多様なインプットが起業家に必要な理由


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シリコンバレー式 最高のイノベーション
スティーブン・S・ホフマン
ダイヤモンド社

本書の要約

イノベーターにはさまざまな知識と体験の積み重ねが欠かせません。アイデアは異なる要素を組み合わせることで生まれるのですから、知識や体験をインプットすることが重要なのです。未来を明るくしようと思えば、視野を広げ、多様な知識を吸収すべきです。

多様なインプットがイノベーターに欠かせぬ理由

トーマス・エジソンはかつて「発明には、優れた発想と山ほどのガラクタが必要だ」と言った。だから、視野を広げることが大切なのだ。役に立つガラクタで、頭と心を埋めてほしい。(スティーブン・S・ホフマン)

イノベーターにはさまざまな知識と体験の積み重ねが欠かせません。アイデアは異なる要素を組み合わせることで生まれるのですから、知識や体験をインプットすることが重要なのです。未来を明るくしようと思えば、視野を広げ、多様な知識を吸収すべきです。

天才と言われるテスラのイーロン・マスクも努力を重ねてきました。彼は子供の頃からいつも本を読み続けています。家の中に他に読むものがなくなってしまったために、ブリタニカ百科事典を読破したという逸話が残っているほどです。

マスクは新しいプロジェクトに飛び込む時、例えば人を火星に送る時、その分野のありとあらゆる本を読みまくり、大量な情報をインプットします。情報の中に文字どおり自分を埋め、アイデアの土台を築き、未来への道筋を作り始めるのです。彼は短期間でプロフェッショナルと同程度の知識を得ることで、チームとの対話の質を上げ、リーダーシップを発揮することで、テスラやスペースXを成功させたのです。

起業家はビジネス書を読むだけでなく、読書の幅を広げるべきです。アイデアのタネはさまざまな書籍の中に隠されているからです。科学雑誌から古典文学、ファンタジー小説、SF小説、歴史小説を読むことで、多様な視点で考えられるようになります。時には、哲学書を読むことで自分の頭で考えるという習慣を取り戻せます。

多様な情報源から新しいことを発見し、学ぶことで、多角的な視点で世界を見ることがビジネスパーソンにとって、とても重要なスキルになってきました。ネットで探せばすぐにわかることを遠回りな読書によって見つけるのです。書籍の中には、著者の思考のプロセスが書かれています。著者との対話によって、私たちの脳は活性化し、新たな繋がりが生まれます。今まで私は読書からいくつものアイデアを生み出してきたので、多様な読書を今後も心がけたいと思います。

多様な読書で創造性の土台を築け!

普段あまり関わりのない分野の情報が、じつは最も価値がある。自分が知らない情報だからだ。それが僕たちの心を開き、新しい考えのきっかけになり、創造性の土台になる。

著者はインプットの幅をできるだけ広げるようにすべきだと言います。自分の仕事と直接には関係ない他の無数のトピックが、ビジネスの考え方に良い影響を及ぼします。自分には馴染みのない分野の新しい本を読むことで、創造性の土台を築けるのです。

最もイノベーティブな研究論文を分析してみたところ、その大半には新しいアイデアが含まれていなかったことがわかりました。古いアイデアを取り込んで、新しい分野に掛け合わせることで、イノベーションが起こることを忘れてはいけません。

ある分野からアイデアを借りてきて別の分野に当てはめることで、イノベーションが生まれる。人間の歴史を科学革命以前から振り返ると、知識を高め視野を広めるために、人はずっとこれをやってきたことがわかる。イノベーションを起こしたければ、これよりいいやり方はない。

知らない場所に旅することも創造性を強化します。自由に探索し、街をさまよい、普通の人たちと話し、その文化を知る時、新しい考え方が自分の中に宿ります。他の国の文化への知的な理解と直感がーつになった時、ビジネスの新しいアイデアが生まれてくるのです。

世界の偉大な思想家は、他の文化から最良のアイデアを持ってきて、自分たちの文化に当てはめました。ギリシャの哲学者、ピタゴラスは古代エジプトからアイデアを借りることで、彼の名前を歴史に残しました。モネとゴッホは日本の浮世絵からひらめきを得たことは有名です。

自分の文化に没頭しすぎると、ものごとが見えなくなってしまいます。それを他者の視点を取り入れることで補うのです。別の文化に一歩足を踏み出すと、新鮮な目で人生を見つめ直せます。

自分たちの文化を超越した視点を持つことで、新しいつながりが生まれ、見過ごしてしまいがちなものが見えるようになります。 著者はチンギス・ハンが歴史上、最も偉大なイノベーターの1人だったと指摘します。ハンは新しいアイデアを実験し続け、世界を変えるような帝国を建設した賢い人物でした。

下層階級出身のハンにとって、出世のための唯一の方法はモンゴルの人々をーつにまとめることでした。彼は身分制度をなくし、実力主義を確立しました。彼は自分の弱みを強さに変え、一大帝国の土台を築いたのです。

ハンは闘いの戦術にイノベーションを起こしました。電光石火の攻撃を完成させ、退却するふりをして包囲攻撃を仕掛け、相手を惑わす心理戦を展開したのです。

自分が出会った工芸家や学者、宗教、発明をすべて吸収し、モンゴルの社会構造の中に組み入れましtた。身に付けた知識と才能を使って、 大きく広がる帝国を管理し成長させたのです。結果、モンゴルは、中国だけでなく中央アジア、ロシア、中東、インド、一部ヨーロッパの広大な領土を統治できるようになりました。

居心地のいい場所を出て、未知の世界を体験することがあなたの未来を明るくします。今まで手に取ったことのない本を読んだり、話したことのない人と積極的にコミュニケーションを取るのです。

あなたの頭と心を新しい体験に開く方法はいくつもある。そのすべてがいいことだ。いつものやり方を抜け出して、全く違う何かをやってみるべきだ。それが、人と違う生き方、考え方につながる。多様なチームを作るだけでは十分ではない。あなたの頭と心を多様化しなければならない。人と違うたくさんの新しいアイデアを、頭の中でいつも弾ませていなければならない。こうしたアイデアが合体してどんな新しい考えを生み出すかが、イノベーションのカギになる。

世界は絶えず変化します。今までの知識や体験はあっという間に古いものになります。最近、私は大学の客員教授になりましたが、若者との時間を増やすことで、私の中に大きな変化が起きました。彼らが使うテクノロジーを試したり、今のトレンドは何かを質問することで、今まで見えなかったことが見えてきます。いつもとは異なることをやり、違うタイプの人と会うことに時間を費やしましょう。

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この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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