世界の研究101から導いた 科学的に運気を上げる方法
堀田秀吾
飛鳥新社
世界の研究101から導いた 科学的に運気を上げる方法 (堀田秀吾)の要約
堀田秀吾氏は、幸運を引き寄せる具体的な方法を科学的に解説し、多くの読者に新しい視点を提供しています。本書の魅力は、科学的な根拠に基づいたアプローチと、誰でも実践可能な具体的なアドバイスにあります。幸運や運気に対する誤解を解消し、行動を起こすことで、読者は自らの運気を上げることができるようになるでしょう。
運気を上げるラッキーアクションとハッピーアクション
そもそも池に行って釣り糸を垂らさないと、魚が手に入る可能性さえありません。くじ引きだって、くじを引かなければ当たる確率はゼロなわけです。ですから、運気を上げるには、なんらかの行動(そして結果の解釈)をすることが大事だということになります。(堀田秀吾)
明治大学教授の堀田秀吾氏は、本書で幸運を引き寄せるための具体的な方法を提案しています。この本は、科学的なアプローチを通じて、誰もが幸運を引き寄せることができる可能性を示しており、多くの読者に新しい視点を提供しています。
著者は、幸運や運気が確率に基づいていることを強調し、その確率をコントロールする方法を読者に伝えています。幸運は単なる偶然ではなく、特定の行動や考え方によって引き寄せることができると主張しています。このアプローチは、従来の迷信や誤解を払拭し、科学的な根拠に基づいています。
本書では、世界中の研究から得られた知見を基に、幸運を引き寄せる具体的な手法が提案されています。ポジティブな思考や積極的な行動が運気を上げる効果について、多くの実例とともに解説されています。
また、成功した人々の習慣や行動パターンを分析し、それを日常生活に取り入れる方法も紹介されています。 このブログで以前紹介した理論や研究も数多く取り上げられており、エビデンスが豊富で信頼性の高い内容になっています。非常におすすめです。
外的な運は確率に左右されるため、自分では直接コントロールできません。しかし、試行回数を増やすことで幸運に巡り合う確率を高めることができます。日常生活にこのような運気を高める「ラッキーアクション」を積極的に取り入れることが、運気を上げる第一歩となり、現状の外的な運を最大化する手助けとなります。
具体的なラッキーアクションの例としては、新しいことに挑戦したり、多くの人と交流する機会を増やしたりすることが挙げられます。例えば、新しい趣味を始めたり、セミナーやネットワーキングイベントに参加したりすることで、予期せぬ幸運を引き寄せる確率が高まります。
一方、「ハッピーアクション」は文字通り幸福感を高める行動です。例えば、フグやオコゼなど期待していない魚が釣れて嬉しい人もいれば、残念に感じる人もいるように、自分の身に起こった出来事をどう解釈するかで「幸」か「不幸」に捉えることができます。
基本的に、幸運は肯定的な感情を持つかどうかに関わっているため、幸福感を得やすいアクションを行うことが運気を上げることに繋がります。 ハッピーアクションの具体例としては、日常的に感謝の気持ちを表すことや、ポジティブな自己肯定の習慣を持つことが挙げられます。
毎日、「感謝日記」をつけたり、ポジティブなアファーメーションを行うことで、内的な幸福感を高めることができます。実際、私も感謝日記を10年近く続けていますが、この習慣により幸福度や運気が高まっています。
ラッキーアクションとハッピーアクションは、どちらから行っても運気を上げる効果があると言います。特に「私は運が悪い」と感じている方には、まずハッピーアクションから始めて内的な運を高め、その後に外的な運を高めるためのラッキーアクションを行うことが推奨されています。
最も重要なのは、動き出すことです。運気を上げるためにはまず行動(アクション)を起こすことが必要です。小さな一歩でもいいので、日常生活にラッキーアクションやハッピーアクションを取り入れてみましょう。
パワースポットが運気を上げる理由
