マネーセンス 人生で一番大切なことを教えてくれる、「富」へ導くお金のカルテ11
ブラッド・クロンツ、テッド・クロンツ
KADOKAWA
本書の要約
お金だけが重要だと考えるのをやめ、自分の本当にやりたいことに目を向けましょう。お金に関するトラウマから抜け出し、変化することを選択するのです。変化は可能だと考え、新しいシナリオを書き、それを実践することで、幸せな人生を歩めるようになります。著者のアドバイスを参考にすれば、自分のお金の悪い習慣を変えられます。
お金で失敗しない4つの方法
子ども時代の解釈をもとに、わたしたちは「マネーのシナリオ」をつくりあげ、成人後はそのシナリオに沿ってお金について考え、お金とつきあう。(ブラッド・クロンツ、テッド・クロンツ)
多くの人はお金にトラウマを持っています。お金に関する悩みや不安は、現代社会でよく見られる問題です。経済的な困難や貧困、借金など、お金にまつわる不安は、個人の生活に大きな影響を与えることがあります。
お金にトラウマを持つ人々の中には、子供の頃の経済的な苦労や困難な経験によって引き起こされることがあります。例えば、家庭の経済的な問題や親の借金など、幼少期に経済的な不安を経験した人々は、成長してからもお金に対する不安や恐怖心を抱くことがあります。
ファイナンシャル心理学の権威であるブラッドとテッドのクロンツ親子は、お金に関する体験が無意識の中で作用することが多いと指摘しています。この無意識の作用によって、私たちは知らないうちにお金に振りまわされてしまうことがあるのです。
お金に関する体験とは、過去の経済的な出来事や教育、家庭環境など、お金にまつわるさまざまな経験のことを指します。これらの体験は、私たちの無意識のなかに隠れていて、私たちのお金に対する意識や行動に影響を与えているのです。
経済的なアドバイスだけでは、破壊的な行動を変えることはできない。
著者はお金で失敗しない4つの方法を明らかにしています。
①マネー感覚の火種の元を究明する。
お金に関する失敗の原因を明らかにします。多くの場合、親のお金に関する失敗体験が影響を及ぼします。
②マネーのシナリオを検討する。
マネーのシナリオから生まれる不健全な行動──マネー感覚不全症候群:マネー・ディスオーダー──を取り上げる。そこで、みなさんは自分自身のマネーのシナリオ(と未解決の問題)や、その原因、それから自分の経済生活に及んでいる悪影響に気づくだろう。
著者は経済的な病理はだいたい次の3つのタイプのどれかにあてはまる。
・育ってきたなかで、家庭内、もしくはもっと広い文化のなかで目の当たりにした破壊的な行動のパターンを繰り返す。
・過去の経験や影響を回避しようとして、逆の極端なパターンに走る
・極端から極端へと行ったり来たりして、不健全な「振り子」になってしまう。
心と経済状態を健やかにしたいと思ったら、解決策はお金をたくさん稼ぐことではなく、お金と健全な関係を築くことです。お金に関するストレスの元になっている未解決の問題を解決するために、ややこしい感情を直視し、解きほぐす必要があります。その結果、心と経済状態は健全になり、将来のストレスやトラウマ体験にも上手に対処できるようになるでしょう。
お金との健全な関係を築くためには、自分自身の感情や考え方を見つめ直す必要があります。例えば、お金に対する恐怖や欲望、不安などの感情を素直に受け入れ、それらを解きほぐすことが大切です。このような感情を無視したり、押し殺したりすることは、心の健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
人の脳の構造は、ワニ脳、サル脳、科学者脳の3つに分類できます。ワニ脳とサル脳の働きについて考えると、ワニ脳は主に脅威に関心を集中しています。一方、サル脳は感情の中枢を探求し調査する役割を果たしています。科学者脳は入ってくる情報を観察し、分析することで理性的な判断を下す役割を果たしています。これらの役割が協力することで、驚異的な成果が生まれることもあります。
