ロギング仕事術 課題に気づく、タスクが片づく、成果が上がる (倉下忠憲)の書評

pen on white lined paper selective focus photography

ロギング仕事術 課題に気づく、タスクが片づく、成果が上がる
倉下忠憲
PHP研究所

 

ロギング仕事術 (倉下忠憲)の要約

ロギング仕事術は、「実行」と「考える」の組み合わせに基づいており、どんな仕事にも役立つ重要なスキルを提供します。日々のログを通じて、自分自身を深く理解し、成長していくことができるのです。この習慣を身につけることで、自分の能力を最大限に発揮できるようになるはずです。

記録を残すことの3つのメリット

記録を「残す」ことと「使う」ことが、ロギング仕事術の中心的なコンセプトになります。(倉下忠憲)

ロギング仕事術 倉下忠憲著)は、記録を「残す」ことと「使う」ことが中心的なコンセプトとなっています。このコンセプトには、ふたつの意味があります。

まずひとつ目は、「記録を残しながら仕事を進めること」です。これは、作業と作業の間に記録を取りつつ進めていくことを指します。例えば、タスクをこなしながら、その内容や進捗状況をノートに書き留めるといった具体的な方法があります。このように記録を取ることで、自分の思考や行動を整理し、後から振り返ることができます。また、他の人とのコミュニケーションや報告にも役立ちます。

そして2つ目は、「記録を使いながら仕事を進めること」です。これは、記録したものを参照しながら仕事を進めることを指します。例えば、以前のプロジェクトの経験や学んだ知識を活用するために、自分が過去に残した記録を見返すことがあります。また、進行中のタスクにおいても、前回の記録を参考にしながら進めることで、より効率的に作業を進めることができます。

著者は記録を残すことの3つのメリットを明らかにしています。
①情報を後から活用できる。
②自分のホームポジションが持てる。
③自分の情報が生まれる。

①情報を後から活用できる。
記録を残すことによって、後でその情報を再確認したり、必要なときに活用することができます。例えば、学校の授業で覚えたことや実験の結果を記録しておくことで、後で復習したり、他の人と共有したりすることができます。

②自分のホームポジションを持てる。
記録を残すことで、自分の考えや意見、行動の履歴を振り返ることができます。これによって、自分自身の成長や変化を見つけることができます。また、他の人とのコミュニケーションにおいても、自分の考えを明確に伝えるための材料として記録が役立ちます。

③自分の情報が生まれる。
記録を残すことで、自分自身に関する情報が生まれます。これは、自己理解や自己評価のために重要です。自分がどのような活動をしてきたのか、どのような経験を積んできたのかを振り返ることで、自己成長のための新たな気付きや目標が生まれることがあります。

ロギング仕事術で思考する習慣を取り戻そう!

パートナーをイメージして語りかけるように記録を残すようにすると、「頭だけで考え事をしなくなる」効果も生まれます。脳内だけで処理するのではなく、必ずそれを「アウトプット」する、つまり「頭の外に考えを出す」ようになるからです。すると、自分がやっていることを客観視できるようになります。

「ただ仕事を進める」に比べると、「記録とともに仕事を進める」のは多少の手間が増えますが、その効果は計り知れないほどあります。仕事を進める際に、ただタスクをこなすだけではなく、それぞれの作業や進捗を記録することで、効率的に仕事を進めることができるのです。 その効果を存分に活かすのがロギング仕事術です。

私は朝一番にタスクリストを書き出し、翌朝前日のログを記録しています。これにより、仕事の抜け漏れがなくなるだけでなく、過去の作業内容や進捗を振り返ることができます。

例えば、あるプロジェクトでの作業において、特定のタスクが遅れていることに気付いた場合、ログを確認することでその遅れの原因を特定し、改善策を考えることができます。

また、過去のログを振り返ることで、自身の成長や進歩を実感することもできます。 さらに、ログを活用することで、チーム内での情報共有や意思疎通もスムーズに行うことができます。ログには作業内容や進捗だけでなく、意思決定の経緯や議論のポイントも記録しておくことで、後から振り返った際にも情報が明確になります。

ログを書きながら仕事をしていると、このような記録の接続が自然に起こります。記録を「現在」書くことによって、「過去」と「未来」がひとつの場所に交じり合うことになるのです。そうなると、まるでギアが接続したかのように仕事の車輪がうまく回りはじめます。

私はこの書評ブログを13年間毎日書き続けていますが、この読書ログが私の財産になっています。日々の読書である点と点がつながり、線になり、やがて面になることで、自分への理解が少しずつ立体的になっていきます。

この読書ログを通して考えることは、展望を開いてくれます。過去の捉え方を変えてくれることもあります。このような習慣を定着させることが、ロギング仕事術のポイントです。落ち着いて考え、しっかり行動できるようになることが大切です。

「実行」+「考える」という組み合わせで物事を前に進める習慣は、ほぼどんな仕事においても役立つスキルです。日々の点を大事にし、思考する癖をつけることで、自分の可能性を広げられます。「考える」ことを取り戻し、「注意」の制御を取り戻すことが、ロギング仕事術の最大の効果です。

日々のログを通じて、自分自身を深く理解し、成長していくことができるのです。この習慣を身につけることで、自分の能力を最大限に発揮できるようになるはずです。


この記事を書いた人
徳本

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数
iU 情報経営イノベーション専門職大学 特任教授 

■著書
「最強Appleフレームワーク」(時事通信)
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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