スコット・アランのGRATITUDE 毎日を好転させる感謝の習慣の書評

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GRATITUDE 毎日を好転させる感謝の習慣
スコット・アラン
ディスカヴァー・トゥエンティワン

本書の要約

感謝を習慣にすれば人生が変わります。幸せになりたければ、感謝すべきことを探し、感謝の気持ちを抱けばよいのです。感謝の心は「幸せホルモン」のドーパミンとセロトニンのレベルを上げてくれます。このふたつの神経伝達物質は、自信と意欲を高めるうえで重要な役割を果たします。

感謝の気持ちが幸せをもたらす理由

感謝の心をはぐくむと、ふだんの生活の中で「持っていないもの」ではなく「持っているもの」に意識を向けるようになり、自分が受けている恩恵に気づくことができる。(スコット・アラン)

感謝の心を持つことで、私たちの人生を素晴らしいものに変えられます。カナダ出身のライフコーチのスコット・アランは感謝の素晴らしさを一冊の本にまとめてくれました。

著者は感謝がいくつもの恩恵を私たちにもたらしてくれると指摘します。
■感謝の心が精神と肉体に与える好影響
■感謝のエネルギーを使って、ほしいものを手に入れる方法
■「欠乏意識」に対する正確な理解と、それを豊かさ意識に転換する方法
■感謝の心とは正反対のものに対する理解
■マインドフルネスの実践と、それが感謝の心をはぐくむプロセス
■感謝の心が持つ癒しの力を活用する方法
■与えることが持つ素晴らしい力を実感する方法
■感謝の心を破壊する悪魔を撃退する方法
■感謝の心をはぐくんで人間関係を改善する方法
■感謝の心をはぐくんで仕事で成功する方法
■感謝の心をはぐくんで夢や目標を実現する方法

手紙による感謝の研究結果を見れば、感謝の力を理解できます。1番目のグループは3週間に渡って、週一で感謝の手紙を書くように指示されました。 2番目のグループはネガティブな経験を手紙に書くように指示され、3番目のグループは何も書かないように指示されました。

その結果、驚くべきことがわかりました。感謝の手紙を書いた人たちは、ネガティブな経験を手紙に書いた人たちや何も書かなかった人たちより幸せで穏やかな気持ちになったのです。つまり、感謝の心を持つと、人生に対してよりポジティブになれるのです。

物事がうまくいかないときでも前向きに考えるためには、ふだんから感謝する習慣を身につけることで、レジリエンスを高められます。毎日、身の回りのものに感謝し、そのための神経回路を強くすることで、日常の中の見落としがちな恩恵に気づけます。たとえ物事がうまくいかないときでも、感謝の心を持っているかぎり、困難の中に希望を見いだせます。感謝の気持ちを持つことで、人生に対するポジティブな姿勢を維持できます。

感謝の心は「幸せホルモン」のドーパミンとセロトニンのレベルを上げてくれます。このふたつの神経伝達物質は、自信と意欲を高めるうえで重要な役割を果たします。ドーパミンとセロトニンという幸せホルモンが体内を循環すればするほど、人の活力が高まり、苦難や障害を乗り越える力をつけることができます。

ドーパミンとセロトニンというふたつの神経伝達物質の恩恵をふんだんに受けたいなら、常に感謝の心を持つ必要があります。身の回りのものに感謝すればするほど、ドーパミンとセロトニンがたくさん分泌されるのですから、感謝を習慣化すべきです。

感謝日記の効用とは何か?

人はみな生きていることに感謝をささげるべきである。たとえ今日、多くを学ばなかったとしても、少しは学んだのだから。たとえ少しも学ばなかったとしても、病気にはならなかったのだから。たとえ病気になったとしても、死なずにすんだのだから。(ブッダ)

日々、感謝することで、私たちは以下のものを手に入れられます。
・人間関係の改善
・健康体を手に入れる
・幸せの時間を増やすなど人生の質を向上
・免疫力を高めることで、情熱を燃やして充実した日々を送れる

感謝すべき対象を探すこと、感謝のアンテナを立てることで、私たちは幸せになれます。
・シャワーを浴びるときは、自分はいつでもお湯できれいに体を洗えることに感謝する。
・服を着替えるときは、清潔な服を着られることに感謝する。
・食事をするときは、美味しい食べ物に恵まれていることに感謝する。

