模倣と創造 13歳からのクリエイティブの教科書(佐宗邦威)の書評

human hand statue
模倣と創造 13歳からのクリエイティブの教科書
佐宗邦威
PHP研究所

本書の要約

創造する力を養うことで、人生100年時代の選択肢を広げられます。日々、自分を斉唱させること、様々なプロジェクトに関わることで、自分のスキルを高めるだけでなく、ネットワークも強化できます。創造的に生きることで、長い人生を楽しむ生き甲斐を自分でつくれるようになります。

創造的に生きるための3つのステップ

大きな流れで見ると希望がない世の中でも、自分の想いや考え方次第で、答えのない困難な問題に対してもポジティブな変化を生んでいける。そういう自信を持てるということでした。自分の未来に良いことを生んでいけたら、生きること自体が楽しくなるし、それは自分で自家発電のようにつくり出せるのです。佐宗邦威

広告会社に入社した頃、先輩のようによいアイデアを生み出せず、苦労したことを今でも思い出します。当時の自分にできることは模倣だと考え、できる先輩の語り口や思考法、行動を真似たり、おすすめの本を質問し、片っ端からそれらを読むことにしました。できる人たちの模倣を繰り返すうちに、ダメダメだった自分もいつしかアイデアを生み出せるようになりました。

戦略デザイナーの佐宗邦威氏は、創造力を発揮するためには、模倣(まねる)→想像(えがく)→創造(つくる)の3つのステップに分解することが大事だと言います。

①模倣
模倣の段階は、「感性のセンサーを働かせる」ためのものです。「センスを磨く」のもこの段階が重要です。頭で考えすぎず自分が「好きだなあ」と思うものを身体で感じ、観察し、徹底的に模倣することから始まります。この段階は、意識を外に向け、自分の感性のセンサーが反応するものと出会うようにします。

②想像
日常を感性のセンサーを働かせて過ごしていると、だんだんそのなかで違和感を感じるようになります。それに対して、自分だったらどうするかを考え、世の中にあるものをちょっとずつ変えて自分らしさを加えるようにします。この過程は、自分自身がつくりたい創造のテーマと出会う段階です。

③創造
自分なりのテーマを具体化するために、インプット─ジャンプ─アウトプットを繰り返す、自分の創造サイクルをどんどん回し、制作物に落とし込んでいきます。

自分の創造サイクルを回すために欠かせないのが、ひらめきのための時間や場所をつくることです。いくらインプットを重ねても、脳の中で情報がつながるタイミングを作らなければ、ひらめきは生まれません。現代人はインプット過多になりすぎで、頭を休める時間が不足しています。何もせず、自分との対話の時間を持つこと、質の高い睡眠を取ることで、よりよいアイデアが生まれるようになります。

創造的に生きることとは、誰かに貢献することです。誰かの課題を解決することで、人から感謝されるようになり、人生の幅が広がります。創造的に生きることで、自分の選択肢が広がり、そこからお金を稼げるようになります。

私はこの書評ブログを書き続けることで、多くの書籍からさまざまな課題解決メソッドを学んできました。それを実際のビジネスの場で活用するうちに、クライアントから評価されるようになりました。サラリーマンをやめ、社外取締役やアドバイザー、大学の客員教授として働けるようになったのも、自分らしいアウトプットを意識した結果です。

著者が指摘するように創造的に生きることで、人生に希望をつくれるようになります。インプットとアウトプットを重ね、他者に貢献することを心がけることで私の働き方は変わりました。生きることが楽しくなり、毎日ワクワクな時間を過ごせるようになったのです。

創造的に活動することで、人生の選択肢が広がる!

創造力を活用することで、周りの情報に対する感度が上がります。日々の何気ない情報に接していても、五感を使って観察することで、問題解決のヒントが見つかるようになります。知識や体験が未来の自分の糧になると考え、事象を観察することで、ひらめきが発火しやすくなります。

私は仕事柄いくつものタスクが同時並行しますが、それを解決するために様々なジャンルの本を多読します。あるクライアントのために読んだ書籍が別のクライアントのために役立ちます。ミーティングで仕入れた情報や解決策をそれらに掛け合わせることで、新たなアイデアが生まれてきます。

複数のプロジェクトを同時に持っておくことで、それぞれに考えていることが双方のヒントになり、両方のプロジェクトによい影響を与えます。情報が繋がり、課題解決の方法が見つかるようになると自信が生まれ、人生を楽しめるようになるのです。

いくつもの職業がなくなり、大きく変わる可能性がある社会、10年先のことも予測できない世界で、職業を起点に叶えたい夢を語るのは現実味がありません。一般的な成功例ではなく、自分ならではの未来を描く。そして、自分のビジョンに対して、それぞれがいま感じている意味を語り、形にしたいというモチベーションから多様な学びが生まれる。これこそが、創造力の果たす役割であり、希望をつくる学びなのではないかと思います。

創造する力を養うことで、人生100年時代の選択肢を広げられます。日々、自分を斉唱させること、様々なプロジェクトに関わることで、自分のスキルを高めるだけでなく、ネットワークも強化できます。創造的に生きることで、長い人生を楽しむ生き甲斐を自分でつくれるようになります。

自分の考えをアウトプットし、人からフィードバックを受けることで、自分の中でモチベーションが生まれます。このブログを10年以上続けられたのも、読者の方からの評価や反応があったからです。他者のために役立ちたいという気持ちが、自分の創造力を高めるきっかけになり、インプットとアウトプットの質を高めてくれるのです。

あとは頭の中で情報のつながりが生まれることをじっくりと待つだけです。この繰り返しによって、自分らしさが生まれ、他者に貢献できるようになり、生きる意義をつくれるようになります。


この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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