しかし、何か恐ろしいことが起こった場合、主導権を握るのはワニ脳です。ワニ脳はストレスがかかると原始的な思考に戻り、理性的な判断ができなくなります。この脳の機能モデルは、私たちの精神的健康や経済的な健全さにも深い意味を持っています。なぜ人がお金で自滅的な行動を続けるのか、このモデルから説明できるのです。
お金で困難な状況に直面すると、動物の脳は自身の存在を脅かされていると判断し、理性の脳との協力関係が崩れてしまいます。この結果、科学者や理性的な判断を下す能力が失われてしまうのです。 このような状況では、私たちは衝動や感情に支配され、自滅的な行動をとりがちです。
お金で困難な状況に陥った時には理性的な行動が求められます。そのような時には次の4つのステップを踏めばよいと著者は言います。
①不安や興奮のせいで激しい感情に振りまわされているときには不合理な行動をしがちだと認識すること。
そういう状態で決断をすると、ほぼまちがいなくまずいことになる、と自分に言い聞かせるようにします。
②何度か深呼吸する。
強いストレスや怒りを感じると、自動的に呼吸が浅く、速くなる。ここで深呼吸すると、リラックスするのに役立ちます。
③自分の思考が正しいかどうかチェックする。
④急いで決断してはいけない。感情的な反応と行動のあいだにある程しず度の時間をおくこと。
悩み苦しんでいるときには、考えを落ち着かせて動物の脳を鎮め、理性の脳を復帰させるのに、だいたい20分くらかかります、即断するのをやめ、じっくり考えるようにしましょう。
お金との関係をよくする11の方法
確定拠出型年金(401k)の価値が急落するのを目の当たりにしたときや、足りない家計のつじつまを合わせるときなど、お金のストレスがあると、私たちは無力感に襲われ、そのためにさらにストレスが大きくなって、理性的な思考が損なわれることがあります。
経済生活を改めるには、まず自分のなかにある信念や知識、洞察、そして感情を変えなくてはなりません。自分の内部が変わらなければ、結局は古い習慣に逆戻りしてしまいます。
自分のマネー感覚の火種を知り、過去の痛みや学んだ教訓を受け入れれば、感情や自動的な思考と自分を切り離してもいいと気づく。そのとき初めて、どんな経済行動を選ぶかを、理性的で積極的な方法で決めることができる。
経済生活を改善するためには、まず自分自身の内面を見つめ直す必要があります。自分の信念や知識、洞察、そして感情を見つめ直し、必要な変化を起こすことが重要です。お金に関する信念や考え方を改めることで、より健全な経済生活を築くことができるでしょう。
自分が本当に大切なものを明らかにし、そこにお金を使うようにしましょう。お金よりも大切な家族との時間を優先しましょう。ただし、家族がお金より重要だと考えても、お金がなければ家族を幸せにできないこともあります。お金を避けるのではなく、お金との関係を見直し、後悔しない人生を送りましょう。
お金、時間、エネルギーの使い方について、最適な方法を考え、バランスをとるようにしましょう。その際、周りの人に流されないことが肝心です。
新しいマネーのシナリオができたら、それをマントラにし、日々繰り返すようにしましょう。やがて自分おマインドセットを変えることができ、悪いお金の習慣から脱却できます。
著者は「お金に関わる暮らし方を変える11の方法をまとめています。
1、大きな視野で見る
2、人間関係に投資する
3、現在に目を向ける
4、運動を続ける
5、テレビを消す
6、困った人を助ける
7、自分が恵まれていると思うことを数え上げる
8、前向きな姿勢を維持する
9、成長する機会を大切にする
10、助けを求めよう
11、自分のボックスを壊す。
お金だけが重要だと考えるのをやめ、自分の本当にやりたいことに目を向けましょう。お金に関するトラウマから抜け出し、変化することを選択するのです。変化は可能だと考え、新しいシナリオを書き、それを実践することで、幸せな人生を歩めるようになります。著者のアドバイスを参考にすれば、自分の悪い習慣を変えられます。
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