巨神のツール 俺の生存戦略 知性編
ティム・フェリス
東洋経済新報社
本書の要約
人生を変えるためには何を選択するかが決め手になります。読書(学習)=究極のメタスキルだと考え、巨人たちの肩に乗ることで、正しい選択ができるようになります。本書の登場人物の思考や習慣を真似し、正しい選択を続けることで、自分を幸せにできるのです。
成功したければ、巨人の肩に乗れ!
私は自分をエクスペリメンター(実験者)だと思っている。通常の日常生活の中で自分がテストできなかったり、結果を再現できなかったりするものには興味がない。(ティム・フェリス)
素晴らしい一冊に出会えました。本書はベストセラー週4時間だけ働くのティム・ハリスの新刊で、人生をよくするヒントが多数紹介されています。彼のポッドキャスト「The Tim Ferriss Show」番組に登場した成功者たちの思考、戦略、ルーティン が紹介されています。 (本書はこの「知性」「富」「健康」の3部作)
彼は成功者からアドバイスされたものを実際に自分の生活に取り入れています。成功者の巨人の肩に乗ることで、彼は成功確率を高めています。巨人の戦術や哲学を活用することで、よりよい人生を送れるようになるのです。
私もこのブログで紹介しているアイデアを実践しています。朝の感謝日記、パーパス、様々なマーケティングのフレームワーク、読書や書くことの素晴らしさを多くの巨人から学び、それを習慣化することで、自分の人生を劇的に変えることができました。
この本に登場する人物にはいくつかの共通点があります。
・80%以上が、なんらかの瞑想やマインドフルネスプラクティスを毎日行っている。
・驚くほど大勢の46歳以上の男性(女性は違う)が、朝食を食べないか、ごくわずかな量しか食べない。
・チリパッド(冷却ベッドマット)を就寝時の冷却用アイテムとして使っている。
・『サピエンス全史』『Poor Charlie’s Almanack』『影響力の武器──なぜ、人は動かされるのか』『夜と霧』が非常に高く評価されている。
・集中したいとき、特定の曲をリピートモードで聴く習慣がある。
・ほぼ全員が、ある種の「スペックワーク」を行った経験がある。
・「失敗は一時のこと」という考えを持っている。
・明らかな「弱み」を非常にパワフルな競争優位性に変えている。
ティム・フェリスの番組のゲストたちをこのブログでも何度も取り上げていますが、普段の書籍とは異なる発言を読むことができ、彼らの別の1面を覗くことができました。本当は全員の習慣や思考を紹介したいのですが、今日はこのブログでもおなじみのケヴィン・ケリーとナヴァル・ラヴィカントについて書きます。
幸せになるためのコツとは?
実に多くの人が熱心に働き、リタイア後に旅行をするためにお金を貯めている。私はこれを180度転換し、お金がなくても若いうちに旅行をしようと考えた。そのおかげで、億万長者でも買えない経験をすることができた。(ケヴィン・ケリー)
私は若いときにできるだけ海外に行くことを選択しました。香港やイタリア、アメリカを何度も旅し、自分の経験を深めてきました。50代になってもエストニア、ドバイ、東南アジアへの旅を続けていましたが、コロナのパンデミック以降は国内を旅しています。
以前、ラファエロの生誕地であるイタリアのウルビーノを旅していた時、日本人の高齢の旅行者から「あなたたちがうらやましい」と話しかけられました。ウルビーノは坂道が多く、彼らは街の中を歩き回ることができず、レストランで時間を潰していたのです。その際「若い時に旅をしていたほうがよい」と言うアドバイスをもらいましたが、その後、私はそれを実践したのです。
海外での様々な体験が私の財産になっていることは間違いありません。人生100年時代には、いくらでも人生を変えるチャンスが訪れます。若いときにしかできない体験を優先したほうがよいと考え、やりたいことを始めてみましょう。
「ゆっくり進むことをすすめたい。『生産性』なんていうのは中年になったら考えればいいんだ」というケヴィン・ケリーのアドバイスがとても響きました。
幸せになるもっとも大切なコツは、次の点だ。〝幸せとは自分が行う選択であり、自分で培うスキルだということ〟。幸せになることを選んだ人は、それに向かって邁進する。鍛えて筋肉をつけるのと同じだ。( ナヴァル・ラヴィカント)
以前の私はアルコールに依存していましたが、本当の幸せとは何かを考えずに生きていました。お酒を飲む時間が幸せな時間だと思い込み、毎晩、酔うことを選択していました。
しかし、この選択が間違っていることに気づき、15年前の44歳のときに私は断酒を実行しました。空いた時間を読書と書く時間に使い、自分を変えることを選択しました。
幸せのルールについて考えていたときに出会ったのが、「一貫性バイアス」という考え方です。人間の行動には一貫性があると思いがちな傾向のことを一貫性バイアスといいますが、自分の言動にこの一貫性バイアスを取り入れれば、幸せになれると気づいたのです。
「私は酒をやめた」と仲間に伝えたり、SNSで発信しました。結果、一貫性バイアスが働き、お酒と距離をおくことができました。相手との約束を守ろうとすることで断酒に成功し、ダメな自分から抜け出せたのです。
ナヴァル・ラヴィカントは一貫性バイアスで幸せになれると語っています。
友人に、自分は幸せだと伝える。すると、そうでなくても幸せにならざるを得なくなる。一貫性バイアスがかかるんだ。期待に応えて生活しなければならなくなる。友人は、あなたが幸せな人だと思う。
また、成功したければ、自分よりも成功している人の中に身を置くことが重要だと言います。なりたい自分を定義し、それを実現していると付き合うことで、自分を幸せにできるのです。私も断酒後、理想の自分になるために環境や付き合う人を変えることで、自分らしい人生を送れるようになりました。
人生には3つの選択肢があるとナヴァル・ラヴィカントは言います。
人生のどの場面でも、選択肢は3つしかない。いや、3つある、と言ってもいいかな。変えること、受け入れること、そしてそのままにすること。良くない選択肢は、変えようとして変えないこと、そのままにしようとしてそうしないこと、受け入れようとして受け入れないこと。私たちの苦悩の大半は、そうした葛藤や嫌悪が原因だ。私の頭の中でもっともよくこだまする言葉は、受け入れろ、である。
人生を変えるためには何を選択するかが決め手になります。変える必要があることがあれば、それをどう変えられるかを考えるべきです。私は自分の課題を見つけるたびに、読書から学びを得てきました。
読書(学習)=究極のメタスキルだと考え、巨人たちの肩に乗ることで、正しい選択ができるようになります。本書の登場人物の思考や習慣を真似し、正しい選択を続けることで、自分を幸せにできるのです。
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