書評 グレッチェン・ルービンの苦手な人を思い通りに動かす

何年も前から幸せと習慣について研究していますが、最近わかったことは、すべてのより幸せな人生、より健康な人生、より生産的な人生を築けるような魔法の答えは存在しないということです。効果が出るかどうかは人によって異なる。それどころか、誰かに効果があることが、別の誰かにはむしろマイナスの効果を生むことすらあるということもわかりました。(グレッチェン・ルービン)


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人との関係を改善できるシンプルなフレームワーク・4つの傾向とは何か?

大好きなグレッチェン・ルービンの新刊苦手な人を思い通りに動かすを献本いただきました。早速、本書を取り上げたいと思います。著者のルービンは、外からの期待や内なる期待にその人がどのような態度をとるかで4つのタイプに人を分類できるという仮説を持っていましたが、全米200万人を対象に調査を実施することで、人を動かすための4つの傾向を明らかにしました。
■アップホルダー(約束を守る人)ー外からの期待と内なる期待の両方に進んで応えようとする。
■クエスチョナー(疑問を持つ人)ーあらゆる期待に疑問を抱き、自分が正当だと思う期待にのみ応えようとするため、実質、内なる期待にしか応えようとしない。
■オブライジャー(義務を果たす人)ー外からの期待には進んで応えようとするが、内なる期待にはなかなか応えられない。
■レブル(抵抗する人)ーあらゆる期待に反発し、外からの期待、内なる期待のどちらに対する態度も変わらない。

サンプル調査によって、4つの傾向の割合もわかりました。オブライジャーはもっとも多く41%、ついでクエスチョナーの24%。レブルはもっとも少なく、17%でアップホルダーは、レブルよりわずかに多い19%でした。ちなみに著者はアップホルダーに該当するそうです。

自分の傾向を把握することはとても重要です。幸せな人生というものは、自分の性質、興味、価値観を無視して築くことはできないことがその理由です。また、自分以外の人の傾向について理解することも大切です。職場の同僚、上司、教師、コーチ、夫、妻、親、子ども、医療関係者、患者など、自分の身近な人の傾向を把握すれば、その人たちとのつきあいがよくなり、仕事もしやすくなります。

つまり、4つの傾向を理解することは、あなたを取り巻く世界をより深く知ることにつながるのです。ほとんどの人が、4つの傾向のうちのどれかに驚くほどぴったりと当てはまります。 この4つの手法はとてもシンプルで、傾向という側面のみにスポットを当てます。4つの傾向は人が特定の行動をとる、またはとらない理由にスポットを当てたフレームワークなのです。このシンプルなルールを自分ごと化することで、苦手な人を自分の味方にできるのです。

 

4つの傾向から自分自身を把握しよう!

知恵と経験、それに加えて4つの傾向からわかる自分自身に関する知識があれば、時間をより有効に使い、より良い決断を下せるようになります。ストレスは軽減して健康になり、周囲と今以上に充実した関係を築けるようにもなります。

自分の傾向を把握し、自分が楽しめそうな仕事とそうでない仕事を見極めることで、人生の可能性を広げられます。私は本書の冒頭の診断を受けることで、自分がクエスチョナーであることがわかりました。私は何かを始めるときに「これに意味があるか?」を問いかけることで、自分の行動をよりできるのです。

クエスチョナーは内なる期待にしか答えないという特徴があります。しかし、外からの期待も内なる期待に転じさせることができれば、それに応えようとします。クエスチョナーは理由を求め、何が得策かを考え、アクションを起こすのです。

内なる期待として受け入れるうえで、クエスチョナーが何よりも重視するのが情報と論理と効率性です。彼らは自分の手で事実を集め、自分で決断し、正当な理由にもとういて行動したがります。そして、必然性がない、正当な理由がない、効率が悪いと思えば、どんなことにも異を唱えるでしょう。

クエスチョナーは自分の意思でしか動かないので、いったん何かをすると心に決めたら、やり遂げるための苦労はあまりありません。実際、私も断酒をするときにお酒をやめる意義を問いかけることで、自分の悪い習慣にさよならできました。

クエスチョナーは人の情報源になることが多いと言いますが、日々ビジネス書を読んで情報発信をしたり、コネクタとして動く私は、確かにクエスチョナーの可能性が高そうです。人との知識共有にも情熱を感じています。また、納得するまでずっと動けないという特徴も、私にも当てはまります。

このブログをもっと早く始めることができたのに、自分が納得するまで動けず、私は第一次ブロガーブームに乗り遅れました。しかし、書き始めてからは1日も休まず10年以上、ブログを継続しています。一度腑に落ちれば、行動できるのですから、自分を動かす良い質問を投げかけることを習慣にしたいと思います。

人は4つの傾向を把握することで、自分の人生をよりよくできます。

人一倍幸せな人や、人一倍成功を収める人というのは、自分の傾向を自分のために活かす術を見つけた人たちだと思います。そしてもちろん、傾向の欠点をカバーする方法も見つけています。自分の思い描く人生に向けて歩き出すことは、誰にでもできる。ただし、その歩き方は自分にとって正しいものでないといけないのです。

アップホルダー、クエスチョナー、オブライジャー・レブル。自分の傾向がどれであっても、私たちはそれがもたらすものと向き合うことになります。傾向の強みと弱み、傾向のせいで生まれる弱点や苛立ちとつきあっていくことが求められます。自分の傾向を理解することで、自分が払う代償はどういうものか、いつ払うのか、なぜ払うのかということがしっかりとわかるようになります。そしてひいては、自分が望む人生のつくり方が見えてくるのです。

本書を活用し、自分が4つの傾向のどれに属するかを確認してみましょう。 今までの知恵と経験、それに加えて4つの傾向からわかる自分自身に関する知識があれば、時間をより有効に使い、より良い決断を下せるようになります。ストレスは軽減して健康になり、周囲と今以上に充実した関係を築けるようにもなります。

まとめ

人はアップホルダー、クエスチョナー、オブライジャー・レブルの4つの傾向に分類できます。この4つの傾向を理解することは、あなたを取り巻く世界をより深く知ることにつながります。自分の周りの人の傾向を理解することで、積極的に行動できたり、人間関係を驚くほど改善できるのです。

 

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この記事を書いた人
徳本

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数
iU 情報経営イノベーション専門職大学 特任教授 

■著書
「最強Appleフレームワーク」(時事通信)
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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