まっすぐ考える 考えた瞬間、最良の答えだけに向かう頭づくり(ダリウス・フォルー)の書評

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まっすぐ考える 考えた瞬間、最良の答えだけに向かう頭づくり
ダリウス・フォルー
サンマーク出版

まっすぐ考える(ダリウス・フォルー)の要約

自分の思考をコントロールすることが成功への鍵であり、自己成長や目標を達成するためにはポジティブな思考力と正しい意思決定が不可欠です。思考を意識して選ぶことと、自分のコントロールできる範囲に注力することが、ストレスを減らし充実した人生を実現する基本です。

自分の思考をコントロールすることが成功の秘訣

変えるための能力やリソースが、いつでも手に入るわけではないかもしれない。しかし、自分の考え方ならいつでも変えることができる。そして、それこそが成功への第一歩だ。 私たちはしばしば、人生を向上させるために、自分の外側の要素に目を向ける。しかし本当の変化は、自分の思考や信念から始まるのだ。(ダリウス・フォルー)

ブロガーのダリウス・フォルーは、目標達成に向けた明確な思考の重要性を強調しています。彼の著書は、精神的なクリアさを求めたり、意思決定能力の向上を目指す人々にとって、非常に有益な情報源になるはずです。フォルーが指摘するように自分の思考をコントロールし、正しい決断を行うことによって、より充実した人生を送ることが可能になります。

変化を望む際、常に必要なスキルやリソースががすぐに使えるとは限りません。しかし、自分の思考パターンであれば、いつでも自由に変えられます。この思考の転換こそが、成功に向けた重要な一歩となるのです。

私たちはしばしば、人生をより良くするために外部の要因に焦点を当てがちですが、真の変化は自分自身の思考や信念を変えることから始まります。 目標達成や成功に向かう道のりは、明確な思考と意志の力が不可欠であることを著者は改めて教えてくれます。

自分の思考を整理し、コントロールすることで、迷いや不安を取り除き、自己実現への一歩を踏み出すことができます。そのため、成功や成長を望むならば、まず自分の思考を見直し、必要な変化を起こすことが肝要であると言えます。

あなたには、自分の思考を自分で決める力がある。思考が人生を決めるという事実を考えれば、思考をコントロールする力は、人生でもっとも大切なものであるはずだ。思考の技術を向上させることができれば、人生で達成できないことは何もない。このシンプルな気づきが、文字通りすべてを変える。

また、正しく決断することも成功に欠かせません。意思決定を向上させるためには、単に知識を深めるだけでは不十分であり、プラグマティズムという実用的かつ中立的な視点が極めて重要となります。この考え方は、情報に基づいた意思決定、いわゆる「インフォームド・ディシジョン」へと導きます。

意思決定プロセスにおいては、自分の経験や知識をもとに最善の選択を追求しますが、いつも最適な選択ができるわけではありません。プラグマティズムを取り入れることで、確固たる事実にフォーカスできます。事実を知るために、情報を客観的に分析し、より良い決断を行うことができるようになるのです。

ビジネスの世界では、情報が不足している場合に誤った判断を下してしまうリスクがありますが、プラグマティズムを意識することで、客観的で正確な意思決定が可能になります。

明晰思考で大切なのは、いつでも地に足を着けていることだ。 事実を見て、他者の意見を聞き、そのうえで現実的な結論を導き出す。

著者が提唱する「明晰思考」とは、常に現実に根差した思考を保つことの重要性を指しています。このアプローチでは、事実を客観的に分析し、他人の意見にも耳を傾け、現実的で論理的な結論を導出することが重視されます。

生活の質は、私たちの思考の質に大きく依存しているという理念を基に、日々の思考プロセスを研ぎ澄ませることが強調されています。私たちの行うすべての決断は、私たちの思考に根ざしており、そのためにはクリアで客観的な思考が不可欠です。

明晰思考を養うことにより、自分自身の人生をより望ましい方向へと導くことが可能になります。思考の質を向上させ、現実に即した判断を下すことで、より信頼性の高い道を選択できるようになるのです。

自分がコントロールできることだけに集中する!

