BUILD 真に価値あるものをつくる型破りなガイドブック
トニー・ファデル
早川書房
本書の要約
様々なメンバーを巻き込み、組織をグロースためには、起業家がパーパスを明らかにする必要があります。その上でCEOは自分にしかできない役割を担うべきです。CXOなは組織全体の方向性を示し、メンバーたちを導く存在です。個々の能力やバックグラウンドを考慮し、組織全体が目指すべき目標を示すことが求められます。
チームにコミュニケーションが必要な理由
どんなプロジェクトであろうと、さまざまな要素を整えておかなければ成功の見込みはない。営業、マーケティング、プロダクトマネジメント、広報、パートナーシップ、財務。どれもエンジニアには異質で不可解だが、とてつもなく重要な、ときには事業の成否を握る要素だ。(トニー・ファデル)
トニー・ファデルのBUILD 真に価値あるものをつくる型破りなガイドブックの書評ブログを続けます。ビジネスを成功させたければ、適切なチームをつくることが重要です。著者はエンジニア出身の起業家が失敗を繰り返す中で、他部門との連携が成功の秘訣であることに気づきます。
エンジニアという職業は他の職種とは異なる特徴を持っています。エンジニアは高い技術力が求められるため、他のエンジニアにしか信用されない傾向があります。これは、財務担当者が財務チームのスタッフにしか信用を置かないのと似ています。人々は自分と同じような考え方や専門知識を持つ人々と一緒に仕事をしたがります。
そのため、エンジニアは営業やマーケティング、クリエイティブなど、技術力に比べて異なるスキルや専門知識が必要とされる部門で働いている人を避ける傾向があります。エンジニアは数値やデータに基づいた論理的な議論を好み、オタク的な興味や専門知識に対して高い関心を持っています。彼らは他の部門の人々とのコミュニケーションが難しく感じられることもあります。
同様に、マーケティングや営業、クリエイティブチームの人々もエンジニアとのコミュニケーションを避ける傾向があります。エンジニアは数字の話や論理的な議論が多く、はっきりとした意見を持つことが多いため、他の部門の人々にとっては理解しづらい存在となってしまうこともあります。また、エンジニアの中にはオタク的な趣味や興味を持つ人が多く、そのような独特な雰囲気になじめない人もいるかもしれません。
様々なメンバーを巻き込み、組織をグロースためには、起業家がパーパスを明らかにする必要があります。
どうすればあなたの情熱をチームに伝え、彼らのモチベーションを高められるだろうか。 その答えはやはりコミュニケーションに尽きる。チームに「なぜ(Why)」を説明しなければならない。なぜ自分はこんなにアツくなっているのか。なぜこのミッションにそれほど意味があるのか。みんながどうでもいいと思っているこのささやかなディテールに、なぜ自分はこれほど真剣になるのか。理由もなく風車に闘いを挑むドン・キホーテについていこうと思う人はいない。みんなに一緒に闘ってほしい、本物のチームになりたい、自分の中で沸き立っているエネルギーや意欲を部下にも注入したい。そう思うなら、理由を説明しなければならない。
また、パーパスの共有に加えて、「何を(What)」の要素を考慮することも必要です。部下が仕事に対して評価され、幸せを感じるためには、以下の要素を考慮することが重要です。
・成果と報酬
部下が目標を達成し、成果を上げた場合には適切な報酬を与えることが重要です。昇給や昇進の機会を提供することで、彼らの成長とモチベーションを促進しましょう。
・部下への評価
部下が自分の仕事が評価されていると感じることは重要です。定期的なフィードバックや評価の機会を設け、彼らの成果や取り組みを認めることで、モチベーションを高めましょう。
・成長と学習の機会
部下が自身のスキルや能力を向上させるための機会を提供することも重要です。トレーニングプログラムや学習リソースを提供し、彼らの成長を支援しましょう。
・働きやすい環境
部下が職場で幸せを感じるためには、働きやすい環境を整えることも重要です。
・チームの協力と文化
部下がチームとして協力し、共有の目標に向かって働くことも重要です。良好なコミュニケーションや協力関係を促進し、チーム文化を育みましょう。
部下の成長と成功に貢献するためには、自分が担当してきた仕事を他の人に任せることに抵抗を感じることもあるかもしれません。自分一人では成功できないというマインドを持たなければ、企業をグロースさせるのは難しいのです。
個々のメンバーが自身の能力を最大限に発揮できる環境を提供することで、リーダーも驚くような成果を生み出すことができます。部下の成長をサポートし、チーム全体の成功に貢献することを心掛けましょう。
CEOはCEOの役割を担おう!
