考えすぎない練習(ジョセフ・グエン)の書評

person standing near body of water

考えすぎない練習
ジョセフ・グエン
ディスカヴァー・トゥエンティワン

考えすぎない練習(ジョセフ・グエン)の要約

自分の真の情熱に集中し、フロー状態を生み出すことによって、私たちの人生は良い方向に変わり始めます。内なる直感に耳を傾け、ネガティブな思考に囚われずにいることで、私たちはポジティブな行動を取る力を育み、より多くの幸福な瞬間を自らにもたらすことができます。

ネガティブな感情に囚われない方法

人生で多くの痛みを経験したとしても、苦しむかどうかは自分で決められるのです。つまり、痛みは避けられなくても、人生で起こる出来事や状況にどう反応するかは私たち次第であり、その反応の仕方によって苦しむか苦しまないかが決まるのです。(ジョセフ・グエン)

私たちがネガティブな感情に陥るのは、外的な出来事そのものよりも、それらの出来事に対する私たちの解釈や反応に起因します。これは、心理学や認知行動療法で広く受け入れられている考え方です。

すなわち、私たちの感情は、外部の出来事に直接反応して生じるのではなく、それらの出来事に対して私たちがどのように考え、どのような意味を与えるかによって生じます。

たとえば、同じ出来事が起こったとしても、人によって受け取り方が異なれば、感じる感情も大きく異なります。これは、私たちの認識が現実を形作るという考え方を示しています。

私たちがポジティブな視点を持つことができれば、困難な状況でさえも成長や学びの機会と捉えることができます。逆に、ネガティブな視点で物事を見ると、同じ状況がストレスや不安を引き起こす原因となり得ます。

この理解は、私たちが自分の考え方を変えることで、感情や人生の経験を積極的に変えることができるという希望を与えます。考え方を変えることは容易ではありませんが、著者のアドバイスに従えば、ネガティブ思考にとらわれなくなります。

私たちにストレスをもたらすのは、考えている内容ではなく、私たちが考えているという事実そのものです。私たちが続けている思考の量は、常に私たちが経験しているストレスやネガティブな感情の大きさに直接相関しています。

多くのフラストレーションやストレス、不安、ネガティブな感情を経験しているとき、それはあなたが考えているからであり、こうした感情の強さは続けている思考の量に直接相関していることを知っておきましょう。

したがって、私たちに苦しみをもたらしているのは、私たちが考えているではなく、私たちが考えている「内容」という「事実そのもの」なのです。つまり、愛、喜び、至福など、私たちが望むポジティブな感情を経験するために「ポジティブに考えよう」とする必要はありません。

というのも、そうした感情を覚えるのが私たちの自然な状態だからです。 私たちの心は、考え方によって影響を受けます。例えば、ネガティブな考えが頭をよぎると、不安やストレスが生じることがあります。そのため、ポジティブな感情を育むことが重要です。

しかし、ポジティブに考えることは無理強いする必要はありません。自然な流れでポジティブな感情が湧き上がるように心がけることが大切です。 また、ストレスやネガティブな感情が強い時ほど、自分の考え方や心の持ち方が重要になります。

例えば、日常生活での小さな幸せや感謝の気持ちを意識することで、ポジティブな感情を育むことができます。自分の思考に意識を向け、ポジティブな感情を育むことで、心の健康を保つことができるのです。

つまり、私たちがストレスやネガティブな感情に苦しむのは、考えている内容そのものではなく、その考え方や思考の量にあるのです。ポジティブな感情を育むためには、自然な流れを大切にし、日常の中で小さな幸せを感じることが重要です。考え方を整え、心を豊かにすることで、より幸福な人生を送ることができるでしょう。

直感を信じ、自分のやりたいことにフォーカスしよう!

ネガティブな感情の強さは、私たちが現在続けている思考の量に直接相関しています。考える量が少なければ少ないほど、ポジティブな感情が自然に生じる余白をより多くつくることができるのです。

最高のパフォーマンスを発揮している時、私たちはしばしば「フロー状態」と呼ばれる特別な意識の状態に入ります。この状態では、余計な考えが頭をよぎることなく、作業に完全に没入できます。

たとえ何か考えが浮かんでも、それに対して意識的に考えることなく、自然と頭の中を流れていきます。つまり、最も効率的に仕事をする瞬間は、実際には「無心」の状態であると言えるでしょう。

