プレイフル・シンキング (上田信行)の書評

person piling blocks

プレイフル・シンキング
上田信行
宣伝会議

プレイフル・シンキング (上田信行)の要約

上田信行氏が提唱する「プレイフル・シンキング」とは、仕事や生活に遊び心を取り入れ、創造性を刺激する考え方です。プレイフルなアプローチを通じて、日常の業務に新しい視点を持ち込み、より一層充実した時間を過ごすことができ、個人と職場の生産性を高めてくれるのです。

プレイフル・シンキングとはなにか?

学びはロックンロールなのだから!(上田信行)

学習環境デザインとメディア教育における実践的な研究を行う上田信行氏は、学びをロックンロールに例えながら、「プレイフル・シンキング」というメソッドを提案しています。

プレイフルとは、物事に対してワクワクドキドキする心の状態を指します。この考え方は、日常の何気ない場面から新しい可能性を見出し、状況に応じて柔軟に発想を広げる力を生み出します。

プレイフル・シンキングは、キャロル・S・ドゥエックの「認知的動機づけ理論」を基盤に、人生を豊かにする新しいアプローチとして提案されています。 キャロル・S・ドゥエックが提唱したマインドセット理論では、私たちの心の持ちようが行動や結果に大きな影響を及ぼすことが示されています。

特に、固定マインドセットと成長マインドセットという2つのタイプが、私たちの考え方や行動の特徴を大きく分ける重要な要素です。

固定マインドセットの人は、失敗や困難を避ける傾向があり、自分や他人の能力を一定のものとして捉えがちです。

一方、成長マインドセットの人は、自分の能力を努力や学びを通じて伸ばすことができると信じ、挑戦を前向きに捉えます。

例えば、仕事において新しい課題を与えられたときに、「自分にはできないかもしれない」と考える人は固定マインドセットの傾向があります。

しかし、「どうすればできるか」を考える人は成長マインドセットを持っており、解決策を探る過程そのものを楽しむことができます。この「どうすればできるか」を模索する姿勢こそがプレイフル・シンキングに通じるものです。

プレイフル・シンキングは、状況に応じて自分の考え方を柔軟に切り替えながら、自分や他者の力を最大限に引き出す方法論です。この思考法を取り入れることで、新しい視点が生まれ、仕事や日常生活における可能性が広がります。何か新しいアイデアや方法を試すことは、必ずしも簡単ではありませんが、他者の助けを借りたり、異なるアプローチを考えたりすることで解決の糸口が見えてきます。

「どうすればできるか」を考える過程でワクワクした気持ちを持てることは、仕事への向き合い方をよりポジティブなものに変える力を持っています。難しい状況に直面したときでも、それを新たな挑戦として受け入れ、前進するための方法を模索できる人は、より充実した人生を送ることができるでしょう。

このような姿勢は、他者との関わりにおいても大きな影響を与えます。憧れや夢を実現するためには、周囲の人々との協力や支えが不可欠です。そうした関係性の中でこそ、自分自身が思い描いていた以上の成果を手にすることができるのです。 プレイフルな心の状態を保つためには、日常の中で意識的に楽しみを見つけ、挑戦を前向きに捉える習慣を身につけることが重要です。

そして、このプレイフルな姿勢を持続させるためには、自分自身の行動や考え方を多角的に眺め、状況に応じて柔軟に対応できる力が必要です。 このように、プレイフル・シンキングは、私たちの生活に新しい価値をもたらすだけでなく、他者との関わりをより豊かなものにします。挑戦を楽しむ心の余裕を持ちながら、自分自身と周囲の人々が新たな可能性を追求できるようになるのです。

プレイフル・シンキングの4つの要素

学びとは子どもが何かを体験し、その体験を振り返るプロセスを通してみずから構築していくものであるという考え方だ。これを、インストラクションに対して「コンストラクション(construction)」という。知識とは他者から与えられるものではなく、みずから創り上げていくもの、つまり「創造するもの」であるという考え方だ。

学びとは、単に他者から知識を与えられる受動的な行為ではなく、自らの体験を振り返りながら創造する能動的なプロセスです。この考え方を教育学では「コンストラクショニスト・ラーニング」と呼びます。知識を構築していく過程には、自分の知的好奇心とそれを冷静に俯瞰する視点の両方が必要です。

こうした2つの視点をバランスよく持ちながら新たな価値を生み出すことが、プロフェッショナルとしての鍵になります。そしてそのために重要なのが「プレイフル・シンキング」だと上田氏は指摘します。

成功したビジネスマンたちに共通するのは、困難を楽しみながら乗り越える力です。例えば、事業に失敗した経験を持つ人でも、「仕事をつらいと思ったことはない」と語ります。それは、困難を「取るに足らないもの」と捉え、むしろ夢に近づくための跳躍と考えているからです。

