ショーン・エイカーの潜在能力を最高に引き出す法: ビッグ・ポテンシャル 人を成功させ、自分の利益も最大にする5つの種の書評


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潜在能力を最高に引き出す法: ビッグ・ポテンシャル 人を成功させ、自分の利益も最大にする5つの種
著者:ショーン・エイカー
出版社:徳間書店

本書の要約

私たちは成功したければ、「スターになれ!」と教わりますが、この考え方は間違っています。幸福論の専門家のショーン・エイカーは、身近な人々と協力することで人のポテンシャルを広げられると説きます。「囲む」「広げる」「高める」「守る」「維持する」の5つのステップを身につけましょう。

ポテンシャルを高める「ポジティブ・システム」を身につけよう!

私たち人間も、争う代わりに、周りの人たちがうまくいくように心がければ、自分が使えるチャンスを増やすことになる。(ショーン・エイカー

ショーン・エイカーは「ポジティブ・システム」を身につけることで幸せになれると言います。職場、会社、地域の「ポジティブな結節点」になる人が、周りの人の創造性、生産性、能力、仕事ぶりを向上させるようにすると、グループ全体で結果を残せるようになります。それだけでなく、自分自身のポテンシャル(潜在能力・潜在的可能性)も飛躍的に高められるのです。

現在の社会は「個人の力」ばかりが過度に注目され、「他者によって強められる力」に注目しません。企業や学校がスーパースターのみに注目すると、周りの人たちの関与を引き出せません。これでは、チームとしての結果を出せず、メンバー全員の本当の力が使われなくなってしまいます。

個人の業績を重視するのではなく、他者とつながることを選択し、感謝や喜びを持って、行動すべきです。自分が感謝を表現すれば、周りにもその気持ちが伝染し、みんなの幸福度がアップするのです。自分だけの限定的な小さな成功(限定ポテンシャル)ではなく、他者との間に生じる好循環によってのみ達成可能な大きい成功(最大ポテンシャル)を目指しましょう。

最大ポテンシャルの5つの種

個人の知能や戦略がどんなに優れていても、1人はチームに絶対かなわない。(リード・ホフマン)

ショーン・エイカーは以下の5つの種を蒔くことで、最大ポテンシャルを身につけられると述べてます。
1、囲む 自分をポジティブな影響を与える人たちの中に置く
2、広げる 今いる場所から他の人を手助けし、自分の力を広げる
3、高める 称賛の光をプリズムのように拡散し、リソースの質を高める
4、守る ネガティブな攻撃から自分の生態系を守る
5、維持する 好循環に燃料を与え続けて、利点を維持する

現代のような過酷な状況を一人の力だけで切り抜けるのには無理があります。最大ポテンシャルを発揮することで、より遠くにまで行けるようになります。実際、ネイチャー誌の論文によると、友人とのつながりをもっとも多く築いて、より多くの情報を共有していた学生がもっとも学業成績がよかったのです。

また、山を下から眺めてどのくらい険しいかを人々に推測してもらう実験を行ったところ、周りに支えてくれる仲間がいるだけで、険しさの認識が変わったそうです。隣に友だちが立っている時には、1人の時と比べ、山の傾斜を10~20%も緩やかに見積もります。

何かを達成しようとする時、そこに他者の存在を加えると、客観的、物理的な世界に対する認識までが変化するというのは驚くべき発見だ。その実験では、友人に1メートル離れた場所で、他の方向を向いて無言で立ってもらった場合も、結果に変わりなかった!これは進化論的に考えても合理的である。仲間というのはリソースと支援を与えてくれる存在だ。だから傍らに仲間がいれば、精神的にも身体的にも、山は登りやすそうに見え、成功は達成可能に思え、障害は乗り越えられそうに思える。

周囲とのつながりが幸福感や楽観性ともっとも関係が深いのです。 人の成功、幸福、仕事の成果はすべて、周りにいる人たちのそれとつながっています。

誰かの特性が成功に貢献する時というのは、それを使って他のメンバーたちの仕事がうまくいくように助けた時だったのです。他者をサポートすることで、グループの集合的業績のみならず、メンバー各自の業績も向上し、結果的に成功につなります。

他の人が成功するように手助けすると、自分自身の成功を妨げている「目に見えない蓋」が取り除かれるのである。

ハーバード・メディカル・スクールのニコラス・クリスタキスとカリフォルニァ大学サンディエゴ校のジェームズ・ファウラーの有名な研究からもわかるように幸せは伝染するのです。ある人が今より幸せになれば、半径1.5キロ以内にいる友だちもまた、63%以上の確率で今より幸せになります。

そして同様に、現在幸福でない人も幸福な人たちの中に入ると、幸福を見出せるチャンスが劇的に増えることがわかりました。つまり幸福な人に囲まれると、その人の幸福が保証されるわけではありませんが、可能性が飛躍的に上昇します。

人々の間で影響し合うのは健康と幸せだけではありません。人格、創造性、活力、エンゲージメント、リーダーシップ、セールスの業績までが、どんな人たちに囲まれているかによって変わってきます。高いポテンシャルを持つ人たちとつながりを持つと、自分のポテンシャルが発揮される可能性もまた劇的に増えるのです。

この記事を書いた人
徳本

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数
iU 情報経営イノベーション専門職大学 特任教授 

■著書
「最強Appleフレームワーク」(時事通信)
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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