幸福についての小さな書(ミカエル・ダレーン)の書評

heart-shaped black stone on green grass
幸福についての小さな書
ミカエル・ダレーン
サンマーク出版

本書の要約

私たちの考え方、感じ方、気分や行動に関係するすべての物事が、明らかに幸福と関係しています。幸福は長続きせず、訪れては去っていくものですが、本書のノウハウを活用することで、幸福な時間を増やせます。周りの人や自分の健康に感謝の気持ちを持つことで、私たちは幸福になれるのです。

幸福な人はよりよい人生を送れる!

あなたの考え方、感じ方、気分や行動に関係するすべての物事が、明らかに幸福と関係している。(ミカエル・ダレーン)

幸福度が高い国として有名なスウェーデン。一方、日本の幸福度の数字は低くなっています。この違いはどこから生まれるのでしょうか?ストックホルム商科大学経営戦略およびマーケティング学部教授のミカエル・ダレーンは、幸福感にはいくつかのノウハウがあることを明らかにしています。私たちはこのノウハウを活用することで、スウェーデン人のように幸福度をアップできるのです。

研究によると、幸福な人は創造性が高いことがわかっています。幸福かどうかは恋愛やスポーツ、学業、キャリアでの成功、それに裁判での勝負をも左右すると立証した研究者もいます。 幸福な人は様々なことで成功できるというのです。

著者が数千人のスウェーデン人を対象におこなった研究では、人は幸福の尺度を聞かれると金曜日により高い数字を丸で囲むことが明らかになりました。人はまもなく始まる休日を楽しみにしているのです。数百万のツイートや中国のウェイボーを分析しても、同じような傾向が見られます。

人々が一番幸福感を示すのは、期待値が上がる金曜日です。そして休日が始まると、その幸福カーブはゆっくりと下降していきます。私たちが最も幸福なのは、「平日は忙しくてできないこと」ができる休日ではなく、それをしようと考えている休日の前の日なのです。 

私はこの考え方を応用し、平日の夜に翌日のタスクを楽しいことと捉えるようにしました。日々の出来事をポジティブにイメージすることで、幸福度は確実にアップします。翌日のネガティブなことにフォーカスするのではなく、ポジティブなことを見つけ、それを楽しむようにするのです。

感謝日記が幸福度を高めてくれる!

著者は、朝と夕方にスウェーデン人の幸福度を計測しました。ほとんどの人は、起きたときと寝るときで幸福度に多少の差があることが分かりました。それぞれの差異を説明する一番簡単な方法は、日中にどれだけ多くのプラス(嬉しくなった)とマイナス(嬉しくなかった)の行動を取ったかを合計することです。幸せになりたければ、日中に自分が嬉しくなることを見つけてお祝いし、プラスの回数を増やせばよいのです。

どんな楽しい時間であれ、それが長くは続かないことは誰しもわかっている。いろいろな出来事を祝う利点は、そんな楽しいひとときが過ぎ去ってしまう寂しさを、「目の前の楽しい出来事をしっかり認識し、全力で楽しもう」という前向きな気持ちに置き換えられることだ。

小さな幸せなタネを見つけ、それを祝福することで、人は幸せになれるのです。

未来または過去の旅行、未来または過去のディナーやデートなど、自分を幸せにしてくれることは、現在より良く見えます。過去の楽しい出来事を何度も楽しむことで、幸福度がアップします。私は休日の夕方、iPhoneの写真アプリで過去の家族との旅行や食事などのイベントを再体験します。時間をさかのぼって、家族との思い出を楽しむことで、確かに幸福な気持ちになれます。

感謝の気持ちをきちんと言葉で表現することも幸福度を高めてくれます。感謝日記をつけて、1日の終わりに感謝していることを書き留めるのもいいと著者は指摘します。感謝日記を1、2週間続けるだけで、幸福度の数字がやや高くなり、ストレスを前ほど感じなくなり、よく眠れるようになったり気分が良くなったりしたといいます。

私は感謝日記を習慣にしていますが、4年前に日記をつけ始めてから、幸福度が確実にアップしています。感謝日記をつけることで、自分自身や周りの人に注意を払い、感謝の気持ちを持つことで、幸せな時間を増やせます。感謝していることを思い浮かべる実験では、心拍数が少し上がり、ささやかな幸福感を覚えたときと同じ身体反応を示すことが判明しています。

誰かに親切にしてもらったときに、あるいは、その人が自分の人生に関わっているということがわかれば、「ありがとう」の言葉を伝えましょう。「ありがとう」と言った人も言われた人も、その一日、いつもよりちょっと気分よく過ごせることが証明されています。

幸福を長時間維持することは難しいと考えましょう。幸福は訪れては去っていくものです。しかし、本書のノウハウを活用すれば、身近な幸福のタネに気付けます。周りの人や自分の健康に感謝の気持ちを持つことで、私たちは幸福になれるのです。

ブロガー・ビジネスプロデューサーの徳本昌大の5冊目のiPhoneアプリ習慣術がKindle Unlimitedで読み放題です!ぜひ、ご一読ください。

 

 

 

 

 

この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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