私は神社巡りを習慣にしていますが、この週末も熊本の阿蘇神社、幣立神宮、宮崎の高千穂神社、天岩戸神社、大分の宇佐神宮をお参りしてきました。パワースポットを訪れることで、実際、私の運気は高まりましたが、これにも理由があると著者は言います。
まず第一に、「効能を信じていること」です。信じる力は最強であり、脳をも変えてしまう力があります。極端な話、誰もそこをパワースポットとは呼ばない街角の欠けたブロック塀でも、本気でパワースポットだと信じる人がいれば、十二分にパワースポットとして機能すると言うのです。
チェスター大学のニコラ・ラシキエビッチとジェームズ・クック大学のワン・イー・テオによる研究では、「ラッキーペン」というペンを与えられた実験参加者は、ストレスが軽減され、自分のパフォーマンスが向上したと感じました。何かに頼ることで安心感や精神的な平穏が得られ、結果としてストレスが軽減され、成果が向上するのです。信じる力は、実際に脳にポジティブな影響を与え、運を引き寄せることができるのです。
ジンクスやルーティンも、信じる力の一例です。これらが効果を持つ理由は、やることを決めると脳のワーキングメモリを空けることができるからです。その結果、それ以外のことに集中できるため、パフォーマンスが向上します。「このルーティンをこなせば上手くいく」と本気で信じることができれば、運気を高められます。
ポジティブ心理学の研究者ショーン・エイカーは、「成功した人が幸せ」ではなく、「幸せな人が成功する」という順番だと説いています。これは、「幸せが先、成功が後」という考え方で、幸せな人は自己肯定感が高く、それが競争力につながるため、成功を引き寄せることができるというものです。エイカーはこれを「ハピネス・アドバンテージ」と呼んでいます。(ショーン・エイカーの関連記事)
自然の効果とパワースポット もう一つの理由として、「パワースポット」と呼ばれる場所の多くは自然の中にあります。人間は自然と触れ合うことで、「心の洗浄効果」「リラックス効果」「ポジティブシンキング」など、さまざまなメリットを得ることができます。
例えば、シカゴ大学のマーク・G・バーマンらの研究では、自然の中で過ごすことで集中力や記憶力、創造性、問題解決能力などの認知機能にプラスの影響があることが示されています。自然の画像を見るだけでも認知機能が向上するという結果もあります。
アラバマ大学のホン・K・ユェンとギャビン・R・ジェンキンズの研究では、具体的な行動を指定せずに被験者にただ公園で過ごしてもらうことで、約60%の被験者の健康状態が改善し、幸福感が高まりました。つまり、自然がある場所で過ごすことは、心身の健康状態や脳の働きに良い影響を与え、結果的に運気が上がると感じられるのです。
パワースポットが運気を上げる理由は、「信じる力」と「自然の効果」にあります。信じる力が脳にポジティブな影響を与え、ストレスを軽減し、パフォーマンスを向上させます。また、自然と触れ合うことで心身の健康が改善され、幸福感が高まるため、結果的に運気が上がると感じられるのです。パワースポット巡りは、ラッキーとハッピーを同時に得られる一挙両得のアクションなので、これからも日本の神社仏閣巡りを続けたいと思います。
計画的偶然整理論が運気を上げる理由
このブログでもお馴染みのJ.D.クランボルツの計画的偶然整理論(プランド・ハップンスタンス・セオリー)は、幸運を引き寄せるための効果的な手法を提供します。プランド・ハップンスタンス・セオリーは、幸運を引き寄せるための具体的な手法を提供する理論です。(計画的偶然性理論の関連記事)
プランド・ハップンスタンス(計画的偶発性)理論は、スタンフォード大学の社会心理学者J.D.クランボルツ博士によって提唱されました。この理論を実践することで、私の人生は素晴らしいものに変わりました。毎年、大学の授業のために再読するたびに新たな気づきを得られます。
現代のキャリア形成における偶然の影響 現代は変化が激しく、キャリア形成において偶然が8割の影響を持つとされています。プランド・ハップンスタンス理論では、偶然を利用して自己成長を促し、より良いキャリアを築くことを目指します。自ら偶然を引き寄せ、積極的にキャリアの機会を創出することが求められます。
