幸せスイッチをオンにする メンタルの取扱説明書
エマ・ヘップバーン
ディスカヴァー・トゥエンティワン
幸せスイッチをオンにする (エマ・ヘップバーン)の要約
「幸せのサンドイッチ」の手法では、個人の好みや感性に合わせて、幸せを感じられる要素を選択し、日常生活に組み込むことが重視されます。自分にとって何が幸せを感じさせるのかを理解し、それらを積極的に取り入れることで、日々の生活がより充実し、幸福感が高まることが期待できます。
幸せなサンドイッチをつくろう!
幸せになるには、幸せを感じられるように生きるだけでなく、悲しみのような感情とうまく付き合うことも、同じくらい大事だと私は思うのです。(エマ・ヘップバーン)
神経心理学の専門家であり、臨床心理士であるエマ・ヘップバーンは、人生に幸せを取り入れるためには、同時に生きる上で避けられない苦境の乗り越え方を知っておくことが重要だと言います。
ヘップバーンは、長年にわたりメンタルヘルスの問題に取り組んできた経験を持ち、私的・公的の両面で活動しています。彼女は神経心理学の専門家として、心の仕組みやメカニズムを研究し、人々が心の健康を保つための方法を提供してきました。
自分を良い気分にさせる行動、つまりポジティブな感情をつくりだす行動を取ることは心身の健康に重要です。私たちは日常生活の中でさまざまなストレスや困難に直面しますが、ポジティブな感情を持つことでこれらの困難に立ち向かう力を高めることができます。 ポジティブな感情は私たちの心身の健康に直接的な影響を与えます。
例えば、幸せや喜びといったポジティブな感情を経験することはストレスの軽減につながります。ポジティブな感情を持つことで、ストレスホルモンの分泌が抑制され、心身の緊張がほぐれます。さらに、ポジティブな感情は免疫力を高める効果もあります。幸せや喜びを感じることで、免疫細胞の活性化が促され、病気にかかりにくくなるのです。 また、ポジティブな感情を持つことは私たちの社会的なつながりや関係性にも大きな影響を与えます。
ポジティブな感情を持つ人は、他者とのコミュニケーションが円滑になり、信頼関係を築きやすくなります。ポジティブな感情は他者との関係を強化し、共感や思いやりの気持ちを育むのです。これにより、孤立感や孤独感を軽減し、心地よい人間関係を築くことができます。
「幸せのサンドイッチ」のアプローチでは、個々人の好みやセンスに合わせて、幸せを感じるための要素を選び、それらを自分の生活に取り入れることが重要です。このプロセスは、自分の気分を高める要素に注目することで、より充実した感じ方を実現します。
最初のステップとしては、ストレス管理、質の高い睡眠、健康的な食生活など、幸せの基礎を築くことが大切です。これらは心身の健康を支え、幸せを感じやすい状態を作り出します。
その次に、自分が幸せを感じる要素や信念、楽しい活動、意味と目的を感じられる活動などを「サンドイッチ」に加えます。これにより、日常生活において幸せな瞬間を増やし、心地よい気分を味わう機会が増えるでしょう。
このようにして、「幸せのサンドイッチ」を作ることで、自分自身にとっての幸せの要素を明確にし、それらを生活に積極的に取り入れることが可能になります。自分にとっての幸せを深く理解し、それを実践することで、より充実した日々を送ることができるのです。
自分にとって最適な幸せのサンドイッチを作るプロセスを考え、それを実行し、定期的に見直し改善することが重要です。幸せを感じるためには、自己理解を深めることが必要であり、自分に適した要素を発見することができます。 幸せのサンドイッチは、幸せを増やすだけでなく、感情や気分に影響を与える要素を理解し、それに対応する戦略を練るのに役立ちます。
自分の感情に対して注意深くあり、それを大切にすることで、幸せで「ある」と感じる状態を作り出すことができるようになります。
幸せの定義を書き換えよう!
幸せは、やっかいな感情の乗り越え方、対応のしかたにも左右されるということです。
感情を自分なりの方法で表現することは、それらを異なる視点から見ることを可能にし、脳の感情エリアに閉じ込められることなく、他の脳の情報と繋げることができます。感情を処理する方法には、直面すること、話し合うこと、書き留めることなどがあります。
私たちが感情にどのように反応するかは、しばしば幼少期に聞いた物語によって形成される、感情についての私たちの信念にも影響を受けます。
感情を「良い」ものか「悪い」ものと考えることは、私たちが自分自身や感情への反応をどのように評価し、受け入れるかに影響を与えます。研究によると、感情を受け入れることは精神的健康にとってより良いとされています。困難な感情をコントロールできると信じることは、無力感を防ぐのに役立ちます。
成功の定義を自分自身の基準で見直すことは、日々の幸せを増やす効果的な方法です。社会が定めた成功の基準ではなく、自分自身にとって意味のある小さな成功を見つけて日常に取り入れることで、幸福感を高めることができます。自分なりの成功の定義を設定し、それを実現することにより、より満足感を感じることができるでしょう。
例えば、以下のような小さな成功を認識し、価値を見出すことが重要です。
・仲間の助けを受けたことで達成感を得た。
・苦境を乗り越え、強くなった自分を認める。
・挫折を経験し、それから学び成長する方法を見つけた。
・信頼できる仲間との繋がりを深めた。
・自分の価値観に合った生き方をしていることを実感した。
これらは社会的な成功のステレオタイプとは異なるかもしれませんが、個人的な幸せや満足感を高めるうえで非常に価値のあるものです。自分の中で成功の定義を見直し、それに基づいて行動することで、日々の生活がより充実したものになります。
セルフコンパッション、すなわち自分自身に対して優しくあることは、幸せを感じるために非常に重要な役割を果たします。自分を思いやることで、欠点や失敗を自己価値の低下と見なさず、それを人間らしさの一部として受け入れることができます。この心のあり方は、完璧主義からの脱却と、「完璧である必要はない」という現実の受け入れにつながります。
セルフコンパッションは、自分の感情を恥じることなく受け入れることを意味し、自己批判から解放され、理解と優しさをもって自分自身を扱うことに繋がります。このように自分に対して優しい態度を取ることで、自己受容が高まり、ストレスや不安が減少し、幸福感をより深く感じることができるようになります。
セルフコンパッションの実践は、感情を抑え込むことなく受け入れることを可能にし、困難な感情を乗り越える手助けとなります。また、セルフコンパッションが高いほど、不安やストレス、憂鬱感が減少する傾向にあります。目標達成においても、自分に思いやりを持つことは有益です。自分に思いやりがある人は、失敗した際にも「自分にはまだ成長の余地がある」と考え、過ちを修正し、目標に再挑戦する傾向があります。
自分に合った美味しいサンドイッチを作り、それを毎日楽しむ習慣を持つことは、幸福感を高める効果的な方法です。自分自身との関わり方を見直し、新たな視点を取り入れることで、日常生活の中の小さな幸せに気付くことができるようになります。
このように、自分に合った楽しみ方や幸せの見つけ方を見つけ出すことで、毎日の生活がより豊かで満足感のあるものになります。自分らしく幸せを感じるための小さな習慣や瞬間を大切にすることが、日々の幸福度を高める鍵となるのです。
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