BUZZサーフィン理論を使って、小さい波を大きくしよう!

ニューコンセプト大全 仕事のアイデアが生まれる50の思考法
著者:電通Bチーム
出版社:KADOKAWA

本書の要約

「BUZZサーフィン理論」とは、世の中に生まれた話題の波(小さい波)をキャッチし、企業がレスポンスすることで大勢の人を巻き込み、大波を起こすことです。マーケターは大きな波を作るために、消費者の声に耳を傾け、彼らとのやりとりを積極的に行うべきです。

BUZZサーフィン理論とは何か?

小さい波を大きな波につなげる。(藤田啓介)

日清食品はラジオ番組のパーソナリティの一言から、思い切った行動を起こします。5分待つことで、「どん兵衛」を食べるのが私たちの常識でしたが、パーソナリティのマキタスポーツさんはルールを無視し、「10分どん兵衛」最強説を唱えたのです。どん兵衛きつねうどんをさらに5分置いて、10分待ってから食べるという裏技が、ラジオ発の小さな波となり、消費者が話題にしていることに気付きます。

その波をキャッチした日清食品の担当者は、マキタスポーツさんと対談し「おわび」します。「企業が公式に謝罪?」「10分どん兵衛って何?」「麺は伸びないの?」と、話題の波が急速に拡大し、新たな裏技が次々紹介されていったのです。

その結果、スーパーやコンビニの棚からどん兵衛はどんどんなくなり、商品は発売以来40年間で最高の売り上げを記録しました。TBSラジオの番組『東京ポッド許可局』のマキタスポーツさんの発言(小さい波)を拾い、消費者とともに盛り上がることで(大きな波につなげる)最高売り上げを達成したのです。日清食品のサイトには、10分どん兵衛のレシピが今も紹介されていますが、ユーザーの提案を企業がすぐに取り入れ、一緒に楽しむことで、商品が売れる時代になったのです。

電通Bチームでは、この現象を「BUZZサーフィン理論」と名付けました。

世の中に生まれた話題の波をキャッチし、企業がある方向からレスポンスすることで、大勢の人を巻き込む大波を起こすという方法論です。私たちはこれを「BUZZサーフィン理論」と呼んでいます。

この現象を発見したのが、ソーシャルマーケッターの藤田啓介氏です。この方法論は、企業と消費者が同じ波を見て、同じ文脈を共有しているからこそ成立します。人々の気持ちや行動が可視化でき、すぐにアクションを起こせるデジタル時代だからこそ、BUZZが起こせるのです。

電通Bチームの川上宗一氏は、このBUZZサーフィン理論を海に喩えて説明します。

企業はこれまでテレビという大きな浜から、大勢の消費者がいる海に向かって、自家発電的に波を起こしてきました。しかし海にも規制緩和が起き、「テレビ浜」以外にも大小たくさんの浜が出現。世界中の浜という浜が、直接、海につながるようになりました。人々は好奇心の赴くままに自分の浜から波を起こすようになり、ピコ太郎のように千葉の浜から生まれた波(ピコ太郎は千葉出身の歌手という設定)が、海を超えて世界に広がる現象も起きています。状況が一変した海の世界ではもはやテレビ浜のローカルルールは通用しません。(川上宗一)

優れたプランナーは、浜から出て海に入り、まるで波待ちするサーファーのように行動します。彼らは次々に生まれる波を注意深く見つめ、いい波を見つけたら迷わず乗り、より大きな波を起こすことで、BUZZを広げます。その波に乗るサーファーがBUZZの正体で、このBUZZサーフィンの波は今やグローバル規模で展開されています。

BUZZを起こしたければ、ルールを守れ!

いま音楽の世界では、フリースタイルやMCバトルが非常に盛り上がっています。MCバトルの面白さとは、ラッパーが発したライムに相手のラッパーが呼応し、新しいライムをぶつけ合うという文脈対決にあります。ラッパーたちのコール&レスポンス、波と波のぶつけ合いに観客も大いに盛り上がります。いま企業と消費者のコミュニケーションは、まさにMCバトルと同じ構造になっています。両者が同じステージに立ち、文脈に文脈を重ねあうことで、新しい熱狂の波を生み出しているのです。(川上宗一)

ファッションの世界でもこのコール&レスポンスから、新しい波が生まれています。これはフランスの高級ブランド・バレンシアガが発売した2145$の高級レザーバッグが、IKEA(イケア)のショッピングバッグ(たった99セント)にそっくりだったことから波が起こりました。

海外のネットユーザーが、「そっくりじゃん!」と投稿した波をIKEAはキャッチます。IKEAはすぐに行動を起こし、ふたつの商品の見分ける広告を展開したのです。他のネットユーザーたちも敏感にその波に乗り、IKEAのバッグを素材にしたオリジナルの帽子やパンツをつくり、写真を次々にアップすることで、想像を超える大波が発生したのです。

BUZZサーフィンの波は、多くの国やジャンルで生まれています。電通Bチームは波を作るためには、以下の2つのことに注意を払うべきだと言います。
1、海では陸よりも企業のキャラクター性が問われます。自分のキャラクターを理解して、海の仲間たちから愛されなければ、波に乗るどころかすぐに転覆してしまいます。
2、海のルールを学ぶこと。海には海の暗黙のルールがあります。広い海だからと、自分勝手に悪ノリしていると、総スカンを食ってしまいます。企業は消費者と同じ海に入り、同じ波に乗り合うサーフィン仲間です。ルールとマナーを学んで、正しく海に入らなければいけません。海には危険がつきものなのです。

「波はいつも同じではなく、常に変化していくので注意が必要だ」と藤田氏は指摘します。また、最新の新しい流れは”キーパーソン”をしっかりと作ることです。現代人は大量の情報の中から、良い情報を選択する際に発信者を重視しています。『どんな情報(what)』を『どう言うか?(how)』ではなく、『誰が(who)』言っているかを重要になってきました。

現代人はキーパーソン経由で情報を取得しています。インフルエンスが大きくなるためには単体のバズだけでなく、どの発信者が投稿するかで、情報の拡散量が変わります。ネット上の小さい波をうまくとらえると、効果的に大きなムーブメントを起こせるようになりましたが、その際、マーケターが意識しなければならないのは、消費者の声で彼らとともに楽しむことが欠かせません。企業の担当者や発信者の御行儀が悪いと、このBUZZサーフィン理論は機能しないのです。

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この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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