オンラインでの顧客との対話によって、売り上げアップがはかれる理由

オイシックスは、顧客の選択データと購入データを活用して、顧客の選択段階に入り込み、顧客に有益な販促提案を行っている。奥谷孝司、岩井琢磨


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顧客の選択データと購入データを活用し、顧客との関係を強化しよう!

奥谷孝司、岩井琢磨氏の世界最先端のマーケティング 顧客とつながる企業のチャネルシフト戦略書評ブログを続けます。CX(顧客体験)を変え、「エンゲージメント4P」を実践することで、顧客を自社の強力なファンにできます。「エンゲージメント4P」とはPlace( チャネル)、Promotion(販促)、Price(価格)、 Product(製品)のマーケティングの4Pを変革して、競合に打ち勝つ新たな戦略を作り出すことです。オンラインやオフラインのチャネル毎のタッチポイントで顧客の声をしっかりと聞き、彼らを喜ばせることで、製品やサービスを顧客とともに共創できるようになるのです。顧客との対話を続け、適切な施策を実施することで、売り上げアップをはかれます。

本書にはオイシックスの事例が紹介されています。著者たちは、オイシックスで初めて買い物をした時の印象が、いまでも忘れられないと言います。

オイシックスはこちらが野菜を選ぶ前から、商品がショッピングカートに入っているのだ。通常のネット店舗での買い物と言えば、まずログインしてサイト内で欲しい商品をーつずつ探し、カートに入れ、最後に決済をするという手順が普通だ。しかしオイシックスでの買い物は、毎週あらかじめ力ートに入っている野菜や食材を確認することからスタートする。顧客は、それぞれの野菜のおすすめポイントや品質についての情報を見ながら商品を選び、不要なものはカートから外し、配送日を指定して購入するという仕組みだ。

顧客が買いたいものを企業がパーソナライズ化して提案することで、顧客の買い物時間を短縮できます。顧客はカートに入った野菜の情報をチェックしながら、買い物を楽しめます。オイシックスは顧客データを把握することで、顧客の嗜好に基づいた野菜を優先的に選んで力ートに入れることができます。オイシックスにとっては、顧客ことにこだわりの旬の野菜をおすすめできたり、仕入れ状況に応じた品目調整ができるというメリットが得られます。顧客とのエンゲージメントをオンラインで築くことで、適切な商品を顧客に届けることで、生産者を含めたWin-Winを形作っているのです。

 

デジタルというチャネルを活用し、顧客との対話を続けよう!

ポイントは、「カートに商品を入れて提案し、顧客がそこから選ぶ」という「対話」が生まれていることだ。

選択データと購買データを活用するアルゴリズムによって、顧客との対話が始まります。これにより、よい商品を提案するだけでなく、効果のあるキャンペーンも設計できます。顧客との対話を通じて、新しい顧客体験を次々に作れるようになるのです。顧客とっては、買い物の手間が無くなって、その空いた時間で料理をし、家族との団らんの時間を作ることができようになるのです。

野菜の宅配を利用している顧客は、食材購入に関する「選択」を企業に委託し、時間を削減するために、宅配サービスを利用している人も多い。定期的に旬の野菜が届く食材宅配サービスも、その箱の中身は企業側の提案に委ねられ、一方通行のコミュニケーションになりがちだ。しかしオイシックスでは、力ートに事前に商品を入れておき、あえて顧客に選択してもらうことで、「対話」が生まれる仕掛けをつくっている。実はオイシックスでは、「提案したままの商品を購入し続ける人は、顧客満足度が低下し、解約につながりやすくなる」ことをデータから把握している。したがってこの選択の時間は、顧客にしっかりと左脳と右脳を駆使しながら、真面目に楽しく「能動的に選択」してもらうための大切なプロセスなのである。

あえて顧客に選択することで、顧客との対話が生まれ、解約率を下げています。オイシックスはオンラインを活用し、顧客の選択段階に入り込み、「対話の場」をつくりだすことで、エンゲージメントを強化しています。

他のオンライン企業は購入データを重視しますが、それでは、顧客の購入あるいは離脱という「結果」しか把握できません。購入データだけでは、希望しない野菜が届いた、食べてみてあまりおいしいと思わない野菜が入っていた、あるいは量が多すぎて余ったという原因を見つけられないのです。購入データだけでは、顧客との濃密な対話には生まれてこないと捉え、選択データを取れる仕組みを考えるべきです。

一方のオイシックスは、平均して月に2回の買い物を通して、顧客の選択・購入データの双方を大量に蓄積しています。この両方のデータを活用することで、提案する商品精度が上がっていくだけでなく、選択時間の短縮も同時に可能になるのです。顧客はこの空いた時間を料理や家族との団らんに使え、これをメリットと感じ、オイシックスから離脱しなくなります。オンラインでの顧客との対話を通じて、顧客一人一人に適切な情報を届けられるようになるのです。エンゲージメント4PのPlaceで顧客体験を変えることで、オイシックスは勝ち組になったのです。

まとめ

オンラインやオフラインのチャネル毎のタッチポイントで顧客との対話を実践できる仕組みを作りましょう。顧客との対話を通じて、的確なプロモーションを打てたり製品やサービスを顧客とともに共創できるようになるのです。オンラインとオフラインの顧客体験を高めることで、ファンを増やし、売り上げアップをはかれるようになるのです。

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この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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