橘玲氏の「人生は攻略できる」の書評


みんながネガティブな社会では、意識的にポジティブになって、「コップに水が半分も入っている」と考えた方がうまくいくことが多い。これが第一の鉄則だ。それに、ネガティブなことしかいわないひとは、君のまわりにいくらでもいるだろうから。(橘玲)


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バザール型の幸福な働き方とは何か?

橘玲氏の人生は攻略できるを読了しました。 幸せな人生を生きるために、どうすればよいかを説いた良書で、共感しながら読み進めることができました。一つの会社で生きることが当たり前の時代から、ジョブホッピングが必要な時代にシフトする中で、私たちの働き方も変わっています。

会社という閉じた伽藍の世界で我慢する日本人的な生き方は人を不幸にします。実際、日本人の幸福度は先進国で最低で、日本人の多くは会社を憎んですらいるというのです。それを避けるためには、世の中をポジティブに捉え、楽しく働くことがポイントになります。
(1) 好きなことを夢中でやって、いまが楽しい
(2) あとから振り返って「幸福だった」と思える
『好きなことに夢中になるのが「やりがい」で、それが積み重なると「生きがい」になり、それをあとから振り返って「幸福な人生」だと思える』と橘氏は述べています。好きなこと、楽しいことを仕事にして、自分の時間をよりよいものにすべきです。

今後の働き方ひとつの場所に長期間勤めるのではなく、プロジェクト型にシフトしていくはずです。日本のサラリーマンが生きている閉じた世界のムラ社会の「評価」や「肩書」は意味がなくなっていきます。自分の価値で勝負すること、ギバーになることで評判を得ることが大事になります。伽藍の世界から、バザール型の働き方が主流になる中で、今後は体験が重要になると橘氏は指摘します。

アメリカやヨーロッパ、日本のような先進国は、いろいろ問題はあるとしても、それなりに平等な社会になってきた。そういう社会では、(最終的には)肩書や学歴ではなく実績で個人が評価され、その結果、ちょっとした不運はいずれなんの影響もなくなるのだ。そう考えれば、若いときは失敗を恐れることなくいろんなことを体験した方がいい。もちろんうまくいくことばかりではないし、つらいことや苦しいこともあるだろう。でもいいことも悪いことも、たくさんの体験を持っているひとは、まちがいなく幸福度が高くなる。それがいずれ、魅力的な「人生の物語」をつくる大事な材料になるのだから。

たくさんの体験が未来の自分を明るくしてくれます。実際、私は4年前に広告会社をやめ、プロジェクトベースで働くようになりました。人の出入りが多く常に動いているバザールに店をオープンすること(独立すること)で、多くの人との出会いが生まれ、そこからビジネスがいくつもスタートしました。自分の価値を提供し、楽しく働くことで、私の幸福度は一気にアップしたのです。

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好きなこと、得意なことを仕事にしよう!

好きなことがまだ見つからないなら、探し続けてください。決して立ち止まってはいけない。本当にやりたいことが見つかったときには、不思議と自分でもすぐにわかるはずです。すばらしい恋愛と同じように、時間がたつごとによくなっていくものです。だから、探し続けてください。絶対に、立ち尽くしてはいけません。(スティーブ・ジョブズ)

実際、得意なことで頑張ると、みんなからほめられるようになります。オープンなバザールの世界に飛び出し、価値を提供すると誰かが声をかけてくれ、それに対価を払ってくれます。

人からほめられ、お金をもらえるようになると、ますます人は頑張れるようになります。この「スピリチュアルの法則」を活用し、「圧倒的な努力」を心がけるべきです。 心の中のスピリチュアルが求めることだけをやるようにすることで、人は結果を残せるようになります。自分の無意識を大事にして、ワクワクする仕事を選ぶようにしましょう。

意識(やらなきゃいけない)が無意識(やりたくないよ)にほとんど抵抗できないということは、いまでは脳科学が膨大な証拠を積み上げて繰り返し証明している。だとしたら、「やればできる」ではなく「やってもできない」を前提として人生ゲームの攻略法を考えるべきだ。「頑張れるのは好きなことだけ」をポジティブに反転すると、「好きなことはいくらでも頑張れる」になる。

最初から「好き」がわかっている人はあまり多くありません。「好きを仕事にする」方法は、トライ&エラーしかないと橘氏は言います。たくさんの仕事のなかには、自分に向いているものと、向いていないものがあります。幾つかの仕事を体験し、その中から自分にフィットした仕事を選べばよいのです。その仕事を一生懸命やっているうちにどんどん「好き」になって、やがて「天職」と思えるようになります。

スピリチュアルが拒絶するもので妥協するのをやめ、トライ&エラーを重ねるうちに、スピリチュアルが本当に「好きなこと」を(偶然に)見つけてくれます。あとはそれに全力投球し、自分の価値を高めるようにするのです。

これからの君のいちばん大事なプロジエクトは、「好きなこと、得意なこと」を仕事にする方法を見つけることだ。そうなれば、80歳でも100歳でも、いつまででも働きつづけることができる。仕事が遊びであり、生きがいになったなら、君が50歳になったとき、「まだあと50年も楽しめるのか」とものすごくポジティブな気持ちになるだろう(「まだまだやりたいことがあるのに、あと50年しかない!」と焦るかもしれない)。

先ほども書きましたが、私は50歳を超えてから、コンサルタントとして独立しました。好きなこと、楽しいことを仕事にすることで、人生がワクワクなものに変わりました。稼いだお金を自己投資し、体験を重ねることで、より他者に貢献できるようになりました。好きなことにお金を使い、旅や読書など自分の価値を高めることを続けていれば、楽しみながら、働けるようになります。閉じた伽藍の社会を飛び出し、バザールに参加することで、私たちは幸せになれるのです。人生100年時代には、楽しく働くことを目指した方がよさそうです。

まとめ

日本のサラリーマンは伽藍を抜け出し、自分の価値を提供できる働き方にシフトすべきです。好きなこと、楽しいことを仕事にすることで、幸せに働けるようになります。「頑張れるのは好きなことだけ」だと考え、自分の働き方を変えましょう。楽しくカアセグことで、定年がなくなり、人生100年時代を乗り切れるようになるのです。

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この記事を書いた人
徳本

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数
iU 情報経営イノベーション専門職大学 特任教授 

■著書
「最強Appleフレームワーク」(時事通信)
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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