プランド・ハップンスタンス理論を活かす方法をクランボルツは明らかにしています。以下の5つの行動特性を意識し、アクションを起こすことで、運気を高められます。
1. 好奇心
2. 持続性
3. 柔軟性
4. 楽観性
5. 冒険心
プランド・ハップンスタンス理論は、偶然のチャンスを活用して、自己成長とキャリア形成を成功させる方法を提供します。好奇心、楽観性、柔軟性を持ち、新しい挑戦に積極的に取り組むことで、人生の方向をポジティブに変えることができます。自分の行動や反応をコントロールし、積極的にチャレンジすることで、自分自身の成長と成功を実現することができます。
テンプル大学のキャロル・シルバらの研究によると、友人の存在が「挑戦」を増やすと言います。友人関係が広い人ほど問題解決能力が高く、ウェルビーイング(生きることへの満足感)が高いという研究もあります。人間は社会的動物であり、他人と共に生きることで生存確率を高めてきました。一見無駄に見える人付き合いも、運気を上げるための大切な要素です。
ハーバード大学のアリソン・ウッド・ブルックスの研究では、緊張しているときに「私はワクワクしている」と言葉に出すことでパフォーマンスが上がる結果が出ています。自分が不安になりやすい性格だと思っている方は、「好奇心が強い」と言い換えてみましょう。「未知の事柄があるとき、前向きに知りたいと望む気持ち」を持ち、意識的に新しいものに手を出すことで
リチャード・ワイズマンの研究によれば、新しい挑戦を繰り返し、自分の可能性を広げることが運気を上げる基本となります。同じ人と同じような話をしたり、同じ生活を繰り返しているだけでは運はやってきません。様々な人に会い、様々な場所に行き、様々な体験をすることで、最終的な人生の成果としての幸福度を大きく変えることができるのです。 新しい挑戦と行動の重要性 行動という投資なくしては、幸運という利益も得られません。
ワイズマンは、人を幸運にするプログラムを作成し、その参加者の多くが「幸運になった」と実感しています。このプログラムで特に重要視されているのが、積極的に他人とかかわることです。偶然の出会いを増やす意識が、運気を上げる鍵となります。
また、ワイズマンによれば、運がいい人は「偶然のチャンスをつくり出す」「そのチャンスに気づく」「そこでアクションを起こす」に長けていると言います。そのためには、人脈を広げ、新しい経験を受け入れ、リラックスして生きる態度が重要です。新しい出会いが必ずしも良い結果を生むわけではありませんが、人生を思いがけない方向に引っ張ってくれるのは、基本的に自分以外の誰かであることが多いのです。(リチャード・ワイズマンの関連記事)
認知神経科学者ラッセル・A・ポルドラックは、習慣を変える難しさを理解することが重要だと述べています。新しい習慣を構築するためには、「時間配分」「住む場所」「付き合う人」を変えることが効果的です。引っ越しをすると、住む場所が強制的に変わり、時間配分や付き合う人も自然に変わる可能性が高くなります。これにより、運気を上げる新しい環境を作り出すことができます。
私自身も、定期的にパワースポット巡りを行い、さまざまな出会いをデザインして運気を高めています。本を読み、ブログで発信することで、著者や編集者との出会いが増え、幸運を引き寄せることができました。
堀田氏は、幸運を引き寄せるための具体的な方法を科学的に解説しており、多くの読者に新しい視点を提供しています。科学的な根拠に基づいたアプローチと、誰でも実践可能な具体的なアドバイスが、この本の大きな魅力です。幸運や運気に対する誤解を解消し、日常生活に役立つテクニックを学び、実践することで、読者は自らの運気を上げることができるようになるはずです。
私も本書の学説や理論を実践し、運気を上げてきたので、運に関する理論をわかりやすく体系化した本書を読者の皆さんにおすすめしたいと思います。運気を高める一冊を読み、ラッキーアクションとハッピーアクションを増やすことが、あなたに幸福をもたらしてくれるはずです。
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