田村麻美氏のブスのマーケティング戦略の書評

ブスの定義を、ビジネス市場・恋愛市場において、「見た目を武器にできない人」にしておこう。美人の定義は、「見た目を武器にできる人」。武器にできるかどうか客観的に判断できない、という人は、他人から「かわいいね、美人だね」と顔をほめられたことが、20回以上あるかないかで判断してもらってよい。(田村麻美)


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冷徹なプロダクト解析を行い、ひたすたアクションを起こそう!

税理士として活躍する田村麻美氏のブスのマーケティング戦略が面白かったので、早速紹介します。ブスとマーケティングという異質なワードを組み合わせることで話題になっている一冊で、一瞬とんでも本の類かと思いましたが、まじめなマーケティング理論と行動の重要性が、著者の貴重な体験を元に語られています。マーケティングのフレームワークを合コン、恋愛ネタを使って、わかりやすく説明してくれているので、マーケティングの入門書としてもおすすめできます。彼女の本音ベースの赤裸々な人生戦略に共感を覚え、本書を一気に読了しました。

著者は冷徹なまでに自分を分析します。5つの指標によるブスのプロダクト解析によって、商品価値をどう高めるかを考え、自分のマーケティング戦略を立案します。
1、見た目
2、経済力(仕事)
3、学歴
4、居心地(人柄)
5、相性(個性)

私は、見た目数値はゼロ。でもマーケティング戦略によって、「居心地のよさ」を目指した。私という商品が本質的に提供しているサービスは、気さくで居心地のよい税理士ということになる。この数値、厳密にいうと、顧客と市場と競合との関係性、つまり商品をとりまく環境によって決まってくる。

もし、自分が見た目を武器にできないと確信したら、プロダクト解析を行い、戦略を考えることが重要です。 一度思い切って自己評価をゼロにして、具体的に武器として何を装備していくべきかを明らかにすべきです。自分がブスだと感じたら、自分の武器を増やし、価値を高めることで結果を出せるようになるのです。

田村氏はブスは行動しない限り、よいことが起こらないと気づきます。合コンの数をこなすことで、自分の価値やマーケットがわかり、結果を出せるようになるのです。ブスは何もしなければ、誰も声をかけてきません。美人と同じ戦略で戦っても顧客(結婚相手) には出会えないのです。

ブスであることを気にせず、行動に移すことで学びを得られます。合コンに出ることで、リーン・スタトアップが行え、自分という商品をよりよくできるというのです。

傷つかないために、市場をしっかり見極めて、商品を出したい(行動に出たい)とは思う。しかし、市場の見極めは傷つくことなしにはできない。試作品を試して完成させていくのは、当たり前のことなんです。傷つくのが怖いのは、「知らない」からだ。一度体験し「どんなものか知る」と、二度目の行動へのハードルが下がる。失敗前提で行動し、そこから必ず何かを学ぶこと。ブスこそリーン・スタートアップ、トライ&エラーである。 ポイントはそこで、ブスは十俵に上がれる確率を1%でもいい、コツコツ上げていく必要がある。なので、自分の得意分野を磨き、ひとつでも多くの武器を身につけてほしい。ひとつの分野を深くやるでもいいし、複数の分野を浅くでもいい。

ブスは行動しても失敗が続きます。しかし、そこであきらめてはいけません。合コンやデートの後には必ず「フィードバック」を行い、次に備えるべきだと田村氏は指摘します。断られる経験を通して、 課題を明確にし、自分を改善していくのです。
・そもそも商品力の問題なのか?
・夕ーゲットのニーズを満たしていなかったのか?
・誘い方(プロモーション)がダメだったのか?
そこから、フィードバックを得たら、 PDCAを回して、改善策をつくり、再びアクションを起こすのです。
・洋服を変えてみる(商品改良)
・誘う相手を変える(夕ーゲット変更)
・飲み会ではなく素面の場で食事に誘う (プロモーション変更)
など、必ず前回の反省をいかし、相手から選ばれるための努力を続けます。ブスという外見をカバーするためには、ひたすら自分の総合点を上げる努力を続けることで、結婚というゴールに近づけるのです。様々なマーケティング戦略を実践することで、田村氏は税理士試験に合格し、出版も実現させてしまったのです。

 

アウトプットが奇跡を起こす!

