ChatGPTと語る未来 AIで人間の可能性を最大限に引き出す(リード・ホフマン)の書評

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ChatGPTと語る未来 AIで人間の可能性を最大限に引き出す
リード・ホフマン
日経BP

本書の要約

ChatGPTの登場は、情報収集の新しいパラダイムを生み出しています。従来の検索エンジンの限界を超え、ユーザーとの深い対話を通じて情報を提供するこの新しい方法は、今後の情報社会においてますます重要な役割を果たします。ChatGPTを避けるのではなく、積極的に活用することで、自分のパフォーマンスを高められます。

ビジネスパーソンが生成AIを使うべき理由

私たち現代人の行動は、仕事でもそれ以外でも、情報を処理して実行に移すことが大半を占める。そこにGPT-4の助けが入れば、スピードは飛躍的に上がり、行動でできる範囲と視野も広がる。今後数年以内に、このツールは、ほとんどの専門職をはじめさまざまな職種で、便利なだけでなくほぼ不可欠な助手となるだろう。GPT-4なしには仕事も遅く内容も薄くなり、周りに対して大きなハンデを背負ってしまうのだ。(リード・ホフマン)

現代社会は「情報時代」とも呼ばれ、日々膨大な量の情報が私たちに流れ込んできます。スマートフォン、テレビ、インターネットなど、情報は至るところから私たちのもとへと届けられます。この情報の波には多くの価値が含まれている一方で、それを適切に処理し、有益な情報と不要な情報を判断する作業は非常に大変です。情報の過多は、時として私たちの判断を難しくさせ、ストレスを生む要因ともなっています。

この課題を解決したのがChatGPTなどの生成AIです。この先進的なAI技術は、情報の洪水の中から関連性の高い情報を見極め、私たちに提供する能力を持っています。それだけでなく、自然言語処理の技術を駆使して、ユーザーとのコミュニケーションもスムーズに行うことができます。

疑問や問題に対する解答、助言、さらには学習支援まで、ChatGPT-4は私たちの日常生活やビジネスシーンでの多岐にわたるニーズに応えることができます。 

未来のオフィスや学校では、ChatGPT-4のようなAI技術の活用が一般的となるでしょう。データ解析、市場調査、設計、教育など、多くの業界での作業がChatGPT-4のサポートを受けて劇的に効率化されることが期待されます。人とAIの協力によって、新しいアイディアや発想が生まれ、ビジネスの質をさらに高めることができるようになります。

ChatGPT-4を活用しないビジネスパーソンの仕事の効率は、大幅に低下する恐れがあります。その結果、取り組む内容の質も劣化し、周囲の競争相手に後れを取る可能性が高まります。この時代には、信頼性の高い情報を迅速に収集し分析することが、ビジネスの成功のカギとなるため、ChatGPT-4のような先進技術の活用は避けて通れない選択となるのです。

ChatGPTは、あなたの話したいことがどのようなものであれ、そのテーマを掘り下げることが「可能」なだけでなく、「信じられないほど積極的に」話を進めてくれる。このような特徴が、高度にパーソナライズされたユーザー体験を生み出す原動力になる。GPT-4とやりとりするなかで、あなたはその場その場でつねに対話の内容を好みの方向に調整していくことになる。

以前、情報を探す際には、図書館や書店、そして近年ではインターネット上の検索エンジンが主な手段でした。特にインターネットの普及に伴い、GoogleやBingなどの検索エンジンが情報収集の中心となってきました。キーワードを入力し、検索結果から関連性の高いものを選び出す、この一連の流れが当たり前のものとなっていました。

しかし、この方法には欠点も多く、本当に欲しい情報をなかなか見つけられませんでした。特定の情報を探す際に、検索結果が多すぎるために目的の情報を見逃してしまうことや、関連性の低い情報が混じっていることが問題となっていました。 

ChatGPTは、この情報収集の方法を根本的に変える可能性を秘めています。検索エンジンとは異なるアプローチを採用しており、ユーザーの質問やリクエストに対して、即座に具体的な回答を提供することができるのです。実際、私も検索エンジンを使う頻度が低くなり、AIとの対話に時間を使うようになっています。

旅行の情報を探している際、例えば「日本の秋の名所」を検索エンジンで検索すると、多くの観光サイトやブログからの情報が表示されます。しかし、ChatGPTにこの質問をすると、「日本の秋の名所としては、京都の紅葉や北海道の大雪山が有名です」といった具体的な答えを直接得ることができ、ここから対話を進めることでさまざまな情報を得られます。

また、ChatGPTの大きな特徴として、ただ情報を提供するだけでなく、ユーザーとの対話を通じて新しい知見や視点を提供する点が挙げられます。例えば、科学の研究についての質問をすると、ChatGPTは最新の研究結果や背景知識をもとに、詳しい解説や意見を共有してくれます。 このような対話を通じて、ユーザーは単なる情報の受け手ではなく、知識の共有者としての役割も果たすことができるのです。