脳が入手する情報は、直接的に何かの役に立つ必要はない。ただ自分が興味を持った知識を集めていけば、脳内のネットワークに多様な情報が蓄積されていく。そして後になってから、それらの点と点をつなげればいい。

脳は、直接的な利益が見えない情報でも積極的に収集します。特に自分の興味がある分野からの知識は、脳内の情報ネットワークを豊かにします。この情報収集の過程で、後になって異なる情報間の関連を見出す能力が重要になります。

スティーブ・ジョブズが語った「コネクティング・ドット」=つまり、点と点を結びつけること―の重要性は、まさにこのことを指しています。直接にはつながりが見えない情報でも、振り返ることで相互の関連性が明らかになるのです。

新たなアイデアや発見への道は、さまざまな情報を脳に蓄積し、それらから学び、実践し、失敗から学ぶプロセスを経ることで開かれます。多様な経験を通じて脳を訓練し、成長させることで、情報間のつながりをより強化し、脳の機能を発展させることができます。このようにして、継続的に学び、挑戦することが、脳の情報ネットワークを充実させ、創造性や問題解決能力を向上させる鍵となります。

個人的にも、失敗の経験や読書、イベント参加などから得た知識を結びつけることで、自分の運気を向上させることができたため、著者のこの見解に深く共感しています。このアプローチは、私たちが直面する課題を乗り越え、より良い成果を達成するための力強い手段となり得ます。

ただ自分の思考を自覚して、その中から無視する思考と、重要な意味を持つ思考を選ぶことだ。 

役立つ思考に焦点を当てるための基本原則は、「自分がコントロールできることにのみ注力する」というものです。このシンプルなルールを採用することで、多くの無駄な考えを取り除くことが可能です。これは、私たちが実際にコントロールできることが少ないためです。

このアプローチは、ストレスの軽減と自己管理の改善に役立ちます。人々がしばしば未来の不安や過去の後悔に捉われがちなのに対し、実際には未来や過去を完全にコントロールすることは不可能です。そこで重要なのは、現在、この瞬間に自分がコントロールできることへの集中です。

自分の反応や態度、時間の使い方など、自分のコントロール下にある事柄に焦点を合わせることで、望ましい結果を引き寄せ、効果的な行動を促進します。人生全体をコントロールすることは不可能でも、自分のコントロールできる範囲に意識を向けることは自己成長や目標達成につながります。

日常生活にこの経験則を取り入れることは、充実した人生へのステップです。無駄な思考を捨て、「これは考える価値があるか?」と自問することで、精神的な明晰さを維持し、無駄な後悔や将来の懸念に費やす時間を削減します。過去の後悔や未来の心配は時間の無駄であり、これまでもこれからも役立つことはありません。

「壁にぶつかるのは、次の段階に近づいている証拠だ」と考えましょう。壁に直面することは、実は進歩と成長のきっかけであり、そこで諦めるのではなく、その瞬間を歓迎する気持ちが大切です。壁にぶつかる経験は、自らの限界に挑み、それを超えようとする勇気と決断の証です。

正しい時間の使い方とは?

私の場合、計画を立て、将来について考える時間は週に2、3時間だ。それ以外は、計画を実行するか、または目の前の瞬間を楽しんでいる。

著者の時間の使い方はとても参考になります。
・過去に使う時間は、全体のわずか1%に留めます。過去を振り返るのはそこから学びを得るためだけにします。過去に囚われず、有意義な教訓を見出すことが重要です。

・未来に集中する時間は9%に設定し、この時間を使って計画を練り、思索に耽るようにします。しかし、常に未来のことを考えていては、行動に時間を使えなくなります。

・現在に集中する時間は90%となり、この大部分の時間を使って計画の実行や人生の楽しみに費やします。常に先を憂えることなく、現在を生きることの大切さを強調しています。

週に2、3回の思考時間で未来に対する準備は充分です。計画を立てることは、思考力を鍛えるエクササイズであり、継続することで上達します。

私は毎朝、3つの重要事項を決め、そのためのシミュレーションに時間を使います。この習慣は、一日の中で優先すべきことをはっきりとさせることで、成功の可能性が高まり、行動をより楽しむことができるようになりました。

人生は長い。何かに疑問を持ったり、自分は間違っているのではと感じたりすることもあるだろう。しかし、その気持ちはいったん脇に置き、ひたすら前に進んでみよう。自分にエネルギーと喜びを与えてくれることをやればいい。

一時的に休息を取り、脳と体のエネルギーを回復させることで、新たな挑戦へと備えることができます。壁を越える力を身につけるためには、その力を育む必要があります。

壁にぶつかる経験は、決して失敗ではなく、かえって学びと成長の大切なチャンスを提供します。困難や挫折の先には、自分自身の進化と新たな可能性が待っています。壁に直面したときこそ、進むべき道を見つける絶好の機会と捉えることが大切です。過去の経験から学び、「コネクティング・ドット」の考えを活用しながら、自己実現に向けた一歩を踏み出しましょう。

無駄な思考に惑わされず、明晰思考を維持することで、理想の人生を構築することができます。「解像度を上げる」考え方を採用することで、あいまいな思考を整理し、具体的な目標に向けた行動を促進できます。

明晰思考は自己成長と目標達成に不可欠であり、自分らしい人生を歩むための第一歩です。自身を見つめ、思考と行動に集中することで、満足度の高い人生を送ることが可能になります。


 

この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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