事あるごとに「私は(    )に感謝し、幸せを感じる」と唱えよう。それを何度か心の中で唱えるか声に出して言い、顔に笑みを浮かべながら喜びにひたろう。どのような状況でも感謝することを選択しよう。

逆境に見舞われても、その状況に感謝の気持ちを持ち、ポジティブな要素を追求すると、「いずれ状況が好転し、よりよい時期が来る」と確信することができます。その結果、粘り強さを発揮することができ、楽観的な姿勢で努力を重ねることができます。

本書にもこのブログでもお馴染みの感謝日記の効用が紹介されています。ある研究によると、感謝の日記をつけるとポジティブな姿勢が5%アップすると言います。別の研究によると、感謝の日記をつけると楽観主義が15%アップすると指摘されています。

慢性痛を抱える65人の被験者を対象にした研究で、感謝の日記を毎日つけていた人たちは、そうでない人たちよりも熟睡していたことがわかりました。また、400人の被験者を対象にした別の研究でも、感謝の心を持っている人たちは、そうでない人たちよりも熟睡していたことが明らかになっています。

一日の終わりに、その日の楽しい出来事を頭の中で再生し、感謝していることを5つ書き出すことを習慣にしましょう。たとえば、取引が成立したこと、無事に帰宅したこと、友人との会話がはずんだこと、子供が学校で楽しく過ごしていること、パートナーと夕食をとったことなど、その日の幸せな瞬間をすべて振り返り、それを書いてみるのです。

私は眠る前に1日を振り返り、感謝のリストを作成し、翌朝目覚めた際に感謝日記を書くようにしています。この習慣を6年続けていますが、私の幸福度は間違いなくアップしています。感謝日記を書き始めてから、毎日、感謝すべきことを探すようになり、日々の充実度が高まっています。

感謝している事柄を就寝前に思い浮かべると、睡眠の質が上がる。感謝の心はポジティブ思考を促し、気分を落ち着かせることができるからだ。をこのように、感謝の心持つことは、熟睡するうえで非常に大きな意味を持つ。

心理学には「ロサダ比」という「感謝と不平の比率」を表す指標があります。2005年に心理学者のマーシャル・ロサダ博士とバーバラ・フレデリクソン博士によって発表されたものですが、 この比率の計算方法は、夫婦間におけるふだんのやり取りの中で、感謝や激励、支援などのポジティブな感情の数を、皮肉や嘲笑、非難などのネガティブな感情の数で割ることで算出されます。

多くの研究がロサダ比を検証した結果、この比率が0.9以下なら、ネガティブな感情がポジティブな感情より多いため、結婚生活は破綻に向かいやすく、場合によっては離婚にいたります。

一方、この比率が5.1以上なら、結婚生活はすこぶる順調で、とても満足のいく関係を築くことができます。もし配偶者と何らかの問題を抱えているなら、毎日、相手に感謝の気持ちを伝え、結婚生活の喜びを分かち合う習慣を身につけましょう。感謝の気持ちを伝えることで、ロサダ比が高まり、結婚生活は円満になり長続きします。

ドイツでの2019年の研究によると、感謝の心はネガティブ思考を抑え、考えすぎを防ぐことが指摘されています。感謝の心をはぐくむことが疑念や恐怖、不安などの有害な思考を抑え、好ましくない結果を未然に防ぐことを証明してます。 

毎朝、私はその日の仕事に感謝にの気持ちを持つようにしています。仕事を始める前に、仕事に関する3つのポジティブな要素を思い浮かべることで、やる気をチャージできます。
・自分の価値を提供することで、人々のお役に立て、社会貢献ができる。
・他者への貢献のために、自己投資ができる。
・今の仕事があるおかげで生計を立てることができる。
と考えることで、感謝の気持ちで1日をスタートできるようになります。

最後にアメリカの作家、詩人でもあるウィリアム・アーサー・ウォードの言葉を紹介して、今日のブログを終わります。

感謝の心をはぐくめば、ありふれた一日でも充実した一日になり、平凡な仕事でも喜びにあふれた活動になり、普通の機会でも大きな恩恵をもたらす出来事になる。(ウィリアム・アーサー・ウォード)

感謝の言葉を使うだけで、平凡だと思っていた一日が素晴らしい一日に変わります。この習慣を毎日続けることで、素晴らしい人生を送れるようになります。


この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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