ポジティブ・シフト
キャサリン・A・サンダーソン
ディスカヴァー・トゥエンティワン
本書の要約
ポジティブなマインドセットは、私たちの人生をコントロールする力を強化することができます。ポジティブなマインドセットを持つことで、私たちは困難な状況に直面しても、前向きに考え、解決策を見つけることができるからです。ポジティブ・シフトすることで、幸福度を高め、豊かな人生を送れるようになります。
幸せになりたければ、成長型マインドセットを身に着けよう!
私たちは、どんな性格の人でも、自分自身や世の中に対する考え方を少し変えるだけで、より大きな幸せと健康を手に入れることができるのです。(キャサリン・A・サンダーソン)
アマースト大学マンウェル・ファミリー生命科学教授で心理学者のキャサリン・A・サンダーソンによると、人間は自己コントロールによって幸福と健康を手に入れることができます。
ポジティブなマインドセットを身につけている人もいれば、そうでない人もいることは事実ですが、著者はどのような性格であっても、マインドセットを少し変えるだけで、より大きな幸福や健康、長寿を得られるようになると主張しています。
この考え方は、現代心理学の最新の研究から得られたもので、自分自身に対する良い思考を持ち続けることが、よりよい人生を手に入れる秘訣なのです。
キャロル・S・ドゥエックが指摘するように、「成長型マインドセット」を持つ人は、ハードシングスを乗り越えられ、結果を出せるようになります。成長型マインドセットは、能力や特性を変えられるという考え方を持つことで、成長を促し、学習機会を増やすことができます。
このマインドセットを持っている人は、失敗を学びや成長のチャンスととらえ、自分の力を引き出すために挑戦的な課題に向き合うようになるため、大きなメリットを得られます。成長型マインドセットが、人々の生活、特に学業、成績、身体的健康、利他主義など、多数の分野において大きな影響を与えることは、過去の多くの研究で示されてきました。
ポジティブなマインドセットは、私たちの人生をコントロールする力を強化することができます。ポジティブなマインドセットを持つことで、私たちは困難な状況に直面しても、前向きに考え、解決策を見つけることができるからです。
また、ポジティブなマインドセットを持つことで、私たちは他人との信頼関係を築きやすくなり、協力を得やすくなります。 ポジティブなマインドセットは、幸福感、健康、そして寿命にも影響を与えるとされています。
ポジティブなマインドセットを持つことで、私たちはストレスを軽減し、免疫力を高めることができます。また、ポジティブなマインドセットを持つことで、私たちは長生きにつながる健康的な生活習慣を身につけやすくなります。
このようにポジティブなマインドセットは、私たちの人生をより良いものにしてくれるものです。ポジティブなマインドセットを身につけることで、私たちはより幸せで、健康的で、長生きすることができます。
ポジティブに生きる人が健康・長寿である理由
ポジティブに人生を歩んでいる人は、ストレスが少ないこともあり、健康状態が良好です。人生の辛い状況に直面したときに、彼らは問題に正面から取り組み、社会的支援を求め、明るい兆しを見出そうとするなど、適応的な対処メカニズムを用いています。その結果、このようなアプローチを実践する人や、コップにまだ水が半分残っていると、物事をポジティブに捉える習慣がある人は、免疫系が強くなり、小さな感染症に抵抗する能力も高くなります。
心身ともに健康で社会的にも良好な状態を維持する上で重要なのは、ポジティブな人生観を持つことです。たとえ人生の試練に直面したとしても、適応的な対応策を用い、社会的サポートを求め、前向きな展望を見出そうとする姿勢を持つ人々はストレスによる影響を抑制し、健康状態を良好に保ちます。
ポジティブなマインドセットを持つ人々は、ストレスが日常生活において避けがたいものであると捉え、ストレスが爽快感や活力を生む力があると認識しています。彼らは、ストレスがさまざまな課題に効果的に対応するための余力を身体に与えることができるとの見方を共有しています。さらに、彼らのマインドセットによって、プレッシャーのかかる状況で最高のパフォーマンスを発揮し、より良い結果を得ることができると信じられています。
日常生活からストレスをすべてなくすことは不可能です。しかし、直面する問題についてどのように考えて、どのように解決するのかは、私たちがコントロールすることが可能です。
困難な出来事が私たちの人生に突然訪れるとき、それを一つの脅威とみなすのは自然な反応かもしれません。しかし、心の奥底で、私たちは全ての困難を挑戦課題として捉えることができます。マインドセットをポジティブにシフトすることで、ハードシングスを前にしたときの恐怖や不安を和らげ、より有意義な結果を生み出すための新しい視点を提供します。
私もこのマインドセットを身につけることで、ストレスに強くなり、困難をあきらめずに乗り越えられるようになったので、著者の考えには共感を覚えます。
ネガティブなマインドセットは老化にも悪影響を及ぼします。高齢者は、老化によるネガティブなステレオタイプを信じないように気を付けなければいけません。物忘れをすべて老化のせいだと決めつけると、かえって記憶に関する問題が悪化することもあります。老化に対してネガティブな見方をすることは、長期にわたって記憶に現実的かつ持続的な影響を与えことが明らかになっています。
逆に自分の知識や体験にフォーカスすることで、自分の能力を高められます。
問題解決能力や推論能力を測定する流動性知能は、加齢に従って、多少は低下します。ただし、技術、知識、経験を活用する能力である結晶性知能は、若年者よりも高齢者のほうが高い得点を示すのです。この結果は道理にかないます。高齢者は、このような能力を身につけるために、人生で多くの時間を費やしてきたのですから。
結晶性知能とは、人間が生涯にわたって蓄積する知識や経験に基づく知能のことです。脳の一部である前頭前野や頭頂葉において、高齢者の結晶性知能が若年者よりも高いことが研究で示されています。このため、高齢者が持つ豊富な知識や経験は、問題解決や判断力などにおいて、大きなアドバンテージとなります。
学び続けることは、人生において非常に重要です。私たちはいくつになっても、学び続けることで、新しい知識やスキルを身につけることができます。また、学び続けることは、精神的な刺激として脳に良い影響を与える可能性があることが研究によって示されています。学び直しやリカレント教育を通じて、自分自身を常にアップデートするのです。
私たちはしばしば、老化に関するネガティブなステレオタイプに直面します。弱さ、無力感、能力の低下といった概念が、年を重ねることと無意識に結びつけられることがあります。しかし、この視点は一方的すぎて、老化の真実を完全には捉えていません。
それに代わって、私たちは社会のさまざまな分野で活躍している高齢者のロールモデルを思い浮かべてみましょう。彼らは、年齢を超越した知識、経験、そして智慧を私たちに示してくれます。彼らの存在は、高齢期にも成功と充実があり、生活の質を保持し続けることが可能であることを教えてくれます。
高齢になっても学び続けることで、自分の人生を豊かにできると信じて、自分のマインドセットをポジティブ・シフトしましょう。もう、歳だからといって諦めるのをやめ、チャレンジを続けることで、老化を防ぎ、人生をより豊かなものに変えられます。
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