あなたがマネージャー、リーダー、あるいはCEOなら、マネージャー、リーダー、あるいはCEOの仕事をするべきだ。個人として日々結果を出すことに誇りを感じるのではなく、部下の成果に誇りを持つようにする。
CXOなどのリーダーの役割は、メンバーが最大限のパフォーマンスを発揮できるようにサポートし、彼らの成長を促進することです。リーダーシップの一環として、組織全体が同じ方向に進むための道筋を示すことも重要です。
マネージャーとCXOの仕事は異なります。マネージャーは組織自体の管理や指導を行い、部下たちの仕事やタスクを具体的に指示します。組織のビジョンや目標を理解し、それに沿って部下たちを導くことが求められます。適切な人員配置や業務の割り当てを行い、メンバーが成果を上げられるように支援します。また、リスクを最小限に抑え、トラブルを回避・対処することもマネージャーの役割です。
一方、CXOなどのリーダーは組織全体の方向性を示し、メンバーたちを導く存在です。個々の能力やバックグラウンドを考慮し、組織全体が目指すべき目標を示すことが求められます。リーダーは長期的な視点を持ち、大きな目標に向かって進むモチベーションを持ち続けます。リーダーとしての自覚を持ち、言葉だけでなく実行力も持って行動すべきです。
特にCEOは、組織全体を統括し、ビジョンの実現に向けて戦略を立てることが役割になります。CEOは組織のトップとして、経営方針や戦略を決定し、それを実行に移す責任を持ちます。組織の成果や業績を追跡し、組織全体の成功に対して責任を持つことが求められます。
マネージャー、リーダー、あるいはCEOとしての役割は、個人の成果だけでなく、部下や組織全体の成果に誇りを持つことが重要です。組織を成功に導くためには、メンバーの成長を促進し、彼らのパフォーマンスを最大限に引き出すことが必要です。マネージャーやリーダーとしての役割を適切に果たすことで、組織全体の成功を実現することができるのです。
CEOの役割は多岐にわたり、長期的な経営方針の決定やビジョンの策定など、組織全体の成長と発展を担当します。
・ビジョンと戦略の策定
CEOは将来のビジョンを見据え、組織の目標や方向性を明確にする役割を果たします。市場や競合状況を分析し、最適な戦略を立てることで、組織の成長を促進します。
・リーダーシップと組織文化の形成
CEOは組織全体を引っ張るリーダーとしての役割を果たします。組織文化の形成や従業員のモチベーション向上に努め、組織の一体感とパフォーマンスを高めます。
・外部との関係構築
CEOは外部のステークホルダーとの関係構築も重要な役割です。株主や投資家、取引先、政府機関などとのコミュニケーションを通じて、企業の信頼性や影響力を高めます。
・リスク管理と経営判断
CEOは市場や業界のリスクを把握し、適切な経営判断を行う必要があります。意思決定能力や問題解決能力を駆使し、組織の成長と安定性を確保します。
・組織の成果の評価と報告: CEOは組織の成果やパフォーマンスを評価し、株主や取締役会への報告を行います。経営指標や財務報告書を通じて、組織の健全性や成長の状況を示します。
CEOとしての役割は非常に重要であり、組織全体の成功に大きく貢献します。高いリーダーシップと戦略的な思考を持ちながら、組織のビジョン実現のために努力する必要があります。また、組織内外のステークホルダーとの関係構築やリスク管理なども重要な役割になります。CEOはメンバーにパーパスやビジョンを示し、それを実現するための文化、戦略、組織をつくるべきです。
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