ブログを書く、SNSで発信する 2社目の税理士事務所で「書く」習慣をつけてもらったことで、私の人生は変わった。いまも定期的にブログを書いている。何がいいって、昔あったことや、過去の行動をいつでも振り返られる。それは思い出をしみじみと味わうという意味ではない。過去は大事なデータだ。人生を俯瞰することが、マーケティング戦略に役立つのだ。

このブログでもなんども書いていますが、アウトプットによって、自分との対話が進み、やるべきことが見えてきます。過去の記事は自分の行動記録となり、これを活用することで、成功する確率を高めることができます。

書くことを習慣にしていると書くためのネタを常に探すようになります。自分の中にアンテナが立ち、良い情報を引き寄せられるようになるのです。ネタを記事化し、定期的に発信することで、定期的に読んでもらえる読者がつき、フィードバックをもらえるようになります。ブログを書くことで、新たな出会いがデザインでき、承認欲求も満たされるようになるのです。

ブログは簡単に開設はできるが、アクセス数が増えるまでに相当時間がかかる。たいていの人は、ブログを開設しても数日書いて、やめてしまう。反応がないのでつまらないとか、書くことが嫌になってしまうといった理由だ。冷静に考えて、凡人がクリティカルヒットするコンテンツを量産できるわけがない。メディアに出たいのであれば、才能ではなく継続する地道な努力を見せるしかないのだ。

ブログも継続しなければ意味がありません。弱者である一般人が結果を出すためには、コツコツと記事を積みあげるしかありません。ひたすら自分と読者のために記事を書き続けることで、検索結果に反映され、ここからよいことが起こるようになります。著者はブログやホームページ、SNSを活用し、パーソナルブランディングを行うことで、税理士の仕事で成功するだけでなく、著者になってしまったのです。マーケティング戦略を実践することで、もはやただのブスではなく、家族のいる幸せな税理士というポジションをゲットしました。私もコツコツと書き続けたから結果、出版や連載のオファーを受けたので、このアウトプット戦略はおすすめします。

マーケティング戦略の成功とは、 お客さんのニーズに自社が提供する商品・サービスをフィットさせることである。 フィットさせるためには、次の「4P」がうまくつながらなければならない。 大事なのは、プロダクトに合ったプレイスとプロモーションを考えることである。 だれも自分の見た目や中身を評価なんてしてくれない。自分で自分の価値を客観的に判断するしかない。もちろん、人間の性質は複雑で、出会いは運によるものが大きいし、「相性」だって大きく影響する。でも、商品と顧客のニーズが合致しないと、商品は売れない。

ブスの婚活は、まず自分のスペックを確認し、ターゲットを決めることから始まります。自分の4Pを整理し、ターゲットとフィットすることができれば、結婚はできると田村氏は述べています。

結果を出すためにはマーケティング戦略を立てることが重要です。著者があとがきで述べているように、「自分を客観視し、相手の気持ちを想像して、行動すること」で、良い出会いが生まれます。結婚も仕事も同じで、自分のポジショニングとバリューを明らかにすることで、自分を必要とする人に出会えるのです。このブログが主張している、アウトプットと行動の最大化が勝利の秘訣なのです。

まとめ

パーソナルブランディングで成功し、結果を出すためには、自分の4Pを整理し、顧客に選ばれるように仕掛けを考えるべきです。自分独自の価値を明らかにし、それをリアル、ブログ、SNSで発信し、相手に見つけてもらうようにしましょう。弱者は失敗を恐れずに、ひたすら行動すべきです。失敗から学び、行動を続けることで、顧客をつかまえられるのです。

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この記事を書いた人
徳本

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数
iU 情報経営イノベーション専門職大学 特任教授 

■著書
「最強Appleフレームワーク」(時事通信)
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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