人生はあなただけのものじゃない
トム・ラス
ディスカヴァー・トゥエンティワン
本書の要約
幸せになりたいなら、自分の幸せではなく、まず他者への貢献を考え、彼らを幸せにすることから始めるべきです。そして、その貢献はすぐに始めたほうがよいのです。今日やらなければ、二度とそのチャンスはないと考え、他者のためのアクションを起こしましょう。
他者への貢献が人生にとって重要な理由
人が幸せになるためには、自分の幸せだけを追い求めていてはいけないということ。それでは幸せになれるどころか、反対に幸せから遠ざかってしまうことだってある。(トム・ラス)
さあ、才能に目覚めよう!の著者であるトム・ラスは、 16歳のときに自分の余命が短いことを宣告されます。自分の死を若いときに意識することで、著者の生き方が変わります。自分の人生が終わった後にも、人々に対して何を残せるだろうかと考えることで、つらい病気との戦いを乗り越えます。また、他者への貢献を考え、実践することで自分の人生をより意義のあるものに変えることに成功します。
著者は自分の体験から自分の時間が有限であることに気づき、残された時間を大切にするようになります。
自分のことばかり考えるような自己中心的な発想から抜け出す一番の近道は、自分の時間は有限である、つまりいつかは死ぬと知ることだ。間違いないのは、すべての人がやがて死すべき運命にあるということだ。考えたくもないかもしれないが、やはりそこから目を背けてはいけない。
幸せになりたいなら、自分の幸せではなく、まず他者への貢献を考え、彼らを幸せにすることから始めるべきです。そして、その貢献はすぐに始めたほうがよいのです。今日やらなければ、二度とそのチャンスはないと考え、他者のためのアクションを起こしましょう。
当然、自分が今まで周りの人から受けてきた恩恵にも感謝すべきです。人生は自分だけのものでなく、他者からのギフトで成り立っているのです。この事実に気づいたときが行動を起こすベストなタイミングです。
本書を読むことで自分の人生の棚卸しができ、他者への貢献の気持ちが高まりました。
幸せになるために必要なことは他者への貢献
強みやそれを伸ばす努力は、その人だけのためではなく他の人に影響を与えてこそ意義があると思うのだ。
自分の価値を周りの人に提供し、その人たちへの貢献を目指すべきです。自分の仲間、家族、コミュニティに、自分はどんな形で貢献したらよいのかを深く考えるようにしましょう。
「人生とはこの世の中を少しでも良くするためにこそある」と著者は言います。あなたの周りの人の幸せに 貢献すること。そしてあなたがいなくなった後にも残るもののために力を注ぐこと、それが著者の考える人生の意味なのです。
人はずっと生きられるわけではありませんが、その人の貢献はずっと残るのです。自分が何によって他者に貢献できるかを考えることで、人は成長の階段を登れるようになります。
最近の研究によると、他の人に役立つことは何かを考えることは、「達成」と「幸せ」両方の原動力になることがわかりました。どの科学者も、人間は本来、他者との共存を志向する生き物だという点で一致していると言います。人は他者の存在なくして生きられませんから、彼らに貢献することをまずは始めましょう。
また、人間の社会性について調べた数百にも及ぶ研究によると、生きがいある人生の最も大切な要素は、自分を超えたものとつながることと、その貢献を自覚することが重要であることがわかりました。人生を自分だけのものと考えるのではなく、周りの人とのつながりだと捉えるようにしましょう。
他の人の人生に役立っているという確信は、仕事の生産性の向上以上の効能があるともわかっています。他者への貢献が心身の健康にもプラスに働きます。 ほんの小さな親切でも、それを他人にすることで私たちは幸福になれるのです。
仕事で人の役に立つことができれば、相手だけではなく、自分自身にも大きな見返りをもたらします。組織にギバーが増えることで、チームの幸福度も高まり、組織に成長をもたらします。
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