書いてはいけない
森永卓郎
三五館シンンャ
書いてはいけない(森永卓郎)の要約
日本政府が40年以上にわたってアメリカと共謀し、日本航空123便の真の原因を隠蔽してきたと著者は指摘します。この事実により主権が損なわれ、アメリカから経済政策を押しつけられています。さらに、ザイム真理教による増税政策により、日本経済は衰退し、経済成長が停滞しているのです。
権力者へのメディアの忖度が日本を悪くする元凶?
私自身、解決はほぼ不可能だと考えていたジャニーズ事務所の性加害問題も、報道が動くことで劇的に事態が進んだからだ。(森永卓郎)
経済アナリストの森永卓郎氏によれば、メディア業界では長年にわたり、ジャニーズ事務所に関連する性加害、財務省のカルト的財政緊縮主義、日本航空123便の墜落事件についての報道がタブー視していました。これらのテーマは権力者への忖度によってタブーとされていた可能性がありますが、メディアの役割は真実を伝えることであり、重要な社会的テーマについても適切に報道することが求められます。
メディアは公正かつ客観的な情報を提供し、タブーとされるべきではない重要なテーマにも積極的に取り組むべきだと著者は主張します。ステージ4の膵臓癌を患いながらも、森永氏は残り少ない人生を賭けて、真実を世の中に問うためこの一冊を書いたのです。
この3つのタブーに関しては共通の構造があります。
①絶対的権力者が、人権や人命や財産に関して深刻な侵害を行なう。
これは社会における重大な問題であり、権力者がその権限を濫用し、個人や集団の権利を無視することは許されるものではありません。
②その事実をメディアが報道せず、被害が拡大、長期化していく。
メディアの報道がないことで、問題が表面化されず、解決が遅れる可能性が高まります。ジャニーズ問題はメディアが忖度したことにより、犠牲者が増えてしまったのです。
③そうした事態について、警察も検察も見て見ぬふりをする。
権力機関が問題を無視することは、社会全体の信頼を失わせる行為であり、適切な対処が求められます。
④残酷な事態が社会に構造的に組み込まれていく。
これらの問題が放置されることで、社会全体がその残酷な事態に慣れ、受け入れるようになり、構造的な不正義が根付いてしまう可能性があります。社会全体でこれらのタブーに対して目を向け、問題解決に向けた取り組みを行うことが重要になります。
ザイム真理教の問題点とは?
財務省は、消費税の引き上げなどの増税策ばかりを示して、経済規模拡大による税収増というビジョンはほとんど出てこない。いったいなぜなのか。財務省内では、増税を「勝ち」、減税を「負け」と呼んで、増税を実現した官僚は栄転したり、よりよい天下り先をあてがわれる。さらに消費税率の引き上げに成功した官僚は「レジェンド」として崇め奉られる。一方、経済規模を拡大して税収を増やしても、財務官僚にとってはなんのポイントにもならない。
財務省が増税策に偏っている背景には、政府の財政再建や社会保障の拡充など、長期的な視点からの財政健全化が求められるという大きな課題があります。消費税の引き上げは、財政基盤の強化や将来の社会保障費用の確保を図るために行われています。
しかし、その過程で経済規模の拡大や税収増に対するビジョンが十分に示されていないことが問題となっています。 財務省内で増税を「勝ち」と位置付け、増税を実現した官僚を栄転させる文化が根付いていることも、増税策が優先される要因の一つです。
官僚たちにとって、増税は功績として評価され、成功した官僚は「レジェンド」として讃えられるため、増税路線が強調される傾向があります。 しかし、経済規模の拡大や税収増は、単なる財務省の勝敗にとどまらず、国民全体の福祉や経済活動にも大きく影響します。
「ザイム真理教」の信者(官僚)は、増税によって国民負担率は47.5%に上昇しています。財務官僚にとっては、増税が行われればOKで、景気が悪くなっても問題はないのです。実際、景気が回復している2014年には消費税の増税を実施し、アクセルとブレーキを同時に踏む非科学的政策を行い、経済にダメージを与えてしまいました。
メディアもザイム真理教のコントロール下に置かれ、増税路線をサポートし、国民を苦しめていると著者は言います。実際、財務省はメディアに対して税務調査という武器を使って、増税政策を批判されないようにしていると言います。
森永氏は、増税だけでなく、経済成長を促進し、税収を増やすための施策やビジョンが重要であると指摘します。財務省には、将来の社会保障や財政の安定だけでなく、経済全体の発展を考慮した政策立案が求められていますが、この常識が彼らには通用しないのです。
今、日本では猛烈な勢いで税収が増え、減税の余力が高まっている。だから、社会保険の改悪ではなく、消費税減税を行ない、国民の負担減を図ればよいのだ。そうすれば消費が増えて経済が成長し、さらに税収増につながっていくはずなのだ。
現状の造成路線は、江戸時代の五公五民というレベルに近づいています。一揆が起きてもおかしくない水準になる中、私には森永氏のこの主張が真っ当なものに思えます。
1985年の日航機・御巣鷹山事故の真相については、本書をぜひご一読ください。アメリカ軍や自衛隊、政府の動き、それに対するメディアの忖度という実態から、事故の真相を推測できます。
日本が主権を取り戻せない理由は、単に日本航空123便の墜落原因について責任をボーイング社に転嫁したことだけではありません。実際には、事故後40年近くにわたりアメリカと共謀し、123便墜落の真の原因を隠蔽し続けた日本政府が、ウソをついたという事実によって拘束されているからだというのが著者の考えです。
実際、日本航空123便の事故後、アメリカから不当な要求が増えるようになりました。主権を失った日本は経済政策においてはアメリカのいいなりで、国家の衰退の要因になっています。
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