じぶん時間を生きる TRANSITION (佐宗邦威)の書評

left person's arm wearing watch pointing body of water

じぶん時間を生きる TRANSITION
佐宗邦威
英治出版

本書の要約

自分らしい生き方とは、他人の期待や社会の常識に縛られずに、自分の本当の欲求や価値観に基づいて生きることです。この生き方は、自己の幸福を感じ、充実した人生を送るための方法です。自分らしい生き方を実現するためには、他人の時間に囚われず、じぶん時間にシフトすることが重要です。

じぶん時間へのシフトが幸福をもたらす!

コロナ禍によって、ライフスタイルが変化していった中で、僕たちにどんな内的変化=「トランジション」が起こっていったのか、ということだ。 僕の中で起こったトランジション、それは「時間のとらえ方=時間感覚のシフト」だった。(佐宗邦威)

「このままの働き方を続けていいのか?」 「自分らしい生き方とはなんだろう?」 パンデミック時に「人生の時間」の使い方について考える時間を持つことで、時間の使い方や働き方が変わったと著者の佐宗邦威氏は言います。(佐宗邦威氏の関連記事

資本主義経済のもと、私たちは日々働き続け、忙しさに追われる中で、自分自身が本当に望んでいる生き方を見失ってしまうことがあります。

パンデミックの影響により、私たちは一時的に自分の人生の価値や意味を考える機会を得ました。このような状況を通じて、私たちは「自分らしい生き方」というものについて深く考える必要があります。

自分らしい生き方とは、他人の期待や社会の常識に縛られずに、自分の本当の欲求や価値観に基づいて生きることです。それは、自分自身が幸せを感じ、充実した人生を送るための道です。 自分らしい生き方を実現するためには、他人時間(他人起点の時間)から自分時間に時間の使い方をシフトすることが重要です。

つまり、自分の本当に望むことに焦点を当て、他人の期待や社会的なプレッシャーによって自分を制約することなく、自由に生きることが求められます。 この変化は、自己啓発や内省を通じて起こります。自分の本当の価値や欲求に気付くために、心の声に耳を傾け、自己探求を行うことが大切です。また、過去の経験や失敗から学び、自分の成長に繋げることも重要です。

今・ここに流れている「時間をどう感じたいか」という意思を持つことから、変化は始まるのではないか。大事なのは、時間を「効率的に」使うかではない。自分が過ごしている時間を、「自分を主語に」今を感じて豊かに過ごせるか。「他人に支配された時間で生きる世界」から、「自分の時間を生きる世界」への転換ではないか。

コロナ禍前までは、「他人時間」で生きてきた著者が、内発的動機(=「じぶん時間」)を起点に生きるようになったことで、幸福感を高められたと言います。これまで他人や社会の期待に応えることを重視し、自己の時間や欲望を後回しにしてきましたが、自己の内発的な動機に目覚め、自分自身の時間や意欲を大切にする生き方を選ぶようになることで、幸福になれたのです。

やりたいことを情報発信したほうがよい理由

豊かさのモノサシが、他人からの称賛(「すごい」)を大事にするOutside-inの視点から、自分の価値観(「いい!」)を大事にする内面に根ざしたInside-outへシフトした。さらにコロナ禍による生活のリセットが起きたことで、惰性の力を断ち切り、変化を推し進めた。

自己の内なる欲求や情熱に基づいて行動することが、より充実感や幸福感をもたらすのです。自分らしい人生を送るために、住環境や働きを変える人が増え、幸福を追い求めることが当たり前になってきたのです。著者も軽井沢に移住することで、働き方が変わり、家族や地域と接する時間が圧倒的に増えたと言います。

人生のポートフォリオを書き換えることも、自己の内なる欲求に基づいて行動する一つの手段です。自分が本当にやりたいことや興味のある分野に挑戦することで、より豊かな人生を送ることができるのです。

例えば、新しい職業に挑戦したり、趣味を追求したりすることで、自分自身を成長させることができます。これにより、より充実感や幸福感を得ることができるのです。 さらに、一人の人格ではなく複数の人格を使い分けるような生き方をすることも、自己の内なる欲求に基づいて行動する一つの方法です。

自分自身の様々な側面や興味を活かし、多様な経験をすることで、より豊かな人生を送ることができるのです。例えば、仕事では真面目で責任感のある一面を発揮し、趣味では自由奔放な一面を楽しむことができます。これにより、自分の内なる欲求を満たすだけでなく、ラットレースからの脱出を見出すこともできるのです。

キャリアをつくる最初は、強みであるGOOD ATを特定して、世の中のNEEDSとマッチングさせていく。そのことで、経験を増やしたり人脈を増やしていき、リソースを増やしていくことが有効だ。ある程度、生計を立てていくことは必須だろう。 そして、ビジョンを大事にしたキャリアづくりの上では、LOVEを起点にスタートする。 北極星をイメージし、その中で興味のあるキーワードを設定する。好きで興味があることを続けていけば、時間が経ったらそれがGOOD ATとなり、できることを発信し続けていれば、必要としている人も現れる。

そのためには自分のやりたいことの発信が欠かせません。SNSに情報を書き込むことで、チャンスが広がります。断酒した後、私は自分の人生を書き換えることにし、やりたいことを都度SNSやブログで発信することで、チャンスを広げてきました。社外取締役やアドバイザーとしてのサラリーマンからの独立、著者、大学の特任教授になれたのもこの情報発信のおかげです。働き方を変えたこの10年で、私の幸福度は間違いなくアップしています。

以下、ブログやSNSで発信するメリットをいくつか挙げます。
・自分のスキルや経験を多くの人に伝えることができる。
・新しい仕事やプロジェクトに出会うことができる。
・自分の考えやアイデアを世界に発信することができる。
・自分のネットワークを広げることができる。
・自分のブランドを構築することができる。

リモートワークが当たり前の時代では、経営者から企業に所属する社員、どの立場の方も、新しい仕事を手に入れるためには、ネット経由で自ら発信することが不可欠になります。やりたいことを積極的に発信することで、セレンディピティが起こります。

やりたいことをやり、今ここに集中し、じぶん時間を楽しむことで、私たちは幸せになれそうです。他人時間を減らして、この時間を増やすことをもっともっと意識したほうがよさそうです。


この記事を書いた人
徳本

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数
iU 情報経営イノベーション専門職大学 特任教授 

■著書
「最強Appleフレームワーク」(時事通信)
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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