マイケル・A・ロベルトのUnlocking Creativity―チームの創造力を解き放つ最強の戦略の書評


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Unlocking Creativity―チームの創造力を解き放つ最強の戦略
著者:マイケル・A・ロベルト
出版社:東洋経済新報社

本書の要約

リーダーは、過程、基準、予測、構造、集中、反論に関する6つの思い込みをなくすことで、クリエイティブなチームを作れます。ライバル企業の真似をするだけでなく、他の業種のプロダクトを自社に適応し、異なるターゲットを設定することで、新たなマーケットを創造できるのです。

創造力の発揮を妨げる6つの思い込み

問題は人ではなく人が置かれている状況にあるとリーダーが認識すれば、社内で創造力の発揮を邪魔している真の障害を特定し、それを取り除くことができる。(マイケル・A・ロベルト)

生まれつき創造力の高い人はいないとブライアント大学の経営学教授のマイケル・A・ロベルトは言います。多くのリーダーは、以下の6つの思い込みによって、創造力を発揮できずにいます。リーダーはこの思い込みをなくすことで、クリエイティブな存在になれます。リーダーはアイデアの道筋を示せばよく、あとはチームの力を信頼すればよいのです。

創造力の発揮を妨げる6つの思い込み
(1)過程に関する思い込み:「計画どおりにやること」が目的化していないか?
直線的に物事を進めてはいけません。アイデアは試行錯誤を通じて、生まれるのですから、失敗を許容しましょう。アイデアが生まれたら、小さなトライを繰り返し、批判的フィードバックから正しい答えを探すべきです。

(2)基準に関する思い込み:特定のライバル企業との比較ばかりしていないか?
ライバル企業を模倣しすぎることで、独自路線が取れなくなります。

(3)予測に関する思い込み:アイデアの段階で精緻な利益予想を求めていないか?
未来がわかると過信することで、創造力を抑制します。未来の楽観的な予測を捨て、今日も明日も顧客を喜ばせることに注力するのです。ジョー・コロンビーのトレーダー・ジョーズの顧客体験を参考に、自社でできることを考えましょう。

(4)構造に関する思い込み:組織構造を変えれば解決すると思っていないか?
組織をいじれば創造力を発揮できるわけではありません。組織を繰り返し変える効能には限界があります。リーダーは新しいアイデアや厳しい指摘を歓迎する姿勢を示す必要があります。

(5)集中に関する思い込み:集中して考えればアイデアが湧くと信じ込んでいないか?
集中できる環境だけでは、クリエイティブにはなれません。クリエイティブな発想は集中している状態とそうでない状態を行ったり来たりすることで生まれます。

(6)反論に関する思い込み:とりあえず反論を出せば議論が活性化すると思っていないか?
新しいアイデアに異議を唱え、意見の相違や議論を促進する役回りがチームには必要です。創造力を抑え込むのではなく、高めるために異議や反対意見を前向きに取りまとめるようにすべきです。どうすれば実現できるか?を問う反論役がいる会社から、よいアイデアが生まれます。

リーダーは部下や社員を信頼し、彼らの障害となるものを取り除くことです。自らアイデアを出すのではなく、6つの障害を取り除けば、大胆で独創的なアイデアが生まれるようになります。リーダーは部下に共感し、失敗を許す教師のように振舞うべきだという著者のメッセージが響きました。

成功したければ、群れるのをやめ、基準を変えよう!

群れからはぐれるのは勇気がいる。

多くの企業はライバルを模倣し、オリジナリティを失います。では、基準に関する思い込みを、どうすれば逃れられるのでしょうか?まず、直接のライバルを真似するのはやめ、他の業界の人から学ぶようにするのです。自社と共通点のある業界を探し、顧客の行動と関連性について考えてみるのです。自社製品とよく似た特徴、技術、同じような使われた方をされる製品を見つけ、そこからインスピレーションを得るのです。他の分野から学んだアイデアを使えるもの、使えないものに分け、それをどう適用できるか考えてみましょう。

ニューハンプシャーのプラネットフィットネスは、他のスポーツジムとは距離を置き、スクワットラックやベンチプレスはありません。ランニングマシーンやエアロバイクなどの器具しかなく、他スポーツジムとは一線を画しています。彼らは運動をしないことを選ぶ人がいる可能性に気づいたのです。自由になる時間があれば、人は映画を観ることも食事に出かけることもできます。プラネットフィットネスは、同業他社に登録している顧客を奪おうとは考えずに、フィットネスクラブで運動しないことが当たり前の人々を選んだのです。

そして、「そういう人はなぜフィットネスクラブに行かないのか。暇な時間にどんなことをしているのか?」と自問し、筋トレマニアをターゲットにすることをやめたのです。彼らは運動に対して尻込みしない空気を作ることで、体を動かさない人たちを顧客にすることに成功したのです。今や全米に1500以上のショップを開き、1000万人以上の会員を有しています。企業に必要なのは直接的なライバルではなく、自分たちと競合し、とって変わるものを意識すべきです。

プラネットフィットネスは映画館を競合と考え、厳しくないスポーツクラブというコンセプトで、勝利を得たのです。彼らは競合という基準を変えることで、成功を手に入れました。特定のライバル企業との比較や模倣をやめ、違う基準を設けて、顧客を喜ばすことを考えましょう!

この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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