1日1アイデア 1分で読めて、悩みの種が片付いていく (高橋晋平) の書評

Write Ideas book on brown wooden board

1日1アイデア 1分で読めて、悩みの種が片付いていく
高橋晋平

本書の要約

「アイデアとは、自分の心の中の願望が実現するきっかけ」で、アイデア出しを習慣にすることで、さまざまな課題を解決できるようになります。小さなアイデアを積み重ねるうちに自分の仕事の効率を高めたり、他者に貢献できるようになります。アイデアを出すことで私たちは人から感謝される存在になれ、幸せになれるのです。

アイデアづくりがうまくなる方法とは??

アイデアとはすべての悩みを軽くするためのもの。(高橋晋平)

アイデア発想ファシリテーターで、MouMaの開発者でもある高橋晋平氏の新刊が出たので、早速ご紹介します。高橋氏は「アイデアとは、自分の心の中の願望が実現するきっかけ」だと定義します。毎日、アイデアを考えることで、夢を実現できたり、悩みを解決できるようになります。

本書を読むことで、アイデアの幅が広がります。1日1分、1ページずつ読むだけで仕事と人生が毎日楽しくなるように構成されています。

本書を活用しながら、困った時に気軽に小さな1アイデアを考えることを習慣にすれば、間違いなく発想力を鍛えられます。例えば、ドラえもんを真似して、新しい道具を無邪気に考えるようにすれば、仕事のアイデア出しが楽しくなります。子供の頃を思い出し、ワクワクしながら発想する術を身につければ、アイデア出しが苦ではなくなります。

アイデアは制約条件をおくことで、途端につくりやすくなることを私は広告会社で学びましたが、高橋氏はそれをガチャガチャ(カプセルトイ)を使ってわかりやすく説明しています。

ガチャガチャの商品アイデアのお題の条件は、
①カプセルに入るサイズである
②数百円の値段に収まるものである
③ひとりのお客さんが何度も回したくなるラインナップである
という3つだけです。

これら3つの制約条件のもと、ラインナップを考えるだけで、誰でも簡単にガチャガチャの商品アイデアをつくれるようになります。ちょうどよい制約条件をおくことで、アイデアづくりが楽になるのです。

妄想からとてつもないアイデアが生まれることがあります。「こんな商品があったらいいな」という妄想上の商品を19文字以内で書き、値段をつけて出品し、売買し合うゲームの「MouMa」を使えば、世の中にある妄想商品を楽しめます。

自分の妄想商品を売ったり、他人の妄想商品を買ったりしているうちに起きるのが、自分の内なる願望に気付くことです。「私はこんなことが解決すればいいと思っていたのか」「人の商品を見て気付いたけど、こんな欲求を持ってるんだ」など。いろいろな人の欲求に気が付くと、ビジネス上でこんな商品やサービスを作れば、買いたいと思うお客さんがいるのではないか、というアイデアがどんどん見つかります。

現実的なアイデア出しには限界がありますから、未来からバックキャスティングをしたり、妄想の力を活用しましょう。実際、人間は今までにいくつもの妄想を実現してきたのですから、妄想の力を私たちはもっとビジネスに活用すべきです。MouMaはそのきっかけをつくってくれるはずです。

アイデア力によって幸福度がアップする理由

アイデアパーソンとは、頭の中に「人生で心からアイデアを考えたいお題」が置かれている人のことです。

絶えず企画を考えている人は頭の中片隅にお題を置いています。私の場合、いくつもの顧問先の課題を解決しなければならないため、アンテナを張っています。他の業界のイノベーションや問題解決策を学ぶことで、新しいアイデアが浮かんでくることがあります。雑談の中からかヒントが見つかることがあるため、いつもその時のお題を意識しながら、目の前の人との会話を楽しんでいます。

プロジェクトをいくつも並行させたほうが、さまざまな情報をインプットでき、それが脳のなかでつながることで、より多くのアイデアが生まれます。

小さなアイデアを積み重ねるうちに自分の仕事の効率を高めたり、他者に貢献できるようになります。アイデアを出すことで私たちは人から感謝される存在になれ、幸せになれるのです。実際、私も企業のアドバイザーとして、日々アイデア出しをしていますが、クライアントから感謝されることで、幸せな気持ちを味わっています。

アイデアをいろいろな人とやり取りすることで、短時間で解決策が生まれます。多様な人が集まり、お互いの知識と体験を掛け合わせることで、斬新なアイデアが生まれますし、他の業界の人からアドバイスを受けることで解決のヒントが見つかることがあります。アイデアを日々進化させることを意識することで、イノベーションを起こせるようになります。

書籍やネットからのインプットだけでなく、多様な人との出会いをデザインすることで、アイデア出しの引き出しが広がります。

インプット法として、いろいろな人と会話することも効果絶大です。別の人生を歩んでいる他人は、自分がまったく知らないことを知っています。1冊の本より、1人の人の方が何十倍も人生の役に立つヒントを教えてくれます。

みんなのアイデアを循環させることで、徐々に大きな課題を解決できます。コロナウイルスのようなパンデミックに対しても医療業界だけでなく、多くの人がアイデアを出すことで、さまざまなイノベーションが起こりました。Zoomの機能が短期間であれほど進化したのも、出社が難しくなったという課題に対して、開発者やマーケターだけでなく、ユーザーがアイデアを出し合った結果だと思います。

本書を毎日読むことで、以下の3つの力が養えるように設計されています。365日読み続けることで、1年後にはアイデア力を高めた自分と出会えるはずです。
 1.目の前に現れた悩みの種を、パッと片づける「機転力」
 2.仕事や人生の重要な課題の解決方法を考える「思考力」
 3.やりたいことや、まったく新しい価値を生み出す「創造力」

著者は「趣味はアイデア」と宣言すれば、アイデが溢れ出すと言いますが、確かに宣言することで、自分の行動を変えられます。アイデア出しがうまくなりたければ、自分のマインドを変えればよいのです。

本書を読み進めるうちに、アイデア力によって幸福度がアップすることを実感できます。著者の365のアイデアからヒントを貰うことでやる気がアップします。アイデアの力によりチームだけでなく、子どもや家族とのコミュニケーションをよくできることを今回、高橋氏から学べました。


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