アイデアをすぐに形にしよう!スマートウォッチ市場を生み出したエリック・ミジコフスキーとは誰か?

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いつもの仕事と日常が5分で輝く すごいイノベーター70人のアイデア
著者: ポール・スローン
出版社:TAC出版

本書の要約

日常に潜む、身近な悩みからイノベーションのタネを見つけ出したのが、エリック・ミジコフスキーです。彼はアップルやグーグルよりも早く、スマートウォッチを開発した事業家として有名です。アイデアを考えるだけでなく、それを形にし、実現させることが成功の秘訣です。

スマートウォッチ市場を生み出したエリック・ミジコフスキー

もしもあなたや多くの人たちがある問題を共有していたら、そこにこそイノベーションのチャンスがある。ほとんどの人はなにも行動を起こさない。あなたが問題を解決する人になろう。(ポール・スローン)

以前紹介したポール・スローンいつもの仕事と日常が5分で輝く すごいイノベーター70人のアイデアの中に、エリック・ミジコフスキーが紹介されていました。彼はアップルやグーグルよりも早く、スマートウォッチを開発した事業家として有名です。

ミジコフスキーは、オンタリオ州のウォータールー大学を1年間休学して、オランダのデルフト工科大学へ留学しました。現地の学生たちと同じように、彼も毎日自転車で通学していましたが、ここからイノベーションのヒントを得ます。

自転車で移動する時には、両手がハンドルでふさがっているため、電話にでたり、メッセージを読むことはできません。彼はこれを解決するために、スマホを手首に巻きつけ、新たな時計を生み出すアイデアを考えます。他の人とは異なり、彼はこのアイデアをすぐに実行に移します。携帯電話と無線でつながる「スマートウォッチ」の試作品をつくったのです。ミジコフスキーは短期間で、アップルウォッチの原型になるプロトタイプを生み出しました。

自宅ガレージで試作品が完成した後、カリフォルニアに赴き、ベンチャーキャピタルのYコンビネータ社に、自分のビジネスアイデアをプレゼンしました。同社の創業者ポール・グレアムはミジコフスキーの才能に感心し、彼をスティーブ・ジョブズになぞらえたほどでした。ミジコフスキーは自分の会社をペブル・テクノロジー(Pebble Technology)と名づけました。ちなみにPebbleは小さな玉石という意味です。

アイデアが浮かんだらすぐに形にしよう!

次にミジコフスキーは量産品を製造するための資金確保に動きます。自社製品をクラウドファンディングに出品し、ユーザーに支援を求めたのです。2012年4月11日、同社は「キックスターター」で、10万ドルを目標額としたキャンペーンをスタートしました。資金提供者に対してペブルが提示した見返りは、ユーザーにとって魅力的なものでした。

価格が実際の小売価格から150ドルも安い金額(99ドル)に設定されたため、興味を持った人々が殺到して、開始後わずか2時間で目標額の10万ドルを獲得しました。その後の6日間で400万ドル以上が集まり、キックスターターの歴史上で最も資金を集めたプロジェクトとなったのです。5月18日に6万8000人からの投資額1000万ドルが集まったところで、資金調達プロジェクトは終了しました。

パロアルトに拠点を置いたペブルは、様々な種類の腕時計を販売しました。アップルを含むライバル社も、間もなくこのスマートウォッチ市場に参入してきました。ミジコフスキーは、ペブルウォッチ用のアプリをつくることのできるソフトウェア開発キットを発表し、マーケットの拡大を目指します。ゲームや運動モニター、それに株価や交通、天候に関する更新情報用のプラットフォームをつくったのです。2014年までに、ペブルストアでは1000を超えるアプリが販売されました。

その後、同社は資金難に陥り、2016年にFitbitによってM&Aされ、歴史的な役割を終えます。最終的に巨大になったスマートウォッチマーケットはアップルが押さえ、追い詰められたFitbitもグーグルに買収されてしまいます。

ペブルという会社はなくなりましたが、ミジコフスキーの実績は今でも評価できます。彼のアイデアを形にする力やそのスピード感から、私たちは多くのことを学べます。ミジコフスキーは日々の生活に潜む問題点を見つけ、スマートウォッチを開発するための行動をすぐに起こしました。スマホを触れる際に、両手を使い、不便だと感じるユーザーはたくさんいましたが、多くの人は課題を解決するための行動を起こせませんでした。

アップルやグーグルがウェアラブル・デバイスの計画に奮闘している間に、ミジコフスキーはそれを実際に製造し、販売したのです。その後、アップルがスマートウォッチで天下を取ることになりましたが、ミジコフスキーの素早い行動があったから、生活者はスマートウォッチを先取りできたのです。

日常に潜む、身近な悩みからイノベーションのタネを見つけ出し、すぐに行動を起こすことが重要です。周りの人はなにも行動を起こさないと考え、アイデアが浮かんだら、できるだけ早く行動を起こしましょう。アイデアを考えるだけでなく、それを形にし、実現させることが成功の秘訣であることをミジコフスキーは私たちに教えてくれています。

今回、いつもの仕事と日常が5分で輝く すごいイノベーター70人のアイデアを読み返していますが、イノベーションを起こすヒントが満載で刺激を受けました。

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