ズンク・アーレンスのTAKE NOTES!――メモで、あなただけのアウトプットが自然にできるようになるの書評

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TAKE NOTES!――メモで、あなただけのアウトプットが自然にできるようになる
ズンク・アーレンス
日経BP

本書の要約

頭のなかで考えを組み立ててから引き出すより、考えを書き留めたものを手元に用意するほうが、比較にならないほど作業が楽になります。文章や論文の質と書きやすさは、なによりも主題を決める前に何を書いておいたかによるのです。ツエッテルカステンという読書メモがあればあるほど、書くことが楽になるのです。

ツェッテルカステンというアイデアを生み出すメソッド

貯まったメモを使うと、書くだけでなく、長きにわたって学ぶことや新しいアイデアを生み出す作業も簡単で楽しいものになります。でもいちばん大切なのは、自分のプロジェクトを前に進めるようなかたちで、毎日書けるようになることです。(ズンク・アーレンス)

教育・社会科学分野の作家・研究者のズンク・アーレンスはニクラス・ルーマンのメモ術の「Zettelkasten(ツェッテルカステン)」を紹介します。「自分の言葉でメモをとる」を体系化することで、アイデアが生まれるようになります。

頭のなかで考えを組み立ててから引き出すより、考えを書き留めたものを手元に用意するほうが、比較にならないほど作業が楽になります。文章や論文の質と書きやすさは、なによりも主題を決める前に何を書いておいたかによるのです。読書メモがあればあるほど、書くことが楽になるのです。

もちろん、なんでもかんでも自分で考えているわけではないよ。思考はおもに、ツエッテルカステンのなかで起こるんだ。(ニクラス・ルーマン)

書くことは、考え、読み、学び、理解し、アイデアを生み出すことを最大限に促進します。実際、私もこの書評ブログを書き始めてから、それを実感しています。読む→刺激を受けた箇所をマーキング→メモを取る→ブログにまとめることを毎日繰り返すことで、面白いアイデアが生まれるようになりました。

読書メモを日々蓄積し、ブログに書くことで、頭の中で情報と情報がつながるようになりました。ブログを外部脳にし、それを読み返すことで、様々な情報がつながるようになったのです。著者の言葉を自分の言葉に置き換えることで、本への理解も進みます。何かを長いあいだ学びつづけたければ、内容を書き留める必要があるのです。

読書メモが生産性を高めてくれる理由

考え、読み、学び、理解し、アイデアを生み出すことは、ものを書く人や勉強の中心的な仕事です。これらの活動をすべて向上させるためにメモをとれば、強い追い風に乗れるはずです。

私は14年前に断酒をしましたが、お酒を飲んでいる頃は、読書メモをほとんど作らずにいました。アウトプットのない読書からは良いアイデアはあまり生まれてきませんでした。お酒をやめて、この書評ブログを習慣にすることで、インプットとアウトプットの質が一気に高まりました。

良書には興味深いアイデアやケーススタディはたくさん書かれていますが、ブログで紹介できるのは、その一部のみです。使わないものはメモにストックし、それをいつも取り出せるようにしておくことで、生産性が高まります。メモをクラウド上にアップしておくことで、いつでも大切な情報を検索で探せるようになります。

追加するすべてのアイデアが蓄積され、それが一定の量を超えると、アイデアを溜めていたにすぎなかったものが、一転してアイデアを生み出すようになります。

このブログには10年以上の読書メモがストックされており、これが私の財産になっています。連載記事を書くときも、キーワードをこのブログの検索ボックスに入れれば、欲しい情報がすぐに見つかるようになったので、文章を書くことが苦ではなくなりました。企画書や提案書を作成する際にも、このブログが強い味方になっています。

本を読む際にも、自分が欲しい情報を短時間で見つけられるようになりました。文章の要点を見分ける能力を身につけることで、生産性も上ります。たくさん読めば、読めるほど、多くのことを学べますし、結果、アイデアを生み出すための読書メモが増えていきます。

ツエッテルカステンとタッグを組めば、これまでは分けて考えられていた、あるいはまったく関係ないと思われていた複数の事実を、互いにつながりのある新しいアイデアに変えることができます。 私たちは何かを読むたびに、書き留める価値があるかないかを判断しています。永久保存版のメモを作成するたびに、その中のテキストのどの側面が、長期的な思考やアイデアの展開に関連すると考えられるかを判断しています。アイデアや情報がどう相互につながるかを常に明確にして、それを文字どおり、メモとメモのあいだのつながりに変換しています。

様々な本を選び、それらを読むことで、自分の可能性を広げられます。自分の苦手な分野や異なる意見を持つ著者の本を読み、著者との対話を重ねることで、コンフォートゾーンを抜け出せます。つながりの可能性のある情報をインプットし、それをメモにストックすることが、未来の自分に良いアイデアをもたらしてくれます。賢くメモをとり続けることで、アイデアが自然にやってくるようになるのです。

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この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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