ChatGPTは多言語に対応しているため、世界中の多くの人々が自分の母語で情報を得ることができます。また、プログラム言語などの特殊な用途にも対応しているため、エンジニアや研究者など、特定の専門知識を持つユーザーも十分に利用することができます。

ChatGPTの登場は、情報収集の新しいパラダイムを生み出しています。従来の検索エンジンの限界を超え、ユーザーとの深い対話を通じて情報を提供するこの新しい方法は、今後の情報社会においてますます重要な役割を果たします。ChatGPTを避けるのではなく、積極的に活用することで、自分のパフォーマンスを高められます。

新しいテクノロジーはとにかく使い倒せ!

2005年、YouTubeが誕生した当初、多くの人はこれを単なるビデオ共有サイトとして見ていました。しかし、このシンプルなプラットフォームがどれほどの変化を世界にもたらすか、当時の私たちは想像すらしていませんでした。

初めは、個人の趣味や日常を共有する場として利用されることが多かったYouTubeでしたが、すぐにこのフリーのプラットフォームが、人々の情熱や才能を世界に示す舞台となりました。リアクション動画、メイクアップチュートリアル、開封動画、そしてASMRなど、従来のメディアでは考えられなかった新しいジャンルが次々と誕生しました。

これらのジャンルに特有のクリエイターたちは、独自の才能やアイディアを活かして、数多くのファンを魅了し続けています。そして、中にはYouTubeを通して億万長者になった者もいます。これは、YouTubeが単なるエンターテインメントの場ではなく、新しいビジネスの舞台ともなっているからです。 更に、YouTubeは今や教育や情報の共有、ビジネスの促進のツールとしても大きな役割を果たしています。

多くのクリエイターが、このプラットフォームを活用して、新しい情報や知識を伝えるためのコンテンツを作成しています。これにより、YouTubeは世界最大の教育や情報のリソースとしての役割も果たしているのです。 結論として、YouTubeの成功は、革新的なクリエイターたちの無限の可能性と情熱が、このプラットフォームと融合した結果と言えるでしょう。そして、この成功物語は、今後も続いていくことでしょう。

テクノロジーの変化によって、多くの業界がこれまでに見たことのないような変化を経験しています。AIの進化は止まらず、私たちの日常や職業にも変化をもたらすことが期待されます。 ChatGPTなどの生成AIは人工知能を使用して人間のような対話を可能にしています。

これにより、企業は顧客への対応を効率的に行い、常に高品質なサービスを提供することができるのです。このようなAIの能力は、その他の業務やタスクにも応用されるでしょう。 更に、GPT-4などの先進的なAIツールの登場により、私たちは作業をさらに効率化できるようになりました。

データの解析、事象の予測、さまざまな業務の自動化など、AIはこれらのタスクを高速で正確に実行することができます。その結果、私たちは新しいアイディアやプロジェクトに集中するための時間を手に入れることができ、これが新たな革命を生み出すきっかけとなるかもしれません。

GPT-4の提案がすぐに役立つものだとは限らない。それでも、さらなるアイデアのきっかけになったり、たたき台として使えたりすることもあるため、頭が真っ白なまま一歩も前に進めないよりははるかにいいはずだ。

著者は仕事にGPT-4を活用する3つの原則を明らかにしています。
原則1 GPT-4を全知全能の神ではなく、大学生の研究助手のように扱うことが重要です。
GPT-4は強力なツールでありながらも、それ自体には限界があります。私たちはその限界を理解し、GPT-4をサポートする存在として活用するべきです。

原則2 自分の役割を大工ではなく映画監督と考える。

特定のプロンプトを少しずつ調節しながら何度も試す必要があるかもしれない。つまるところ、これは共同作業なのだ。

大工は与えられた材料を組み立てるだけですが、映画監督はストーリーを創り出し、演出する役割を果たします。同様に、私たちはGPT-4を使ってアイデアや文章を形にする際に、単にツールを使うだけでなく、創造的な視点や独自性を持ちながら生成AIとチームを組むつもりで、活用することが重要です。

原則3では、とにかくやってみる。
GPT-4や他のAIツールを使って新しいアプローチやアイデアを試してみることは、成長や進歩のために不可欠です。失敗することもあるかもしれませんが、その経験から学びを得ることができます。

本書のリード・ホフマンとChatGPTとの対話を通じて、さまざまな刺激を受けました。プロンプトエンジニアリングの成否が今後のビジネスの可能性を左右しそうです。引き続き生成AIを使い倒していこうと強く思った次第です。


この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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