「うまく言葉にできない」がなくなる 言語化大全(山口拓朗)の書評

woman sitting on swing

「うまく言葉にできない」がなくなる 言語化大全
山口拓朗
ダイヤモンド社

「うまく言葉にできない」がなくなる 言語化大全(山口拓朗)の要約

言葉の力は、人々の心を近づけ、深い理解と豊かなコミュニケーションを促進します。言語化のテクニックを身につけることで、自己肯定感が高まるだけでなく、相手からの信頼を得られるようになり、ビジネスがうまくいくようになります。

言語化力を高める3つのプロセス

言語化できない人は、何も考えていない人と同じです。(山口拓朗)

「アウトプットがなければ、存在しないの同じ」とあるコンサルタントから言われ、私はこの書評ブログを諦めずに続けています。気づいたら13年毎日、ブログを更新していました。

何かを考え、感じ、学んだことを自分の言葉で表現することは、自己成長の一環であり、他者とのコミュニケーションの手段でもあります。アウトプットを通じて自分の考えを整理し、他者と共有することで、より深い理解や洞察を得ることができます。

伝える力【話す・書く】研究所所長の山口拓朗氏は、言語化できない人は、何も考えていない人と同じだ」と本書の冒頭で述べています。この言葉もまた、アウトプットの重要性を示しています。考えや感じたことを言葉にすることで、自分自身にも明確になりますし、他者にも伝えることができます。

適切なアウトプットがなければ、他者からは認めてもらえません。言語化力は、ビジネスパーソンにとって必須のスキルとなっています。会議やプレゼンテーション、レポートなど、さまざまな場面で自分の考えを明確に伝えることが求められます。

また、他者との協力や意見交換も円滑に行うためには、適切なアウトプットが不可欠です。 私自身も、この重要性を痛感しています。ブログを通じて自分の考えを発信することで、多くの方との交流や意見交換が生まれました。自分のアウトプットを通じて、他者の視点や意見を知ることで、より広い視野を持つことができました。

著者は言語化力を「頭の中にある考えや思い、情報などを 的確に言葉にし、 相手にわかりやすく伝える力」と定義し、そのスキル獲得のために以下の3つのプロセスを紹介しています。
STEP1:「語彙力」を伸ばす
STEP2:「具体化力」を鍛える
STEP3:「伝達力」を磨く

・STEP1:「語彙力」を伸ばす
「語彙力」を伸ばすためには、知らない言葉は使えないということを理解する必要があります。語彙が貧しいと、自分の意図や感情を正確に表現する「言葉」が見つけられないことがあります。ですから、語彙力アップは言語化の第一歩と言えるでしょう。

特に大人が仕事で役立つ言葉を獲得するためには、3つの要素を意識する必要があります。
①新しい言葉に「出会う」ことです。これは、読書や学習の機会を増やすことで実現できます。毎日少しずつでも新しい本を読んだり、専門用語や専門分野の知識を学んだりすることが大切です。

②知らない言葉を「調べる」ことです。知らない言葉を使うことはできませんから、意味がわからない言葉に出会ったら、辞書やインターネットで調べるようにしましょう。その際には、単語の意味だけでなく、使い方やニュアンスも調べることが重要です。

③脳に定着させて「覚える」ことです。単に知っているだけではなく、実際に使えるようになるためには、定期的に復習し、アウトプットすることが必要です。例えば、新しい言葉を使った文章を書いたり、会話の中で使ったりすることで、使用語彙を豊かにしていくことができます。

真の語彙力アップを目指すためには、ただ単語を覚えるだけではなく、実際に使える言葉の数を増やしていくことが重要です。日常のコミュニケーションや仕事の場で、正確かつ効果的に自分の意思や感情を伝えるためには、豊かな語彙力が必要です。

ですから、語彙力を伸ばすためには、積極的に新しい言葉に出会い、調べ、覚えていくことが大切です。私は日々のインプット(読書)とアウトプット(ブログ)を通じて、語彙力を鍛えています。

言語化によって、自分の頭が整理できる?

