速読と遅読を使い分ける理由。百冊で耕す〈自由に、なる〉ための読書術の書評

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百冊で耕す〈自由に、なる〉ための読書術
近藤康太郎
CCCメディアハウス

本書の要約

現代社会においても、遅読を取り入れることで、自分自身を見つめ直す時間を持つことができます。遅読を通じて、文章の構造や表現技法を読み取り、著者が伝えたいメッセージを深く理解することができます。課題解決のための速読と遅読を使い分け、自己成長や情報処理の効率化に役立てましょう。

速読と遅読を使い分けよう!

世には速読術に関する書籍があふれ、講座も花盛りだ。これはなにを意味するかというと、情報処理能力を競っているのだ。どれだけ短時間に大量の文章を読むか。演算のスピードを競う。人間が、機械に成り下がっている。そんな時代に「ゆっくり読む」というのは最高のぜいたくであるし、なによりだれもしていないことだ。だれもしていないとは、つまり、〈価値を生む〉ということでもある。(近藤康太郎)

現代社会では、情報処理能力がますます重要視されるようになり、速読術が注目を集めています。私もコンサルタントとして読書をする際には、この速読を実践しています。課題解決のために、同じ系統のビジネス書を何冊も読みます。キーワードを設定して、目的を達成するために、短時間で本を読み続けます。

しかし、速読競争によって、人間は機械化され、情報をただ処理する機械に成り下がっているという問題があります。このような時代に、ゆっくり読むことは、最高の贅沢であり、誰もが実践していないことです。それゆえ、ゆっくり読むことは、〈価値を生む〉ことにもつながると著者は指摘します。

私も古典や小説を読むときには、遅読を徹底します。これは、自分自身と著者との対話を楽しむために必要なことです。小説や古典には、物語の奥深さや著者の思いが込められており、遅読をすることで、深い理解や感情移入ができるようになります。自分自身が物語の主人公となって、物語に没入し、自分自身を物語の中に置き換えることができます。その結果、読書がより一層豊かな体験となり、自分自身の成長につながることができます。

また、ゆっくり読むことは、時間に余裕を持つことで、自己研鑽につながります。遅読によって、自分自身の考えや価値観を深め、自己成長を促すことができます。また、情報過多の現代社会において、自分自身を落ち着かせるための時間として、ゆっくりとした読書は重要な役割を果たしています。

速読と遅読は、それぞれ異なる意味を持っています。速読は、短時間で多くの情報を処理するためのテクニックである一方、ゆっくり読むことは、深い洞察力や思考力を養い、自己研鑽につながるという重要な役割を果たしているのです。

現代社会において、速読と遅読はそれぞれ重要な役割を持っています。忙しい時代には、贅沢な時間を遅読に使うことでリラックスすることができます。遅読を通じて、著者が紡いだ言葉をゆっくり味わい、優れた作品との対話を楽しむことができます。

速読は仕事や学習などで多くの文書を短時間で読み取ることができ、より多くの情報を効率的に処理することができます。速読には、全体像を俯瞰するスキャニングや重要な部分を効率的に読み取るスキミングなどの技術があります。 読書は、自己成長につながる貴重な機会であり、自己理解の鍵ともなります。

遅読を取り入れることで、自分自身を見つめ直す時間を持つことができます。遅読を通じて、文章の構造や表現技法を読み取り、著者が伝えたいメッセージを深く理解することができます。速読と遅読を使い分け、自己成長や情報処理の効率化に役立てましょう。

抜き書き帳として書評ブログを活用することで、私が得られたこと

抜き書き帳は、再読して楽しいというだけではない。想像していなかった「御利益」もある。その1。自分が分かる。自分がどういうものを美しいと思うか。正しいと思うか。善きことと思うのか。はじめて、自分の性情が見えてくる。自分の〈骨〉が分かってくる。その2。自分が変わる。「きみはきみのままでいい」わけが、あるはずない。なにかしらいまの自分に満足していない。変わりたい。そういう内的な渇望のある人こそ、本を読む。

抜き書き帳を使うことには、再読して楽しいというだけでなく、想像していなかった「御利益」を得られると著者は指摘します。

①自分自身を理解できる。
自分がどういうものを美しいと感じるか、正しいと思うか、善いと思うのか、自分自身が初めて見えてくるのです。自分の本質が分かるため、自分自身の「骨」が理解できるようになります。

②変化できる
抜き書き帳をつけることで、自分自身が変わることができます。誰でも自分に対して何かしら不満があるはずです。自分自身を変えたいと思っている人こそ、抜き書き帳が役立ちます。

本から抜き出した言葉やフレーズを自分なりに整理し、自分自身の気持ちや思考を整理することができます。それによって、自分自身の変化を促すことができます。 抜き書き帳は、単なるメモ帳として使うだけではなく、自分自身の成長に役立てることができるツールなのです。

書評ブログを抜き書き帳として活用することによって、著者の言葉に自分なりの感想や意見を加え、自分自身を見つめ直すことができます。また、将来の自分が目指すべき理想像を見出すことができ、自己成長につながります。複数の本を記録することで、自分自身と著者との対話を繰り返し、より高い自分を目指せることが大きなメリットです。自分自身の考えや行動について深く考え、自己理解を深めることができます。

そして抜き書きをしていると、あきらかに自分が変わってくる。自分が「分かる」からである。自分のことがよく分かってくるからこそ、自分の足りないところに、渇きが生じる。 自分が分かる→自分が変わる→自分が、深く分かる。

書評ブログは、本を読んでいるうちに浮かんできた自分の感想や考えを記録するだけでなく、それを何度も読み直すことで自分の内面に深く刻み込まれます。著者が伝えたかったメッセージや意図を理解することで、自分自身の価値観や信念を再確認することができます。

また、書評ブログを通じて、自分と同じ本を読んだ人たちとのコミュニケーションが生まれ、新しい視点やアイデアを得ることもできます。書評ブログは、自己成長につながる貴重なツールであり、自分自身の成長につながるものと言えます。何年も前に書いた記事から自分の成長にも気づけますし、足りていないことも確認できます。

書評ブログを抜き書き帳として活用することで、著者の言葉が自分の中でつながり、新たなアイデアや解決策が生まれることもあります。記事に書かれた情報を自分の中で整理し、自分のビジネスや人生に活かすことができます。また、他の読者との意見交換やディスカッションを通じて、さらに深い洞察や知見を得ることができます。

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この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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