1日10秒マインドフルネス(藤井英雄)の書評

woman holding fork in front table

1日10秒マインドフルネス
藤井英雄
大和書房

1日10秒マインドフルネス(藤井英雄)の要約

忙しい現代人の心の健康を守る秘訣、それが「10秒マインドフルネス」です。わずか10秒という短い時間で効果を実感できるため、誰でも簡単に続けられます。この簡単な習慣を通じて、日々の喧騒の中で自分自身と向き合う貴重な時間を確保でき、心と身体の健康を維持できるようになります。

10秒マインドフルネスとは何か?

10秒のマインドフルネス瞑想では、「呼吸」「歩く」「聴く」など日常で行っている行為に着目していきます。 (藤井英雄)

現代のビジネス環境は、ITの急速な進化により、かつてないほど複雑化しています。多くのビジネスパーソンが日々増大するストレスとプレッシャーに直面しており、メンタルヘルスの維持が重要な課題となっています。 そんな中、注目を集めているのが「マインドフルネス」です。

マインドフルネスを実践することで、ストレス軽減や集中力向上、創造性の促進など、多くの効果が科学的に証明されています。 

しかし、「時間がかかる」「難しい」といった誤解から、取り入れることをためらう人も少なくありません。精神科医・マインドフルネスの専門家である藤井英雄氏が提唱する、わずか10秒で実践できる簡単な3ステップを今日はご紹介します。

1. マインドフルネスの開始を宣言する
まず、「今からマインドフルネスを始めます」と心の中で宣言します。この一言が、あなたの意識を現在の瞬間に向ける重要な合図となります。普段の雑念や心配事から、今この瞬間に意識を切り替えるスイッチの役割を果たします。

2. 今、ここのあなたを実況する
次に、今の自分の状態を客観的に観察します。例えば、「今、私は椅子に座っています」 「背中がまっすぐ伸びています」 「呼吸はゆっくりです」 このように、現在の状態を心の中で実況してみましょう。この行為により、自分の身体感覚や周囲の環境に意識を向け、「今、ここ」に存在していることを実感できます。

3. マインドフルネスの終了を宣言する
最後に「マインドフルネスを終了します」と宣言します。この終了宣言により、意識的にマインドフルな状態から日常モードに戻ることができます。

10秒マインドフルネスは、日常生活の様々な時間をマインドフルネスの実践の機会として活用する方法です。この手法により、特別な時間や場所を設けることなく、日常のあらゆる活動の中でマインドフルネスを実践することが可能になります。

例えば、立っている時、座っている時、歩いている時、仕事中、休憩中、遊んでいる時など、どんな状況でもマインドフルネスのエクササイズに変えることができます。これにより、「瞑想する時間がない」という悩みから解放されるのです。

さらに、日常的な活動すべてがマインドフルネスの機会となります。料理をする時、食事の支度をする時、食べる時、そして食べ終わって皿を洗う時まで、すべての瞬間がマインドフルネスのエクササイズになるのです。 このアプローチの利点は、生活の中で自然にマインドフルネスを統合できることです。特別な時間を設ける必要がないため、忙しい日程の中でも継続的に実践することが可能になります。

また、日常のタスクをより意識的に行うことで、それぞれの活動からより多くの喜びや満足感を得ることができます。マインドフルネスを習慣化することで、集中力もアップし、ポジティブな感情を持ち続けることで、人生をより豊かにできます。

10秒マインドフルネスの驚くべき効果とは?

まずマインドフルネスな状態になってください。すると自然に冷静になり、ネガティブ思考は手放されていきます。するとほっと一息ついて冷静に今できることを考えられるようになります。その結果、前向きに考えることができる自分に気づくでしょう。

忙しい現代社会において、ストレスや不安は避けられないものとなっています。しかし、わずか10秒という短い時間でも、マインドフルネスを実践することで、心身の健康に大きな変化をもたらすことができるのです。 この「10秒マインドフルネス」は、日常生活のあらゆる場面で簡単に取り入れられる効果的な方法です。

