瞑想はテクノロジー界の新しいカフェインだ! 10% HAPPIER(ダン・ハリス著)の書評

人は、自分の思考に無意識で生きていると、ただ思考の通りに行動し、いつもの習慣をくり返すだけになる。あなたもわかるでしょう(ジョゼフ ゴールドスタイン)

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10% HAPPIER
(ダン・ハリス著)
を読了しました。
翻訳者がこうして、思考は現実になるパム・グラウト著)桜田直美氏だったことと
帯を見て内容が良さそうだと思い、購入したのですが、これが当たりでした。
スピリチャルな世界と混同されがちな「瞑想」を
私たちの身近に引き寄せたという意味で、とても価値のある一冊です。

著者のダン・ハリスはABCの人気ニュースキャスターですが
なんと戦争取材などのストレスからドラックに溺れる生活に陥り
本番中にパニック障害を起こすなどエリート生活に危機が訪れます。
宗教関係者やスピリチャルな有名人(エックハルト・トール、ディーパック・チョプラ)を
取材していきながら、自分の課題を解決していくストーリーが面白く、一気に読めました。
自己啓発書に似合わない明るいユーモラスな文章と読みやすい翻訳が素晴らしく
久しぶりに楽しい読書ができました。
ドラックでの高揚感、アメリカのテレビキャスターの熾烈な競争や宗教
自分自身に心療内科での治療、家族との葛藤など著者の人生が赤裸々に語られることで
本書への信頼感が増しました。

著者のダンは自分の「頭の中のおしゃべり」にいつも時間を取られてしまいます。
くだらいおしゃべりに頭を占領され
あせり、欲求、批判などが次々に押し寄せてきて、心はいつも落ち着きません。
この悩みを解決するために、スピリチャルな旅を通じて
最終的には仏教&瞑想の世界に出会っていくのです。

さまざまな経験をした今なら、瞑想に対する思い込みはすべて誤解だったことがわかる。瞑想は単なる脳のエクササイズだ。頭の中の声に人生を支配されないようにするためのテクニックであり、効果は実証されている。誤解のないようにはっきり言うと、瞑想はすべてを解決する魔法ではない。瞑想したからといって、背が高くなるわけではないし、見た目がよくなるわけでもない。すべての問題を解決してくれるわけでもない。瞑想をすればすぐに悟りが開けると主張するような本や、有名な導師も存在するが、そういったものは信用しなくてかまわない。私の経験から言えば、瞑想をすれば今より10パーセント幸せになれる。もちろん科学的な根拠なんてまったくない数字だが、それでも10パーントのリターンなら悪くない投資と言えるのではないだろうか。(ダン・ハリス)

まずは、本書で紹介されているように、瞑想を習慣化してみましょう。
瞑想を習慣化することで現実に起こったことに対して
私たちは感情を乱されないようになります。
これで、人生は良い方向に向かって、変わり始めるのです。
一歩引いた状況で自分を客観的に観察し、めまぐるしい変化を
ありのままに認識、対応することで
嫌な感情も小さくできるようになります。

実際に、私もiPhoneアプリを活用してプチ瞑想を行っていますが
これには、効果を感じています。
呼吸をゆっくりと行うことで、気分を落ち着かせることができます。
人の言葉も客観的に捉えることで、相手の立場が理解でき
そこから感謝の心が生まれ、感情の乱れも減らせるようになります。

しかし瞑想を科学的に研究した結果、幸せは運ではないということがわかったのだ。幸せであること、立ち直る力があること、衝動をコントロールする力などは、どれも神から与えられた性質でもないし、逆らえない運命でもない。脳は経験を司る器官であり、人間は脳を通して人生のすべてを経験する。その脳を、私たちは鍛えることができる。つまり幸せはスキルだということだ。ダン・ハリス)

脳のデフォルトモードネットワーク(DMN)
瞑想の間にはマイナスの相関関係があるのです。
本書ではイェール大学の研究結果が紹介されていますが
このDMNは、思考に没頭すると活発になります。
私たちは過去や未来にとらわれるなど
自分の「頭の中のおしゃべり」に苦しんでいますが
この「頭の中のおしゃべり」を抑えるのに瞑想が役立つのです。
習慣的に瞑想する人は、瞑想中だけでなく、普段の生活でも
DMNが不活発になるということが、わかってきたのです。

瞑想することで、脳のデフォルトモードを新しく書き変えることができ
私たちは、幸せになれるのなら、瞑想をライフスタイルの中に取れ入れるべきなのです。
実際に、ゼネラル・ミルズやP&G、ターゲットなどが瞑想を
企業プログラムの中に採用しています。
私たちは瞑想によって、幸せを手に入れられるのだという俗説が
科学や企業の実験によって、証明され始めたのです。
また、瞑想はうつ病、麻薬依存・過食症・禁煙の禁断症状、ガン患者のストレスなど
多くの病気にも効果があることがわかっています。

本書はアメリカでも相当評判になっていますが、日本でも売れるといいですね!
応援したいと思います。

今日もお読みいただき、ありがとうございました。
    

この記事を書いた人
徳本

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数
iU 情報経営イノベーション専門職大学 特任教授 

■著書
「最強Appleフレームワーク」(時事通信)
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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