スラッシュ型のマルチ・ポテンシャライトとは何か?

「スラッシュ・アプローチ」は、「ポートフォリオ・キャリア」とも呼ばれる。パートタイムの仕事やビジネスをいくつか掛け持ちし、その間を日常的に飛び回っていることをいう。(エミリー・ワプニック)


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スラッシュタイプ型のマルチ・ポテンシャライトとは何か?

私は以前は広告会社のサラリーマンとして働いていましたが、そのときの肩書きは当たり前ですがたった一つでした。8年前に念願の書籍の出版が決まり、自分の肩書きに「著者」が加わりました。その後、年々、私の働き方は変わり、複数の肩書きで働くようになり、今では自分の肩書きについて語ることが難しくなってきました。好きなことを仕事にするうちに肩書きが増え、相手に自分をどう表現すればいいのかで悩むようになっていたのです。

しかし、エミリー・ワプニックマルチ・ポテンシャライト 好きなことを次々と仕事にして、一生食っていく方法を読んでから、自分を「マルチ・ポテンシャライト」と呼ぶことにしました。エミリーは私のような複数の仕事を楽しみながら、収入を得ている人をマルチ・ポテンシャライトとネーミングしています。今までのように、スペシャリストとして一つの仕事に専念するのもよいのですが、複数の仕事を掛け持ちするマルチ・ポテンシャライトという新しい生き方も選択肢にするのもありだと思います。この楽しい働き方にもっと光を当てることで、多くの人の働き方が変わり、世の中が豊かになるはずです。

マルチ・ポテンシャライトは3つの言葉からの造語で、さまざまなことに関心を持ち、いろいろな仕事で活躍する人たちのことを指しています。
■MULTI 多数の
■POTENTIAL 潜在的な能力
■ITE ○○と言う人

複数の仕事で稼ぐスラッシュ型のマルチ・ポテンシャライトは、自分の職業を語るときにスラッシュを使って、自分を説明します。私はまさにスラッシュ・ワークモデルの実践者で、スラッシュで分けられたそれぞれの仕事(スラッシュキャリア)に情熱を持っています。今、現在の私の肩書きをスラッシュで表現すれば、こんな感じになりますが、これは自分の興味・関心領域が変われば、今後も変化していくはずです。

ブロガー/書評家/コネクター/コーチ/社外取締役/ベンチャー支援家/マーケター

好きなことを仕事にしてから、私の肩書きは絶えず進化し、年々増えています。

私のようなスラッシュ型のマルチ ・ポテンシャライトは、たいてい2~5個の仕事を掛け持ちしています。それぞれの仕事から得られる「お金」と「意義」の大きさは異なりますが、バランスは取れています。タイプの違う仕事を行き来することで、私は仕事を楽しみ、お金を稼いでいます。以前は広告やマーケティングのスペシャリストでしたが、今は複数の異なる仕事を行き来しながら、自分の時間をエンジョイしています。

エミリー・ワプニックは、スラッシュ・キャリアで成功するための条件に触れています。

スラッシュ・キャリアで成功し続けるには、自発的で自立心がないといけない。自分でスケジュール管理をする必要があるし、世の中のみんなが行く道を進んで外れ、自分で定めた基準やスケジュールを忠実に守らなくてはならない。あなたが自由に行動したいタイプで、時間のやりくりも得意なら、スラッシングがぴったりかもしれない。でも、いつ何をすべきか指示されたほうがうまくいくなら、別のワークモデルのほうが向いているだろう。スラッシュ型キャリアリストは、従来型の雇用を嫌がり、権威を嫌うことも多い。

私は様々な業種の人と付き合うことで、自分の価値を再認識しました。マーケティングだけでなく、コーチングや人脈をつなげるなどの起業家支援が得意だと気づけたのです。積極的に人に会いに行き、アイデアを生み出し、アドバイスするうちにビジネス領域がどんどん広がっていきました。

 

スラッシュキャリアで成功する方法

いくつかの好きな仕事を掛け合わせて、スラッシュキャリアで成功したいなら、次の4つの質問をするとよいと著者のエミリーは指摘します。

●これらのスラッシュは互いに異なっていて、それぞれのスラッシュが人生にユニークな何かを足してくれる?
●これらのスラッシュは私に、十分な(でも、過度ではない)多様性を提供してくれる?
●これらのスラッシュを組み合わせると、経済的な目標にかなつ収入を確保できる?

●このスラッシュの組み合わせは、私の完ぺきな1日にマッチしている?

豊かなスラッシュ・キャリアに変えるためには、いろいろな体験が欠かせません。好きなことでも、働く意義がなければ、世の中には貢献できません。すぐに飽きてしまうことが特徴のマルチ・ポテンシャライトには多様性も求められます。お金が稼げることを選ばなければ、生活は豊かになりません。

ただ、悩んでいても始まりませんから、自分のやりたいことをリストに書き出し、はじめてみましょう。自分の人生を正しい方向にするためには、自分自身や自分の目標について知ることはとても重要です。私が著者になり、その後の人生を変えることもできたのも、自分の夢リストを書き出し、著者になるための行動を起こしたからです。

マルチ・ポテンシャライトは、自分の好きなパートタイムの仕事を掛け合わせ、稼ぐことですから、実験はすぐにスタートできます。エミリーは以下の3つの行動を起こせば、マルチ・ポテンシャライトをスタートできるとアドバイスしています。

●自分のネットワーク(友達、家族、先生、同僚など)の中で、あるスラッシュを始めるのに役立つ手がかりやつながりを持っていそうな人たちに、連絡を取る。
●あるビジネスアイデアが市場で受け入れられるかをリサーチする。この商品/サービスに対するニーズはあるか?ターゲットは誰なのか?
●検討中のスラッシュに携わっている誰かにメールを送り、質問に快く答えてくれるかどうかを確認する。

私にとって、多様なパートタイムは理想の働き方でした。スラッシュで分類された仕事はどれも魅力的で、チャレンジしたかったものです。どのスラッシュからも自分らしさを感じられ、楽しめるものばかりです。私にとって、一つの仕事を選ぶよりも、マルチ・ポテンシャライトになる方が良い選択だったのです。

単調な仕事にさよならすることで、燃え尽きたり、退屈することがなくなりました。スケジュールも融通がきき、自分のやりたいことに時間を費やせます。たくさんのスラッシュに飛び込むことで、私は自分の人生の可能性を広げられたのです。

まとめ

スペシャリストではなく、パートタイムの仕事をいくつか組み合わせるスラッシュ型のマルチ・ポテンシャライトという働き方が注目を浴びています。複数の好きな仕事を選択することで、単調な生き方にさよならでき、自分の可能性を試せます。パートタイムで自分のやりたいことにいくつもチャレンジし、複数の収入を得ながら、豊かになる方法を選べる時代に私たちは生きているのです。

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この記事を書いた人
徳本

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数
iU 情報経営イノベーション専門職大学 特任教授 

■著書
「最強Appleフレームワーク」(時事通信)
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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