ひとりEC 個人でも売上を大きく伸ばせるネットショップ運営
三浦卓也
インプレス
本書の要約
自社のファン(常連客)を増やすためにやるべきことは、「お客様が感動してくれるくらい、お客様の役に立つことに全力を出す」ことです。ECサイトの運営は作業ではなく商売ですので、お客様に喜んでもらえる価値を提供する必要があります。自社視点ではなく、お客様視点で課題を解決するための情報発信を心がけるべきです。
ECサイト運営で重要なこととは?
ECサイト運営も、SNSやメルマガによる情報発信も、すべては「商売」のための営業ツールであり、日々の泥臭い業務は営業活動の一環です。営業ツールの中には、モールがあってもいいし、広告運用があってもいい。あくまで自分の商売の規模や目的によって異なりますが、EC=商売という根本は変わらないのです(三浦卓也)
ECサイトを作れば、すぐに商品が売れ始めるわけではありません。ECはあくまでも手段でしかないので、商売の基本をおさえることが重要になります。
Shopify認定教育パートナーであり、ミウラタクヤ商店を運営する三浦卓也氏は、自分の商売を成長させるために、営業活動をしっかり行えば、結果がついてくると述べています。
実際三浦氏は、「ひとりEC」でビジネスを成功させ、3年連続で年商1億円を達成しています。著者は、個人で売上を大きく伸ばすためのネットショップ運営術を本書で解説しています。
ECサイトを作ったら、まずは商品と情報を的確なお客様に届けるために尽力しましょう。街の八百屋さんはお客さんに今日のお買い得商品を声を伝えます。店主のお声がけからお客様との交流が始まり、店舗や商品を気に入ってもらえるきっかけが生まれます。
接客やよいコミュニケーションを行うことで、お客様は店主と仲良くなり、やがて常連客になってくれます。EC運営においても、この丁寧な接客を繰り返すべきなのです。生涯お付き合いいただけるお客様を作り出していく営業活動をオンラインで実施していくことが、商売としてのECなのです。
サイトの構築や集客よりも、「お客様に喜んでもらえるコミュニケーション」が取ることを優先しましょう。もしも、コミュニケーションが取れていない状況で、広告にお金をかけてしまうと「穴の空いたバケツ」の状態になってしまいます。
お客様視点が欠けたサイトをつくってしまうと、せっかく集客した人たちが購入しないままどんどんサイトから離脱していきます。これでは集客にかけている予算の費用対効果はが圧倒的に悪くなり、お金をドブに捨てているようなものです。
まずは、お客様が欲しがるようなオファー(商品)を提示し、お客様との距離を短くしましょう。サイトに来たお客様とコミュ二ケーションをしっかり取れるようになってから、集客に力を入れるべきです。
ECで常連客を増やす方法
泥臭くお客様と生涯のつながりを作るつもりで、お客様の役に立つように活動しましょう。繰り返しになりますが、ECサイトは商売を回すためのツールなだけであって、決して「作るだけで売れるツール」ではありません。なので、「売るため」には、「お客様とコミュニケーションを取る努力が大事」ということを常に念頭において、ECサイトは運営しましょう。
ECサイトを運営する際には、泥臭く営業を行うようにしましょう。リアルで行っている営業活動をオンラインに持ち込む、という意識を持つとよいと三浦氏は指摘します。
ECサイトの役割を大きく分解すると、「お客様との接点×決済システム」という、二つの役割のかけ合わせでしかありません。
多くのECサイトは、お洒落な写真やコピーなどのコンテンツで埋め尽くされています。お客様へ情報提供することは重要ですし、コンテンツも大事な接点ですが、お客様視点で設計されていないとお客様は行動を起こしてくれません。
お客様が課題を解決するための情報を洗い出し、それをサイトにしっかりと配置すべきです。
ECサイトの情報は、「あ、これ欲しいな」と思ってもらえるきっかけになる、お客様との接点なので、自分が言いたいことを考えるより、どんな言葉がお客様の心をくすぐるのか、どうすれば心をくすぐることができるのかを考え尽くしましょう。
お客様とコミュニケーションを取る姿勢を持ち、積極的に交流することで、一見さんを常連さんに変えることができるようになります。結果、何度もお買い物をしてくださる「常連さん」が増え、売上アップに貢献してくれます。
お客様は商品を買う時に、その商品を手に入れるだけでなく、無意識の中で商品を通して解決したい課題や手に入れたいライフスタイル像を持っています。自社の商品の情報だけでなく、お客様の課題を解決する情報を発信することで、お客様との関係を強化するようにしましょう。
自社のファン(常連客)を増やすためにやるべきことは、「お客様が感動してくれるくらい、お客様の役に立つことに全力を出す」ことです。ECサイトの運営は作業ではなく商売ですので、お客様に喜んでもらえる価値を提供する必要があります。自社視点ではなく、お客様視点で課題を解決するための情報発信を心がけるべきです。
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