・STEP2:「具体化力」を鍛える
山口氏は、具体化力を鍛えることが重要だと述べています。具体化力とは、あいまいな内容を明確に伝える能力のことです。具体化力を高めるためには、言葉の解像度を上げることが必要です。言葉の解像度を上げるとは、言葉だけでなく、映像が浮かぶところまで具体化することを指します。 具体化することによって、情報や事実、感想や意見などをより明確に伝えることができます。

具体化するためのノウハウとして、以下の3つのポイントがあります。
①数字を使う
具体的な数値を示すことで、情報をより具体的に伝えることができます。例えば、「10人の参加者がいました」というように、具体的な数値を使って説明することが重要です。

②固有名詞を使う
具体的な人名や地名などの固有名詞を使うことで、情報をより具体的に伝えることができます。例えば、「東京で開催された会議」というように、具体的な場所を示すことが重要です。

③抽象的な言葉を少なくする
具体的な言葉を使うことで、情報をより明確に伝えることができます。抽象的な言葉を使うと、相手に伝わりにくくなってしまいます。例えば、「素晴らしい経験だった」というような表現ではなく、「ライブハウスで感動的な瞬間を体験した」と具体的な言葉を使って、表現することが重要です。

具体化力を高めるためには、これらのポイントを意識して話すことが大切です。具体化することで、相手に情報や意見を明確に伝えることができます。言葉の解像度を上げて、具体化力を鍛えましょう。

また、解像度を高めるためには、文章の中に「5W3H」を意識的に入れる必要があります。この方法だけで、相手に必要な情報を明確に伝えることができ、コミュニケーションが円滑になるでしょう。

ちなみに「5W3H」とは、以下の要素を指します。「いつ(When)」「どこで(Where)」「誰が(Who)」「何を(What)」「なぜWhy」「どのように(How)」「いくつ(How many)」「いくら(How much)」です。 

・STEP3:「伝達力」を磨く

私は、言語化して相手に届ける言葉や文章というのは、相手へのプレゼントだと思っています。

「伝達力」を磨くことは、相手に欲しい情報を的確に届けるための重要な能力です。 著者のは、これをプレゼントに例えています。伝えたいことが相手に「伝わる」ようにするためには、相手の視点や状況に合わせて表現を選ぶことが重要です。

まず、相手が欲しい情報を届けるためには、相手の立場やニーズを考慮することが重要です。相手が求めている情報や関心事を把握し、それに合わせた内容を伝えることが必要です。

また、相手の背景や知識レベルに合わせて、専門用語や難しい言葉を避け、わかりやすい言葉で説明することも大切です。

さらに、伝える順番も重要な要素です。情報を整理し、論理的な流れで伝えることで、相手に理解しやすくなります。まずは重要なポイントを先に伝えることで、相手の関心を引きつけることができます。そして、具体的な例や事例を交えて説明することで、相手にイメージしやすくなります。

著者の山口氏は、相手の興味を惹きつけるテクニックBest10を本書で明らかにしています。
① 「比較」する
②「落差」を使う
③「オノマトペ」で表現
④「比喩」と「たとえ話」
⑤「擬人法」で描写する
⑥「魅力的な数字」に加工する
⑦「ベネフィット」を伝える
⑧印象的な「キーワード」を使う
⑨大事なことは「繰り返す」
⑩「肯定的」に伝える

言葉の使用が可能になったことで、人々は情報や感情をより正確に伝え合うことができるようになりました。言葉によって、私たちは互いを励まし、勇気を与え合います。あなた自身も、言葉によって他人から励まされたり、勇気づけられたりした経験があるでしょう。

言葉の力は、人々の心を近づけ、深い理解と豊かなコミュニケーションを促進します。言葉を巧みに使う能力が向上すると、自分の考えが整理され、自己理解が深まり、結果として自信が生まれます。

言語化のテクニックを身につけることで、自己肯定感が高まるだけでなく、相手からの信頼を得られるようになり、ビジネスがうまくいくようになります。本書のノウハウによって、言語化のスキルが間違いなく高まります。


この記事を書いた人
徳本

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数
iU 情報経営イノベーション専門職大学 特任教授 

■著書
「最強Appleフレームワーク」(時事通信)
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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