この感覚は不思議に思えるかもしれませんが、最良の成果は、考えることを止めた時に達成されることが多いのです。そして、この経験は多くの人々によって共有されています。

創造性を最大限に発揮するためには、考えることをやめることが重要だと著者は言います。脳はしばしば、単に欲望に従って行動することは無意味だと私たちに思わせがちですが、実際にはそれが創造的なブレークスルーへの鍵となることがあります。

本当にやりたいことに基づいて直感的に行動することで、私たちは無条件の創造の領域にすぐに入ることができます。この瞬間、私たちはフロー状態や一体感を深く体験することができ、これは創造的な活動において非常に価値のある状態です。

大切なのは、思考が頭の中に入り込むのを防ぐことではなく、ネガティブな感情を引き起こしているのは自分の思考にすぎないとすぐに思い出せるようにしておくことです。思考は私たちに深く根付いているため、生じないようにするのは不可能です。

朝一番の習慣を持つことは、一日を通じて本当にやりたいことに集中するための効果的な方法です。このような習慣は、朝起きた瞬間にポジティブな動きを生み出し、一日中無心の状態を維持するのを助けます。考えることなく、ストレスや外的な干渉に引きずられることなく、一日を過ごすことができます。偉大なリーダーたちが朝のルーティンを持つのは、このパワーと勢いを通じて、一日を効果的に始めることができるからです。

私の個人的な経験からも、感謝日記をつけたり、その日の重要なタスクを事前にシミュレーションするなどの朝の習慣を実践することで、集中力を高め、より良い結果を出すことができるようになりました。

最高の仕事をしていて、自分自身と自分のしている仕事の間に境界がない完全なフロー状態にあるとき、その瞬間は何の考えも浮かんでいないはずです。もし考えが浮かんでいたとしても、あなたはそれについて考えることなく、考えが頭の中をただ流れているだけです。

つまり、人間が最高のパフォーマンスをしているときは、何も考えていない状態だと言えます。奇妙に思えるかもしれませんが、私たちは何も考えていないときに最高の仕事をします。そして、あなたはそれを自分自身の体験で証明したのです。

無条件の創造を追求できるのは、考えていない状態のときだけです。脳は、ただやりたいから何かをするのは無意味だと私たちに思い込ませようとしますが、実はそこに鍵があります。

自分の心と直感に従う勇気を持とう。心と直感はあなたが本当は何になりたいのかを、どういうわけかすでに知っている。それ以外のことはすべて二の次でいい。(スティーブ・ジョブズ)

直感に従うことは、自分自身とその内なる知恵を深く信頼する状態です。これは、考えることなく現在の瞬間に完全に没入し、自己を超えた存在と一体化するフロー状態を意味します。直感に従うとき、あなたは自己の制限を超え、「無限の知性」と直接つながり、何をするべきか自然と理解します。

この状態では、人生が自然に流れ、奇跡が日常的に起こるように感じられます。 直感の道を歩むことは、恐れを感じないことではありませんが、恐れが現れるのは、思考が恐れを中心に回っている時だけです。恐れを認識し、それが単なる思考であることを理解することで、恐れを超え、平和、喜び、そして純粋な愛へと戻ることができます。

直感を信じて行動することで、私たちは価値ある成果を得やすくなります。直感から生じるポジティブな感情や想像力は、私たちが目指す成果を現実のものにする力を持っています。

著者は以下の3つのステップを実践することで、心が穏やかに保たれ、日々の生活の中で思考を手放すことが容易になると述べています。

①否定的な感情の源泉が考えにあることを認識する
まず、私たちの否定的な感情が、考えることから生じているという事実を自覚することが重要です。

②意識的な思考を超えて内なる知恵を信じる
次に、意識的な思考から一歩離れ、内なる知恵や「無限の知性」から答えを得ることに信頼を置きます。答えが現れるタイミングや方法については、自然に任せることが重要です。

③解放された感情に感謝する
思考から解放された際に生じる感情に気づき、それらを受け入れましょう。愛、平和、喜びなどのポジティブな感情に感謝し、これらの感情を通じて物事に取り組むことで、答えが自然と明らかになります。

自分の真の情熱に集中し、フロー状態を生み出すことによって、私たちの人生は良い方向に変わり始めます。内なる直感に耳を傾け、ネガティブな思考に囚われずにいることで、私たちはポジティブな行動を取る力を育み、より多くの幸福な瞬間を自らにもたらすことができます。


 

この記事を書いた人
徳本

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数
iU 情報経営イノベーション専門職大学 特任教授 

■著書
「最強Appleフレームワーク」(時事通信)
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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