ネクストカンパニー 新しい時代の経営と働き方 ーー 情報・価値観の差が利潤になる(別所宏恭)の書評

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ネクストカンパニー 新しい時代の経営と働き方 ーー 情報・価値観の差が利潤になる
別所宏恭
クロスメディア・パブリッシング(インプレス)

本書の要約

経営者は安売りをやめ、「高く売るための工夫や方法」に集中し、そのための組織を作るべきです。時代のトレンドに合わせた人材を集め、テクノロジーを活用し、自社の強みを磨き上げていくことで顧客との関係を強化できます。「ネクストカンパニー」とは顧客に高い価値を提供し、適正価格で勝負できる会社なのです。

経営者が自社商品を高く売ることを優先すべき理由

今、日本のすべての企業にとって必要なのは「高く売ること」。 (別所宏恭)

日本経済が停滞する理由は、安売りが常態化していることです。あえて値段を安くし、価値を提供することをやめてしまった企業が数多く存在します。自らレッドオーシャンで戦い、社員を疲弊させているのです。

日本は「労働人口が減る×1人当たり労働時間が減る×労働者平均年齢が上がる」という三重苦が進んでいる状況にありますが、労働力が減少することで、企業が労働者1人に支払うコストは確実に上がっていきます。その中で安売りを続けることは、資本のない中小・ベンチャーには難しくなっていきます。

労働集約型の産業は、やがて生き残れなくなります。「いいものを安く大量につくり、たくさん売る」という考え方を、根本的に変え、新たなマーケットを自ら生み出す必要があります。

アメリカに目を向ければ、顧客との関係を構築し、彼らの話を聞くことで、高い値段を設定している勝ち組がいます。iPhoneのアップルなどは、毎年新製品をリリースし、価格をあげています。このブログでもお馴染みのテスラも圧倒的なプロダクトを作ることで、新興メーカーながら株価の時価総額でトヨタやGMを一気に抜き去り、アマゾンやアップルと時価総額で世界一の座を争うまでになりました。

高く売るために情報を集め、新たなサービスや製品を開発し、ブランドを構築することが必要です。そのための第一歩が、経営者と社員の両方が、高く売ることにコミットし、その方法を考えることです。経営者は安売りをやめ、「高く売るための工夫や方法」に集中し、そのための組織を作るべきです。時代のトレンドに合わせた人材を集め、テクノロジーを活用し、自社の強みを磨き上げていくことで顧客との関係を強化できます。

未来から、逆算し、新しい価値、新しい体験、新しい感動を生み出す産業を創出することで、自社を「ネクストカンパニー」に位置付けられるようになります。当然、新しいことにチャレンジするのですから、失敗は避けられませんが、それを許容できる文化を社内に築いていきます。

ネクストカンパニーに生まれ変わる方法

経営者が今後、重視すべきことは「スピード」です。「仕事を早くして分母たる時間を減らす」ことが、「高く売る」と並んで労働生産性を上げる鍵になるのです。 「スピード」は、これからのビジネスでますます重要になります。1人当たりGDPにしろ、1時間当たり労働生産性にしろ、その分母は「時間」が関係しています。

■決断を速くする。
■すぐに始める。
■すぐに修正する。
素早くPCDAを回し、この3つを経営者と現場が、徹底することで、失敗の中から成功のきっかけを見出せるようになります。

新規事業の成功率は1割と考え、「9割の失敗を許容できるマネジメントの重要性」を理解し、社員が伸び伸びと仕事を行える環境を整えましょう。人と未来に賭けるビジネスをするなら、未来から逆算し、時代の変化を先取りし、それに適応していくべきです。その際、失敗を恐れず、スピーディに行動することが重要になります。

また、「9割の失敗を許容」できる余力を持つためにも、キャッシュフローの改善も課題になります。顧客のペインを取り除ける圧倒的な高価値の商品を開発できれば、適正な利益を得られます。高価値の商品を適正価格で売ることで、顧客と従業員、サプライチェーンの全てを幸せにできるのです。

顧客の声を聞くために、雑談を見直し、聞く力を鍛えましょう。顧客の声をヒントに、さまざまな体験と知識を総動員し、イノベーションのタネを探すのです。商品を生み出す貴重な情報は、現場で得られることが多いのですから、現場主義を徹底し、自らの「主観」を磨くことを個々の社員に求めるのです。

仕事を楽しみ、さまざまな文化に触れたり、エリア特性を考えることで、課題解決のヒントが見つかります。顧客にの思考や行動をイメージし、自社の商品のどこに課題があるのかを考えるのです。顧客のペインを見つけ、そのギャップを自社商品で埋めることを提案すれば、ブルーオーシャンが見つかります。

顧客に一番近い営業が雑談を通じて、顧客のペインを見つけるようにすべきです。顧客の要望や不満からビジネスチャンスが見つかったら、それを全社員にスピーディに共有し、改善策を募っていきます。その際、SlackやZoomを使い倒すことで、スピーディに商品開発ができるようになります。

未来を切り拓くアイデアは雑談から生まれます。未来をつくる雑談をリアルタイムに記録・共有し、チームでビジネスアイデアを創り出すようにしましょう。顧客がお金を喜んで払ってくれる強い商品を生み出すことで、レッドオーシャンから抜け出せるようになります。

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