10秒という短い時間でも、マインドフルネスの効果は絶大です。まず、ストレス軽減という点で、10秒マインドフルネスは大きな効果を発揮します。日々の生活で溜まっていくストレスや不安から、一時的にでも距離を置くことができるのです。この瞬間的な意識の切り替えにより、心の中の騒がしさを静め、穏やかさを取り戻すことができます。

次に、集中力の向上が挙げられます。現代社会では、常に様々な情報や刺激に晒されているため、一つのことに集中することが難しくなっています。しかし、10秒間意識的に「今、ここ」に焦点を当てることで、目の前のタスクに集中する能力を養うことができます。これは仕事の生産性向上にもつながる重要な効果です。今やるべき優先事項にフォーカスし、集中することで、ビジネスで結果を出せるようになります。

さらに、自己認識の向上も期待できます。日々10秒間、自分の内面や外界の状況を客観的に観察する習慣を身につけることで、自分自身をより深く理解できるようになります。これは個人の成長や自己改善において非常に重要な要素です。

また、感情のコントロールという点でも、10秒マインドフルネスは大きな効果を発揮します。日常生活で感情が高ぶった時やストレスが溜まった時に、短い時間で自分の感情をコントロールし、冷静に対処する力を養うことができます。このように、10秒マインドフルネスは短い時間でも多くのメリットを提供し、日常生活に取り入れることで心の安定や集中力の向上に繋がるでしょう。

このように、わずか10秒という短い時間でも、継続的にマインドフルネスを実践することで、私たちの生活に大きな変化をもたらすことができるのです。ストレス軽減、集中力向上、自己認識の向上、感情のコントロールといった効果は、単に個人のウェルビーイングを高めるだけでなく、仕事のパフォーマンス向上や人間関係の改善など、人生のあらゆる面にポジティブな影響を与えます。

マインドフルネスとは自分の心の声を聴くことでもあります。そして「挨拶を無視されてイライラした」と実況することは、心の声を聴いて傾聴していることになり、カウンセラーのオウム返しと同じ効果を発揮しています。つまりマインドフルネスになるとき、自分の心の声を自分自身が傾聴するのです。傾聴してもらえた自分の心は、理解し傾聴してくれた自分を好きになり、自己を墓する力が自然と強くなるのです。

マインドフルネスの自己傾聴を通じて、私たちは自分自身をより深く理解し、受け入れることができるようになります。自分の感情や反応のパターンを認識することで、なぜ自分がそのように感じたり行動したりするのかを理解できるようになります。この自己理解は、ストレスの軽減や感情の調整に役立ちます。

さらに、自分の心の声に耳を傾け、それを理解し受け入れることで、自分自身に対する肯定的な態度が育まれます。自己批判や自己否定の声に振り回されるのではなく、自分の長所や短所を含めた全体を受け入れる姿勢が生まれるのです。この自己受容は、自己肯定感の向上につながり、より前向きな人生観を持つことができるようになります。

このような自己理解と自己受容は、対人関係にも良い影響を与えます。自分自身をよく理解し、受け入れることができれば、他者に対しても同様の態度で接することができるようになります。これにより、より深い人間関係を築くことが可能になります。

また、自分の真の願望や目標に耳を傾けることで、人生の方向性がより明確になります。内なる声に従って行動することで、自分らしい生き方を実現し、目標達成への意欲も高まります。 日常生活にマインドフルネスを取り入れるには、特別な時間を設ける必要はありません。

10秒マインドフルネスによって、食事をする時、歩く時、入浴する時など、日常のあらゆる場面で意識的に今この瞬間に注意を向けることができます。本書には両手で膝をタッチする、両手両目を∞に動かすなどの実践法が紹介されています。これらの瞑想を通じて、徐々に自分を良くする習慣を身につけていくことができるようになります。

10秒マインドフルネスの実践は、忙しい現代人にとって、心の健康を維持し、充実した人生を送るための強力なツールとなり得るのです。日々の小さな積み重ねが、やがて大きな変化をもたらします。私もマインドフルネスを習慣化することで、ウェルビーングを高めることができました。

※著者から文庫版を献本いただきました。以前の藤井英雄氏のブログはこちらから。

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この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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