不運であることは、幸運のはじまりかもしれず、不幸であることは、幸福のはじまりかもしれない。陽の当たらないところを歩きつづけている者は、陽射しをねがっているが、いざゆたかな陽射しの下に立つと、目がくらんでしまう。人生において、いつ陰が陽に転ずるかわからないという心のそなえをおこたっていると、そうなるであろう。人生の転機は、明日にもある。(宮城谷昌光)
photo credit: UweBKK (α 77 on ) Erawan waterfall in Kanchanaburi, Thailand via photopin (license)
人生の転機は明日にもある!
宮城谷昌光は古代中国の英傑の魅力を物語を紡ぎながら、私たちによい生き方を教えてくれる稀有な作家です。彼が描く人物は胆力・行動力があり、彼の作品を読むことで行動のヒントをもらえます。湖底の城 呉越春秋の主人公である伍子胥は楚王の佞臣・費無極によって、父と兄を殺され、自らの命も狙われてしまいます。彼は中原諸国を彷徨ったあとに呉に亡命し、無から有を生み出していきます。冒頭の言葉は逃亡の途中で、伍子胥が部下に語ったもので、人生の機微をここから読み解けます。
6年ぶりにKindleで本書を再読していますが、以前より伍子胥の言葉が胸に刺さるようになったのも年を重ねたせいかもしれません。人生の転機は本当にいつくるかわかりません。良いことが起こった翌日に、悪いことが起こることがありますから、自分の運に慢心せずに準備を怠らないようにすべきです。伍子胥は自分の危機を予見する能力が高く、一芸に秀でた者たちの力を活用しながら、人生の危機をチャンスに変えていきます。時代の空気を読みながら、自分を鍛え、よいチームをつくっておけば、悪いことが起こっても乗り越えられるようになるのです。
伍子胥はその時々に異才を見つけ、彼らを登用することで危機をチャンスに変えていきます。つらいことが続いても、人生の転機がくると信じて、部下とともにチャンスを探す彼の生き方から、多くの学びを得られます。現代は変化が激しい時代ですから、適応力を養うと同時に、解決策を持った人との付き合いを重視すべきです。若いメンターや女性を友人にするなど、人脈の多様性がますます重要になってきました。
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旅をし、人に出会い、よい体験を重ねよう!
家を大きくするには、家族だけでの経営では、限界がある。われは楚からでて、それを知りました。旅とは、教訓そのものです。あなたが諸国を巡っていたわけを、ようやく知りました。
まとめ
楚から命からがら脱出し、呉国を強国に育てた伍子胥。その伍子胥の生涯を描いた宮城谷昌光の「湖底の城」から、私たちは多くの学びを得られます。自分の力を信じるだけでなく、有能な人たちを集め、彼らのスキルを活用した彼の経験を真似ることで、イノベーションを起こせます。偶然力・直観力を信じて、積極的に行動することで、自分の未来を明るくできるようになるのです。
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