LTVをアップするために必要なこと。あなたの職場に世界の経営学を 最新理論で「仕事の悩み」突破の書評

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あなたの職場に世界の経営学を 最新理論で「仕事の悩み」突破
宍戸拓人
日経BP

本書の要約

LTV(Life Time Value)は、ビジネスにとって非常に重要な指標の1つです。顧客をファン化することで、LTVを高めることができるようになります。ファン化された顧客(熱心な応援団)との長期的な関係を築くことで、あなたのビジネスにより高いLTVをもたらしてくれます。

LTVをアップさせるために必要なこと

「顧客をファンにする」のは、マーケティングの永遠のテーマのーつだ。ファンになってくれたら、安く商品やサービスを提供する競合が現れたとしても、引き続き自社の商品やサービス、ブランド、会社を応援してくれる。そのような客を増やすことは、市場や国境を超えて競合企業が出現する現代の企業環境において、重要な課題となっている。(宍戸拓人)

最新の経営学の知識をビジネスに活用することで、組織の課題を解決できるようになります。学者でもあり、CDOとして会社の経営に関わる宍戸拓人(武蔵野大学准教授)氏のアドバイスは実践的なので、すぐに取り入れられます。

このブログでも、顧客生涯価値(Life Time Value)について何度も紹介していますが、これを高めることで企業は持続的に成長できます。LTVは、顧客1人が取引開始から終了までにもたらす利益の大きさを意味します。LTVは「年間取引額×収益率×取引継続期間」といった形で算出されます。

顧客をファン化することで、LTVを高めることができるようになります。ファン化された顧客(熱心な応援団)は、あなたのビジネスにより高いLTVをもたらしてくれます。彼らはより多くの商品やサービスを購入し、長期的に支援してくれるようになります。

ファン化のためには、顧客との強い関係を築くことが必要です。以下の5つの方法で、顧客をファン化することができます。結果、LTVがアップするのです。

・高品質な製品やサービスを提供すること
顧客の課題を解決できる高付加価値な商品やサービスを提供すること

・カスタマーサクセスの向上
顧客が問題を抱えた場合、適切なサポートが受けられることが重要です。顧客の課題を解決し、成功させることを目指しましょう。

・リアル・オンラインでの評判をよくする
クレームを言う顧客に対して、丁寧かつ迅速に対応することが必要。

・顧客とのコミュニケーションの重視
顧客に対して積極的にコミュニケーションをとることで、顧客の信頼を獲得することができます。顧客からのフィードバックやアイデアを収集することで、顧客の要望に合わせた製品やサービスを提供することができます。

・顧客体験の最適化
製品やサービスを使用するユーザーにとって、快適な顧客体験が重要です。サイトや商品のUI、UXを向上し、顧客体験をアップするための努力を重ねましょう。

アイデンティファイで顧客体験をアップしよう!

顧客にファンになってもらうためは、従業員教育が重要になります。そのためのキーワードが、「アイデンティファイ」になります。
□アイデンティファイ・・・・従業員が自身のアイデンティティーの一部に顧客を取り込むこと。

顧客にアイデンティファイしたスタッフは顧客のことを家族の一員であるかのように接し、ここからまがいものではない「本物」のサービスが生まれます。アイデンティフィケーションの前提になるのが、顧客を1人の「人」として見ることです。

イリノイ大学のテレサ・カルダドール氏らは、米国の信用組合の事例によって、顧客の生活や人生全体を深く理解することが、従業員のアイデンティフィケーションにとって重要であることを明らかにしています。

店舗や職場内の仕事に関わる知識や情報を超えて、顧客の生活や人生全体を深く理解することです。従業員が顧客起点で寄り添うことで、顧客の感動体験が高まります。

相手は、1人の人として、日々の生活の中で何に悩んでいるのだろうか?どうすれば、私たちはその悩みに寄り添うことができるのだろうか?と考えるようにすべきです。

例えば、レストランでの顧客体験を高めるためには、多くの場合、「どの料理がお好きでしょうか」といった形で顧客のニーズを深掘りをします。しかし、これだけでは、アイデンティフィケーションを生み出せません。

顧客がなぜこのレストランを使うのかを顧客起点で考えれば、「ストレスが大きい割に給料の低い仕事に就いており、奮発して食事をすることが月1回の特別なご褒美」という意味があるのかもしれません。

ホールのスタッフはこうした事実を知り、寄り添い、心からもてなしたいと思う中、次第に自分のアイデンティティーの一部に顧客を取り込むことができます。製品やサービスの機能を供給サイドの視点からではなく、顧客の視点から捉えるようにすべきです。

LTVは、ビジネスにとって非常に重要な指標の1つです。LTVを計算することで、あなたのビジネスにとって最も価値のある顧客を見つけることができます。ファン化された顧客(熱心な応援団)との長期的な関係を築くことで、あなたのビジネスにより高いLTVをもたらしてくれます。

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