三澤直加氏のビジュアル思考大全 問題解決のアイデアが湧き出る37の技法の書評


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ビジュアル思考大全 問題解決のアイデアが湧き出る37の技法
著者:三澤直加
出版社:翔泳社

本書の要約

新しいアイデアや問題解決の方法を考えたり、他者に伝えたいときに、言葉だけでは壁にぶち当たります。自分が伝えたいことや考えていることを 「ビジュアル」=「図」 にする「ビジュアル思考」を取り入れるだけで、 大切なことが一発で相手に伝わり、 思考と議論が活性化されます。

ビジュアル思考が必要な3つの理由

ビジュアル思考でこれからの時代を生き抜く力を手にいれよう!(三澤直加)

ビジョンデザイナーの三澤直加氏のビジュアル思考大全 を読み始めた時には、流行りの大全ものかと思っていましたが、読み進めるうちに本書の魅力にハマり、一気に読了しました。ビジネスをうまく進めようと思えば、言葉だけでは壁にぶち当たると著者は言います。そんな時、イラストでわかりやすく伝えるメソッドの「ビジュアル思考」を使えば、他者にすぐにアイデアを理解してもらえます。

自分が伝えたいことや考えていることを 「ビジュアル」=「図」 にするだけで、 大切なことが一発で相手に伝わり、 思考と議論が活性化されます。

■「ビジュアル思考」の3つのメリット
1、チームがつながる、認識が合わせられる
2、自分を理解し、成長するきっかけをつかむ
3、課題解決、価値創出の推進力になる

さまざまな課題を見えるようにして「俯瞰」しながら、課題の本質を「探究」できるようになれば、本当に解決すべき課題が明確になっていくでしょう。そして、解決策を「空想」し、よりよいアイデアを「構想」する方法は、価値創出の推進力になってくれるはずです。 ビジュアル思考は、あるときは灯りのように周囲を照らし、またあるときは粘土のように試行錯誤する道具になります。やがて訪れるかもしれない困難を乗り越えていく力にもなるはずです。

著者は数多くあるビジュアル思考のメソッドから、問題解決に効くものを37個厳選し、以下のように整理しました。このメソッドを覚えておけば、ビジネスは確実にうまくいきます。
■らくがきの道――線を引けば見えてくる
■俯瞰の塔――高いところから見渡せば景色は変わる
■要約の蜂蜜――選んで集めれば心に入る
■対話のたき火――じっくり向き合えば心が通う
■内省の水面――映し出せば自分に気づく
■探究の沼――深く潜れば根本がわかる
■空想の丘――形づくれば理想の姿が現れる
■構想の飛行船――ビジョンを描けばルートは拓ける

絵を描くというシンプルな作業が持つ効果を私は、今回再認識しました。子供の頃に戻って、らくがきをすることで、私たちは妄想する力を取り戻せます。

「何かを置いてみる」「線を引いてみる」といったシンプルな行為で、いま立っている場所の景色が変わって見えることがあります。このように手を動かすことが、ビジュアル思考のはじめの一歩です。

らくがきによって、「うまく描かねばならない」という思い込みから解放されることができれば、あらゆるものを生み出す思考法を得られます。らくがきを続けるうちに、クリエイティブ力を強化でき、新たなアイデアを生み出せるようになります。

ビジュアル思考をビジネスに取り入れよう!

要約とは、要点をとらえてまとめることです。膨大な情報の中から大事なことを取捨選択し、簡潔に表現します。

ビジュアル思考では情報の取捨選択と要点の表現を同時に行うことが重要です。では、どうすれば話を上手に要約できるようになるのでしょうか?

まず、目的をしっかりと把握したうえで、自分が大事だと感じたことを主観的に選び取ります。すべての情報を書き出そうとせず、話のまとまりに対して心に響いた言葉を1つずつ書き取っていくことから始めてみましょう。この作業を継続することで、膨大な情報を簡潔に表現する要約のビジュアル思考が身につくと言います。

要約のための5つのビジュアル・アプローチ

■スピーチサマリー
スピーチサマリーは、講演やプレゼンテーションの内容を似顔絵とふきだしを使い、要点を描き出す方法です。


■お皿グラレコ
お皿グラレコは、議論やトークセッションの内容を聴きながらまとめていく方法です。話の意味の切れ目をひとまとまりとして丸く囲んでいきます。お皿に情報をのせて並べてくような感覚です。

ビジュアル力のよって対話力も高められます。対話にビジュアル思考を取り入れることで、相手との誤解をなくし、コミュニケーションを円滑にできます。

対話するための4つのアプローチ

著者は、対話するときの3つのポイントを整理していますが、これがとても参考になります。
1、内容を即座に描いて見せる
対話を促進していくためには、個人のメモではなく、対話している人全員のメモとして、描かれた内容が見える位置、見える大きさで描く必要があります。

2、抜粋せずに全要素を描く
対話は、質問し合いながら探索的に進んでいきます。その状態をありのまま受け入れて描き出すことが、対話しやすい環境をつくります。

3、論点を見えるように掲げる
対話しているうちにテーマを忘れてしまうことはよくあります。対話が始まるときに、全員が見える場所にテーマを書いて掲げます。テーマを掲げることで、対話の質を高めることができます。

■脳内トピックス
対話の前に自分の頭の中を整理するために書き出しておく方法です。課題を解決する際に、頭の中に浮かんだ言葉を書き出すだけです。単語が脳内に占める割合も意識し、大きさに強弱をつけて表します。

■キーワードハーベスト
対話の中で浮かび上がってきたキーワードを紙に書き出していく方法です。あえて絵は描かず、たくさんの言葉をランダムに配置します。熱く語られたものや話を広げるきっかけになった言葉に注目することで、「より重要な意味をもった言葉」をつかみ取ることができます。キーワードがきっかけになり、コミュニケーションが活性化します。

交換スケッチ
グループの一人ひとりが順に線を描き足しながら1枚のアイデアを発想する方法です。メンバー全員に1枚ずつ紙を配布し、前の人が描いた線を次の人が生かして描き加えていくことで、個々人の想像を越えたものができあがります。偶発的にできあがる形に刺激を受けながら、複数のアイデアを同時に積み上げていくことができます。

ビジュアル思考のメソッドを組み合わせることで、個人の想像を超えたアイデアが偶発的に創出されます。内容についてチームで語り合ってみることで、新たなアイデアが生まれる可能性が高まります。イラストが議論を活性化させ、結果につながるようになります。アイデアの創出、コミュニケーションの壁を崩したい時に、ビジュアル思を積極的に活用しましょう。

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この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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