕事をする羽目になってはなんの意味もない!

「人生は面白い、と気づかせるのが教育だ」とベネットは言いますが、私は多くの書籍のおかげで、人生の面白さに気づけました。先人の知識や体験を自分の人生に取り入れることで、自分の人生をより豊かにできると考えられるようになりました。

自分のためではなく、誰かのために何かができるとで満たされた気分になれます。経験を重ねることで自信も付きますし、視野も広がります。他者への貢献を続けることで、世の中をよりよくできます。人生を楽しむためには、いたずらに悩むのではなく、積極的に行動すべきです。楽しみながら自分を動かすことで、運がよくなるのです。

なぜ、学びをやめてはいけないのか?

そもそも最高の人生などないと知りながら、一つひとつ知識を身に付けたり訓練を積んでいくことだ。ぼくたちの心と体は、たとえるなら楽器か、機械か、装置だ。体の調子が悪いと心がうまく機能しないし、その反対で、心が弱っているときは体がうまく働かない。 そしてそんな状態である限り、最高の人生は歩めない。

最高の人生を送るためには、学びを続け、心と体のメンテンスを怠らないことだとベネットは述べています。学ぶのが楽しくない時は疲れている証拠だと考え、無理をするのをやめ、しっかりと休息を取りましょう。

今までとは異なるカテゴリーの本を読むことで、脳を元気にできます。私たちは地理を学ぶことで環境の大切さを知り、歴史を学ぶことですべての結果には原因があり、その結果からは逃れられない、ということに気づけます。

社会は絶えず動き、変化し続けているのです。この世に完成や絶対や終わりはないと考え、行動しましょう。「万物は流転し続けている」と捉えること、それを自分の人生に当てはめるようにすべきです。

「学びには終わりがない」とベネットは言います。自分の知らないことを知れば知るほど、知らないことが見えてきます。本当に賢い人は、自分が愚かだということを知っています。そのために彼らは学びをやめないのです。

本を読めば読むほど、知らないことが明らかになります。私は今年59歳になりますが、学べば学ぶほど世界が広がることを楽しんでいます。日々の読書や人からの学びによって、人生をより豊かにできます。

学んだことは脳にストックされ、今までの知識や体験と掛け合わされることで、新たなアイデアが生まれます。このアイデアによって他者に貢献できた時に、私は最高に幸せな気分になれます。学びを続けることが、未来のワクワクな時間を生み出してくれるのです。


 

この記事を書いた人
徳本

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数
iU 情報経営イノベーション専門職大学 特任教授 

■著書
「最強Appleフレームワーク」(時事通信)
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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