Z世代に学ぶ超バズテク図鑑(原田曜平)の書評

person holding black android smartphone
Z世代に学ぶ超バズテク図鑑
原田曜平
PHP研究所

本書の要約

Z世代は広告をウザイと考え、スルーしがちなため、SNSマーケティングに注力する必要があります。企業のマーケティグ担当者はSNSでコンテンツを発信し、バズる仕掛けを考えなければなりません。そのためには、Z世代のインサイトとメディアの特性をしっかりと押さえ、正しい情報設計をする必要があります。

今こそSNSを活用すべき理由

「人生100年時代」が謳われているとはいえ、現実を見れば、支障なく日常生活が送れる期間を示す健康寿命は、男性72歳、女性74歳とされています。そして団塊世代が後期高齢者になるのが、2025年。これが意味するのは、テレビや新聞、雑誌といったオールドメディアを支えていた世代が、ついに消費から離脱していく(=広告主にとって 魅力的な消費者ではなくなると同時に、テレビにとっても魅力的な視聴者ではなくなる)ということです。そうなれば、「テレビからネットへ」という変化は決定的なものになる。原田曜平)

インターネットが成長する中で、マスメディアの凋落が続いています。団塊世代が後期高齢者になり、購買パワーが落ちる数年後には、主要メディアはテレビからネットにどんどんシフトします。

野村総合研究所「生活者一万人アンケート調査」のネットショッピングの利用率によると、20~30代は8割に迫ろうとしていますし、50代でさえ過半数を超えています。情報収集や購買がインターネット中心になる中、情報発信のやり方を変えなければ、自社のブランド価値を毀損させてしまいます。

Z世代はSNSや検索で情報週することが当たり前になり、マスメディアはほとんど見られていません。私は大学でビジネスフレームワークを教えていますが、Z世代の学生と接しているとマスメディアの影響力がほぼなくなっていることを実感しています。

Z世代は広告をウザイと考え、しぐにスルーしています。実際、YouTubeの冒頭の広告すらウザイと教え子たちは話します。企業のマーケティング担当者は、このZ世代の特性をしっかりと把握し、SNSマーケティングに注力する必要があります。

逆にバズるコンテンツには、気軽に話題にできる「トーカブル・ポイント」があります。

バズるコンテンツには、つい人に話したくなったり、SNS上でついシェアしたくなったりするような面白さがあります。「あれ、見た?」と気軽に話題にできる、わかりやすさのこと。それを「トーカブル・ポイント」と呼びましょう。

誰かに話したくなるトーカブル・ポイントなしでは、ウェブマーケティングの成功は難しくなっています。  このトーカブル・ポイントのアイデアを作り出すことで、企業とZ世代の距離が近づきます。

SNSの特性やこのトーカブル・ポイントを押さえることで、中小企業でも大企業と戦えるようになります。誰もが低予算で情報発信できるようになったのですから、SNSでの情報発信を積極的に行うようにしましょう。

SNSの動画マーケティングに必要なこと

代表的な動画プラットフォームは、やはりYouTube。そして短い動画 なら、TikTokです。しかし、動画はYouTubeやTikTok以外にも、あらゆるところに広がっています。大手ウェブサイトのトップ画面や、ツイッターやインスタグラムといったSNSのタイムラインにも動画広告が頻繁に流れています。

SNSでは動画コンテンツが全盛になり、多くの企業が動画コンテンツを発信しています。しかし、多くの企業は、テレビCM時代の固定観念にとらわれた動画を制作しています。

著者は、テレビに最適化されたCMをそのままスマホに流しても意味がないと指摘します。テレビ、YouTube、ツイッター、インスタグラムはそれぞれ媒体ごとに特徴が異なるのですから、そのメディアの特性ごとにクリエイティブを変更すべきです。

以前のマス広告のような「1toAII」のコミュニケーションの考え方を捨て、「1to1」のコミュニケーションを意識すべきです。SNSのコミュニケーションでは各セグメントにどのようなニーズがあるかを考え、それらのインサイトに対して響くような訴求を複数展開していきます。

その際、各メディアとの親和性が高いフォーマットや編集をしていく必要があります。例えば、TikTokはZ世代の約8割が音を出して視聴しているのに対して、フェイスブックだと約9割が「無音」で視聴しています。

■バズる動画の共通点
①1.7秒以内にインパクトを残す。
動画広告を見ていると、「最後の最後まで結論を言わない」演出もよく見られます。そういった動画はスキップされてしまう可能性が高いです。商品に関する情報やブランドメッセージを伝えるのは、冒頭でインパクトを与えた後に見せるようにしましょう。

②画角を最大限に使う。

③リズムを意識する。

ツイッターやフェイスブックにアップする動画について、ユーザーの認知度を調査すると6~10秒の動画が最も数値が高いことがわかっています。SNSの動画広告は「時短」を意識した方がよさそうです。

情報が溢れる中、ウザイ広告はあっという間にスルーされてしまいます。自社のコンテンツをバズらせるためにはZ世代のインサイトとメディアの特性をしっかりと押さえ、正しい情報設計をする必要があります。本書には「Z世代のインサイトを理解し、SNSで拡げる」マーケティングメソッドが多数紹介されています。Twitter、Instagram、TikTok、YouTubeのケーススタディをヒントにし、自社らしい情報発信を心がけましょう。



この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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