2030 未来のビジネススキル19(友村晋)の書評

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2030 未来のビジネススキル19
友村晋
日経BP

2030 未来のビジネススキル19(友村晋)の要約

一次情報力、マネジメント力、読書力などの人間臭いビジネススキルは、AIのようなテクノロジーにはない独自の価値を持っており、今後も重要性を増していきます。テクノロジーの発展に伴い、これらの人間中心のスキルを磨き、強化することが、将来の成功への鍵となります。

未来のために身につけたいスキルとは?

テクノロジーがどれほど進化しても人に必要とされるスキルがあります。それはプログラミングなどのITスキルよりも、より人間臭いスキルなのです。(友村晋)

株式会社ミジンコの代表取締役でありフューチャリストの友村晋氏は、AI時代に必要なスキルについて解説しています。彼は、2030年に向けてのバックキャスティングを通じて、これから必要となるスキルを明らかにしています。著者は本書で一次情報力、課題発見力、レコメンド拒否力、未来情報力、マネジメント力、読書力など19のスキルを紹介しています。

友村氏は「一次情報力」という概念を提唱しています。これは、自ら体験したり、直接調査を行うことで一次情報を収集する能力のことを指します。著者によると、一次情報を発信できる人の市場価値は今後高まっていくと予測されています。

私は、ベンチャー企業の社外取締役やファンドのアドバイザーとして、ベンチャー経営者や士業、コンサルタントと話すことで、一次情報を得ています。イノベーションの最前線での情報収集を掛け合わせることで、自分の提供価値をアップデートしています。それらの情報を雑誌やウェブ、イベントで情報を発信することにより、個人としての価値を高めてきた経験から、著者のメッセージに深く共感しています。

一次情報を直接収集し、それを発信することは、現代においてますます重要になっています。実体験に基づく情報は、信頼性が高く、新しい視点やアイデアを提供します。著者と同じように私も、シアトルのAmazon Goやエストニアの電子政府を訪問し、体験してきましたが、この体験が情報の信頼性を高めてくれます。AIが提供できない実際の体験とその発信は、大きな価値をもたらしてくれます。

このスキルを養うためには、情報を疑う、自ら体験することが重要です。実はAIとの差別化は五感を鍛えることと同義なのです。

著者は課題発見力の重要性も強調しています。AIの時代には、多くの問題解決がテクノロジーによって実現されるため、課題解決力よりも課題発見力がより重要なスキルとなると述べています。すでに、Chat GPTのようなAIを利用し、迅速に答えを得ることが可能です。

テクノロジーの進化に伴い、将来的には、問題を見つけ出し、定義する能力が仕事において重要な役割を果たすようになるでしょう。このように、現代社会では、課題を特定し、新たな視点を提供する能力が求められています。

読書力が重要な理由

マネジメント力=人を管理する能力です。ダイバシティが進めば、人生観、価値観、生き方が異なる多様な人材の能力を引き出すことが求められます。

上司と呼ばれる人の仕事は次の5つに集約されます。
①ゴールを示すこと
②聞いてほめること
③俯瞰すること
④意思決定すること
⑤責任を取ることです。

これらの中でも、特に②聞いてほめることと③俯瞰することが大切であると著者は述べています。上司とは、組織の中でリーダーシップを発揮し、部下を指導・サポートする存在です。その役割を果たすために、上司は様々な仕事を担当しますが、その中でも聞いてほめることと俯瞰することが特に重要なのです。

まず、聞いてほめることは、部下の成果や努力を評価し、それを伝えることです。人は認められることでやる気を引き出され、自信を持つことができます。上司が部下の良い点を見つけ、それを褒めることで、部下は仕事に対するモチベーションを高めることができるのです。

上司は部下の活動を見守りながら、全体の進捗や課題を把握する必要があります。俯瞰することによって、上司は部下の方向性を指示し、組織全体の目標に向けて戦略を立てることができます。 特に現代のビジネス環境では、変化が激しく、複雑な問題が日々発生しています。

そのため、上司は部下を支えるだけでなく、チームや組織全体の課題にも対応しなければなりません。聞いてほめることと俯瞰することは、このような状況下でのリーダーシップの基本的な要素と言えるでしょう。

上司としての能力を高めるためには、聞く力や視野を広げる力を養うことが必要です。部下の声を真摯に受け止め、フィードバックを行うことで、より良いコミュニケーションを築くことができます。また、自身の知識や経験を活かしながら、組織全体の動向や市場の変化を意識することも重要です。 

あなたの悩みの解決策はすでに本に書かれている。

読書力は、ただ本を読むだけではなく、読んだ内容を自分の生活や仕事に活かす能力を指します。この力を身につけることで、日々の課題をより効率的かつ効果的に解決することが可能になります。読書の蓄積によって思考する力が養われ、AIとは異なるアプローチで、課題を定義したり、解決できるようになります。

私はこのブログを書くために年間1000冊ほどの本を読みますが、この大量のインプットのおかげで、課題解決策を考えることが苦ではなくなりました。また、10年以上にわたり一日も休まずにブログを続けることで、自分のブランドを強化できました。このブログからいくつもの新しいご縁が生まれています。(本書を献本いただくことで、友村さんとのご縁につながりました。)

読書という行為を単なる趣味の域から一歩進め、積極的な学びと実践の道具として用いることで、大きな成果を得られます。継続することの大切さを理解し、読書に励むことで、ビジネスがうまくいくようになります。

現代社会では、テクノロジーの進化がめざましく、日々新しい変化がもたらされています。この継続的な変化と進化に適応するには、テクノロジーに関する知識を深めることが重要です。これにより、テクノロジーの利点を最大限に活用し、それに伴う不安や懸念を解消することが可能になります。

特に、AIのような急速に進化する分野に対しては、恐れるのではなく、積極的に体験し理解を深めることが求められます。AIを実際に体験することで、その機能や可能性を直接的に理解し、自分に何ができるか、また自分が提供できる価値が何であるかを見出すことができます。


 

この記事を書いた人
徳本

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数
iU 情報経営イノベーション専門職大学 特任教授 

■著書
「最強Appleフレームワーク」(時事通信)
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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