プレイフル・シンキングは、人生や仕事に対して柔軟かつ前向きな姿勢で取り組むことを可能にする思考法です。その核となるのは、以下の4つの要素です。

①プレイフルとは、真剣に向き合うこと
プレイフルな心を持つということは、物事を軽く考えるということではありません。むしろ、目の前の課題に真剣に向き合うことから始まります。ただし、それは単に努力するだけではなく、目標に向かって全力で取り組む意識を持つことです。

例えば、単調な作業やルーティンワークであっても、「これをやることでどんなスキルを伸ばせるか」「自分に新たな挑戦を課すにはどうすればいいか」といった視点で取り組めば、その仕事の意味合いが変わってきます。真剣さは、物事に価値を見いだし、成長の糧にする力を与えてくれるのです。

②プレイフルとは、柔軟であること
真剣に向き合う一方で、柔軟であることもプレイフル・シンキングの重要な要素です。仕事や課題には必ずしも「正解」があるわけではありません。既存のやり方や常識に縛られるのではなく、「他にどんなアプローチがあるだろうか」「新しい方法を試してみよう」と柔軟に発想を広げることが必要です。

困難な状況に直面しても、そこで立ち止まらず、可能性を模索する姿勢がプレイフルな心の特徴です。この柔軟性が、行き詰まりを突破し、新たな価値を創出する原動力となります。

③プレイフルとは、協調のためのエンジン
プレイフルな心は、他者との協調を促進するエンジンの役割も果たします。大きな目標を達成するためには、自分一人の力だけではなく、周囲の人々の知恵や力を借りることが不可欠です。協調の中で、自分では思いつかないアイデアが生まれたり、予想外の解決策が見えてきたりすることがあります。

例えば、チームでの仕事において、他者の意見を受け入れ、共に課題に取り組む姿勢があれば、結果としてより良い成果を得られるでしょう。協調は、ただ一緒に作業をするだけではなく、互いに刺激を与え合い、新しい発見を共有するプロセスそのものなのです。

④プレイフルとは、実現できそうな予感にワクワクすること
プレイフル・シンキングの最も楽しい部分は、「実現できそうな予感」にワクワクすることです。挑戦や課題に対して、「どうやればできるか」を考えるプロセスそのものが楽しさを生み出します。「これを使えば解決できるかも」「あの人の助けを借りたらうまくいくかもしれない」といったアイデアを考える中で、自然と意欲が高まります。

このワクワク感が、日々の仕事を単なる義務ではなく、自分の成長や夢の実現に向けた第一歩として捉えさせてくれるのです。 プレイフル・シンキングの実践がもたらす未来 プレイフルな心を持つことで、仕事や生活の見方が変わります。

プレイフルな心を持つことで、仕事や生活の見方が変わります。「つまらない」「やらされている」と感じていたことにも、新たな意味や価値を見いだすことができるのです。真剣さと柔軟性を兼ね備え、他者と協力しながら挑戦に取り組むことで、これまで以上に創造的で充実した人生を送ることが可能になります。

そして、「実現できそう!」という予感にワクワクしながら進む道は、きっと素晴らしい未来へとつながっていくことでしょう。 プレイフル・シンキングを日々の思考に取り入れ、目の前の状況を最大限に楽しみながら、新たな可能性を追求してみてはいかがでしょうか。あなたの挑戦が、きっとより良い成果をもたらしてくれるはずです。

「この仕事では新しいスキルを身につけよう」「この業務では自分に課題を与えてみよう」といった意識を持つだけで、ルーティンワークがクリエイティブな活動に変わります。

このように、短期的な目標と長期的な目標をすり合わせることが、納得感のある成果につながります。 仕事において、正解は一つではありません。現状に行き詰まったときや、既存のやり方で解決が難しいと感じたときは、状況を俯瞰してメタ認知的に考えることが重要です。

どんなツールを使えばいいか、誰と協力すれば解決できるか、という視点を持つことで新しい選択肢が生まれます。自由に発想すればするほど、「できるかも」という感覚が高まり、自然と行動への意欲がわいてきます。

プレイフル・シンキングの本質は、単に自分を楽しませるだけでなく、他者を巻き込みながら状況をより良く変えていく力にあります。この思考法を日常に取り入れることで、仕事の枠を超えて人生そのものが充実したものになります。

そしてその結果、周囲の人々や環境にも良い影響を与え、新たな可能性を引き出すエネルギーを生み出すのです。プレイフルな心を持ちながら進む道は、私たちの未来に驚きと楽しさをもたらすことができるようになります。

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この記事を書いた人
徳本

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数
iU 情報経営イノベーション専門職大学 特任教授 

■著書
「最強Appleフレームワーク」(時事通信)
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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