ブラブラカーはフランスで2006年に立ち上げられたスタートアップで、そのコンセプトは比較的単純だ。運転者がこれから旅行する場所までの車の空席を「売り出す」。だが、請求できる料金はガソリン代と有料道路の代金まで。利益を出すことは禁じられている(ルール違反になる)。これならどちらにとっても都合がいい。乗客は割安に旅ができるし、ドライバーは旅費を捻出できる。ブラブラカーという名前も地域奉仕っぽい響きがある。ある意味では奉仕とも言えるが、ビジネスでもある。(レイチェル・ボッツマン)
ブラブラカーというシェアリングサービスが人気!
ブラブラカー(BlaBlaCar)というシェアリング・サービスをご存知でしょうか?私はこの面白いサービスをレイチェル・ボッツマンのTRUST 世界最先端の企業はいかに〈信頼〉を攻略したかで知りました。サイトを見るとフランスだけでなく、イタリア、東欧やブラジル、インドなどで使えることがわかります。
このブラブラカーの企業価値は2017年時点で12億ポンドになっています。
ブラブラカーとウーバーの最大の違いは価格設定だが、
ブラブラカーの競争相手はそもそもタクシーではない。 旅行の平均距離は約320キロと長く、 飛行機のエコノミークラスや電車を直接脅かすビジネスだ。
41歳の共同創業者、フレデリック・
電車は満席で、
ブラブラカーはユーザーの信頼で飛躍した!
写真や音楽や日々の考えをシェアできるなら、
車の座席もシェアできないはずはない。(フレデリック・ マゼラ)
フランスだけでも、
著者のレイチェル・ボッツマンは彼らのサービスには信頼が足りなかったと指摘します。
人々はこの新しい旅の方法を受け入れるほどの心の準備が整ってい なかった。そこまでの信頼の飛躍はまだできなかった。 初期のモデルにはある決定的なものが、 人間的な何かが欠けていた。 ドライバーと同乗者のマッチングの問題に注目するあまり、 信頼の問題を解決できていなかったのだ。
2007年、
会ったこともない人同士を信頼させて、
車に同乗するまでに持っていくのは、至難のわざだ。 基本的にはヒッチハイクと同じだが、それを計画し、 相手を信頼し、 おカネを支払うようなサービスに変えなければならない。 とはいえ、最初の問題は個人の信頼ではない。つまり、 人がお互いを信頼し合うところではない。 最初の問題は一般的な信頼を築くこと、 つまりどうしたらこのアイデアそのものを信頼してもらえるかという点にある。
彼らはこの問題を解決するために、2011年、オンライン決済を導入しました。乗客は予約時に前払いで料金を払うことになったのです。これで車のなかで現金を手渡しする気まずさもなくなり、予約も保証されるようになりました。この決済の導入で、キャンセル率は35パーセントから3パーセント弱に激減しました。
これをきっかけに、ブラブラカーのサービスは本格的に広がりはじめました。オンライン決済が信頼の阻害要因を取り除いたことで、ユーザーが一気に増加しました。2017年4月時点で、ブラブラカーは22力国で毎四半期1200万人を超える乗客を運んでいます。つまり、毎月ユーロスターよりも(四半期につき250万人)、英国航空よりも(四半期に付き1000万人)、多くの乗客を運んでいるのです。
ブラブラカーは、オンライン決済という新たなテクノロジーを導入することで、ユーザーの信頼を勝ち得、ビジネスを軌道に乗せることができました。
まとめ
ブラブラカーはフランスのシェアリングサービスですが、顧客がキャンセルを繰り返すうちは成功できませんでした。彼らは決済システムを導入することで、車の中で支払う気まずさが減り、キャンセル率も激減しました。テクノロジーを導入し、信頼を勝ち得ることで、ブラブラカーの事業は軌道に乗ったのです。
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