人を動かす原則 (レス・ギブリン)の書評

woman sitting on swing

人を動かす原則
レス・ギブリン
ディスカヴァー・トゥエンティワン

本書の要約

相手を軽んじるのではなく、重要な存在だと捉え、自分の行動を変えることで、相手を自分の味方にできるようになります。相手を思いやったコミュニケーションを取ることを自分の習慣にすることで、人間関係をよくできるのです。相手の貢献に感謝し、その気持をしっかりと伝えるコミュニケーションを心がけましょう。

人間の本性に関する4つの真実

すべての人は人生でふたつのものを求めている。 すなわち、成功と幸福である。もちろん人はみな違うし、成功に対する考え方も人それぞれだ。しかし、成功と幸福を手に入れたいなら、すべての人が学ばなければならないことがある。それは人間関係の技術だ。 (レス・ギブリン)

人間関係の技術をしっかり身につければ、私たちは幸せと成功を同時に手に入れられるとアメリカの経営コンサルタントのレス・ギブリンは指摘します。人間関係の技術を身につけることで、どんな仕事でも成功への道の85%とプライベートでの幸せの約99%に到達することができるとギブリンは述べています。

多くの失敗は人間関係の失敗に起因します。ではどうすれば、この失敗を避けられるのでしょうか?多くの人が人間関係の原理を知らずに仕事をしています。

まず、私たちは人間の本性を理解すべきです。人間関係で最も重要なことは「自尊心」 で、これを満たすこと成功のための秘訣なのです。

自尊心は誰にとっても非常に重要なものだということを忘れないようにしましょう。すべての人の心の中には「自分を大切に扱ってほしい」という強い願望が秘められています。他人の自尊心を傷つけるようなことを絶対にしないようにすることが、人間関係をよくする秘訣なのです。

著者は人間の本性に関する4つの真実を明らかにしています。
・人はみな自分本位である。
・人はみな他の何よりも自分に興味がある。
・人はみな自分が重要な存在であると感じたがっている。
・人はみな承認欲求を満たすために他人に認めてほしいと思っている。

私たちは自分の自尊心を満たしたいと思っています。人は自分の自尊心を満たしてくれる人を求めているのです。相手の自尊心に敬意を払うことで人間関係をよくできるのです。「人々が仲よくやっていけるのは、お互いの自尊心が高いレベルにあるときである」と考え、相手に対してよい言葉を投げかけるようにしましょう。相手の自尊心を高めることで、自分のために動いてもらえるようになるのです。

相手に重要感を持たせる4つの方法

よい人間関係は双方向のコミュニケーションによって、ギブアンドテイクの関係が成り立っている。相手が何をほしがっているか、どう感じているかがわからないなら、相手と気持ちが通じ合わないし、そのままでは相手を動かすこともできない。成功者は自分の口を閉じて相手に話をさせるように持っていく。

人間関係をつくれる人はコミュニケーションがうまく、相手をを受け入れることに長けてます。

著者は相手を受け入れる3つの方法を本書で紹介しています。
・相手を受け入れる。
相手をあるがままに受け入れ、自分らしく振る舞う自由を与えるようにします。相手を受け入れることで、その人は自分のための行動を起こしてくれるようになります。

・相手を承認する。
相手のよいところを見つけて、承認することで、人は成長します。あなたの承認を感じ取ることで、相手は行動パターンを変えてくれます。お互いを承認し合うことで、よい結果を得られるようになります。

・相手を高く評価する。
相手の長所を探し、それを評価することで、自分を幸せな気分にできます。周りの人を認めることで、自分の周りによい人が集まるようになり、よいネットワークがつくれるようになります。

相手をほめることで、ポジティブなエネルギーを与えられます。ほめ言葉と人間関係には密接な関係があります。人の長所を見つけたら、ほめることを習慣にしましょう。

人はみな自分が重要な存在だと感じたがっている。言い換えると、地位や肩書に関係なく、誰もが自己重要感を満たしてほしいと思っているということだ。実際、私たちが必要としているのは、自分が重要な存在だと実感するのを他人に手伝ってもらうことである。つまり、私たちは他人の助けを借りて自分の人間としての価値を確認したいのだ。

相手に重要感を持たせることで、人間関係を劇的に改善できます。著者はそのための4つの方法を明らかにしています。
・相手が重要な存在だと心から思う。

・相手に注目する。

・相手と競い合わない。
他人に好印象を与えたいなら、相手に感銘を与えようとするのではなく、相手に感銘を受けたことを伝えるのが最も効果的な方法です。 自分の素晴らしさを認めてもらおうとするのではなく、相手の素晴らしさを認めることが大切なのです。相手のよいところを見つけ、それを積極的にほめるようにしましょう。

・「間違いを指摘することが適切なのか」を考える
相手の間違いを指摘し、相手のプライドを傷つけることに意味があるのか自問します。

相手に自分の話をしてもらうこと、相手の話を傾聴することで、相手との関係をよりよくできます。相手に打ち解けた状態で話をしてもらうことを意識し、質問を重ねましょう。自分が相手に興味を持っていることを示すことで、場の雰囲気を変えられます。自分のことより相手にフォーカスし、話を聴くようにしましょう。

人に感謝できることを探そう。優しい言葉をロに出して言おう。そして、自分の気持ちを相手に伝えよう。自分が感謝していることを言わなくても相手はわかってくれていると思ってはいけない。相手の行為に感謝していることを伝えると、相手はあなたのためにもっとしであげたくなるものだ。

相手を軽んじるのではなく、重要な存在だと捉え、自分の行動を変えることで、相手を自分の味方にできるようになります。相手を思いやったコミュニケーションを取ることを自分の習慣にすることで、人間関係をよくできるのです。相手の貢献に感謝し、その気持をしっかりと伝えるコミュニケーションを心がけましょう。



この記事を書いた人
徳本

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数
iU 情報経営イノベーション専門職大学 特任教授 

■著書
「最強Appleフレームワーク」(時事通信)
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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