限りある時間の使い方
オリバー・バークマン
かんき出版
本書の要約
効率を上げれば上げるほど、私たちはますます忙しくなります。タスクをすばやく片づければ片づけるほど、ますます多くのタスクが積み上がり、自分をより忙しくしてしまいます。人生の満足度を高めるためには、今あるタスクを全て見直し、本当に重要なことを明らかにし、それに集中すべきです。
なぜ、現代人は時間をコントロールできないのか?
タイムマネジメントやライフハックの技術は、大事な真実を見落としている。 「時間を思い通りにコントロールしようとすればするほど、時間のコントロールが利かなくなる」という真実だ。(オリバー・バークマン)
人生はたった4000週間ないという事実をご存知でしょうか?人の人生はそれほど短く、限られたものなのです。その短い時間に私たちは多くのタスクを詰め込もうとし、自分を疲弊させているのです。
忙しさを勲章のように自慢することが現代人の当たり前になっていますが、タスクを増やすことが本当に重要なことなのでしょうか?
ジャーナリストのオリバー・バークマンは、自分の時間の使い方に疑問を感じ、時間の使い方を見直します。ライフハックのテクニックを徹底的に試した著者、タイムマネージメントからは満足感を得られないことに気づきます。
効率を上げれば上げるほど、ますます忙しくなる。タスクをすばやく片づければ片づけるほど、ますます多くのタスクが積み上がる。
メールのやりとりを頻繁に行うことで、自分をより忙しくします。ビジネスをしているとやることがどんどん増えていきます。デジタルギアを使いこなすと移動時間を節約できますが、私たちは空いた時間により多くのタスクを詰め込み、自分を苦しめてしまいます。タスクが増えれば増えるほど、時間の使い方を改善しようとします。
忙しい現代人は「もっと効率的に働こう!もっと頑張って働こう!もっと長い時間働こう!」という罠に陥ります。やがてはマルチタスクで、効率的に働くことを選択します。Zoomをしながらチャットをすることで、生産性を高めようとしますが、これでは今ここに集中できず、結局はパフォーマンスを落としてしまいます。疲労感だけが残り、ますます自分を追い詰めてしまいます。
タスクを減らすことから始めよう!
やるべきことはいつだって多すぎるし、これから先もそれはきっと変わらない。そのなかで心の自由を得るための唯一の道は、「全部できる」という幻想を手放して、ひと握りの重要なことだけに集中することだ。
やるべきタスクを増やすことで、何かしらの結果を得られると考えることをやめましょう。意味のない行動からは正しい結果を得られないのです。それよりもほんとやりたいことを明らかにし、先延ばしをやめたほうが、はるかに満足度が高まります。
「すべてのことを終わらせる」という強迫観念を捨て、自分の有限性を受け入れるのです。その上で、自分のタスクを見直し、その棚卸しを行います。
私は10年前から「やらないことリスト」を作成し、自分の時間を見直しています。夜型のライフスタイルを朝型に変えることで、時間の使い方が変わりました。自分にとって本当に大事なことは何なのか?を明らかにし、TVを見る時間を減らし、読書の時間を増やしました。二次会には参加しない、夜遅い帰宅はしないなどのルールを課すことで、自分らしい時間を過ごせるようになりました。
最近ではソーシャルメディアの時間を減らし、自分との対話の時間(内省)を増やしています。相変わらず時間には追われていますが、内省の時間を持つことで、落ち着きを取り戻せました。自分との対話を繰り返すことで、本当にやりたいことが明らかになり、それを優先できるようになったのです。
人は死が近づいた時にはじめて、自分の時間を大切にしようとします。残された時間を有意義に使い、やりたいことに時間を使おうとするのです。
人生の最後の時に後悔しないためには、今すぐに自分らしい選択を行なうべきです。自分にとって重要なことを明らかにし、そのために残された時間を使うのです。くれぐれも、やってはいけないことに時間を使わないようにしましょう。
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